【東京】本格・窯焼きピッツァ〈注目の新店〉と〈納得の定番店〉
こいしはら・はるか/一度ハマるととことん偏りがちなフードライター。著書に『東京最高のレストラン』(ぴあ/共著)、『自分史上最多ごはん』(小社刊)等。
柿沼さんはドラマー生活を経て当時の厚生省関連施設に勤務後、イタリア車愛が高じてナポリへ。そこで知ったピッツァで人生が激変。
ワンオペで営む、薪焼きピッツァのニュー・ウェイブ。〈SAM〉(サム)/参宮橋
こんな住宅街にピッツェリアが!? と誰もが驚くであろう立地に、この春忽然と現れた新星がこちら。
店主の後藤さんは元ミュージシャン。バンドのベーシストとして活動していたが、30歳を機に「自分の好きな食べ物を作る仕事を」とピッツァの世界へ。三鷹の人気店〈武蔵野カンプス〉で、〈SAVOY〉(左ページ〈聖林館〉の前身)OBの店長に学び、自身も店長を務めた。
ここ数年、あらゆるジャンルでワンオペ+カウンターのお店は増えたけれど、ピザ屋さんは初めてかも。でも「なんとかなる気がしました」という後藤さんの言葉通りに、お店は順調。
やや小ぶりなピッツァの生地は“外サクッ・中じゅわ〜”の、後を引く食感。窯を活用した一品料理も楽しいし、ナチュラルワインやクラフトビールも充実。ふらっと立ち寄ってサクッと食べたい、そんな一軒だ。
住所:東京都渋谷区代々木4-45-5 パークテラス参宮橋101
TEL:なし
営業時間:15:00〜22:00LO
定休日:毎月1・2・16・17・29・30・31日休
席数:12席(カウンター8席、テーブル4席)
Instagram:@sam_woodfired_
※予算1人約5,000円〜。
来年で開店30周年。ナポリピッツァを広めたレジェンド店。〈聖林館〉(せいりんかん)/中目黒
かのぼること20年以上、〈聖林館〉の前身である〈SAVOY〉で初めて食べたナポリピッツァは、それまでに経験したことのある“ピザ”とは一線を画す食べ物だった。まず、メニューは「マルゲリータ」と「マリナーラ」の2種類しかないというストイックさ!(裏メニューの「ビアンカ」が3年前から定番入りし、現在は3種類) 高温の薪窯で焼く生地は香ばしく、薄くても中がもっちり。出来たてをすかさず食べるべき料理の筆頭だけど、仮に冷めても味が落ちない。具のシンプルさにも驚いたっけ。
オーナーの柿沼さんが40年前にナポリで出会い、「初めてなのに懐かしいと思った」その味を表現する秘訣は、一見相反するようだけれど「進化し続ける」こと。材料のコンディションや気候、また時代が求める味覚にも気を配り、職人・柿沼さんは日々窯の前に立つ。
住所:東京都目黒区上目黒2-6-4
TEL:03-3714-5160
営業時間:11:30〜13:30LO(土日祝〜14:30LO)、18:00(土日祝17:00)〜20:30LO
定休日:無休 50席(カウンター5席、テーブル45席)
instagram:@seirinkan_official
※予算1人ランチ約3,000円〜、ディナー約5,000円〜。