サザエのチャーシュー!? 進化する〈大阪町中華〉の名店3軒

FOOD 2023.09.07

ここ数年の大阪中華シーンは独自進化の真っただ中!その一方で誰もが落ち着く町中華もしっかり健在。ワイワイ気軽にいろいろな料理を楽しめる中華の名店3軒を。

名門料理学校の元講師が展開。新・インパクト中華〈サヴァトミー〉。

〈サヴァトミー〉「エゾアワビの香港式リゾット炒飯」

辻調理師専門学校で講師を務めた2人の気鋭が今年独立。目指すは「枠にとらわれず、自由な中華」。写真下のヒット作「エゾアワビの香港式リゾット炒飯」2,420円は、低温調理したアワビと、その煮汁でジャスミンライス炒飯をリゾット化し、旨味インパクトは圧巻。「丹波あじわい鶏のエスニカル油淋鶏」1,100円も、魚醤とライムで清新、爽快。そんな名作の数々が、夜の目安5,000円前後〜で楽しめるお手頃さも、大阪万歳!だ。

〈サヴァトミー〉「丹波あじわい鶏のエスニカル油淋鶏」

創造性、超絶。なにわノールール中華の起点〈中国料理 食生々〉。

〈中国料理 食生々〉「サザエのチャーシュー」

骨付き羊を豪快に中国の発酵チーズで炒める。モヒートをヒントにエビとミントソルベを合わせる。大阪で通称“ノールール中華”といわれる新潮流を今、最も熱く進化させている店がココ。写真上の「サザエのチャーシュー」1,700円はルッコラの苦味も絶妙。「オマール海老の酸湯風煮込み」4,400円は発酵白菜とトマトで魔性の旨味。一口ごとに全身の血がたぎるほどの美味が、小さなフロアに渦巻いている。要予約。

〈中国料理 食生々〉「オマール海老の酸湯風煮込み」

40年、輝き続ける良心の味。大阪・町中華の至宝〈一品香〉。

〈一品香〉「カニ玉」

1983年創業。昭和の風情のフロアは隅々まで磨き抜かれた、まばゆい清潔感。日常的な天津飯から、アワビの旨煮まで、何をオーダーしてもしみじみ感動的なおいしさなのは、中国料理の全ての味付けの土台になる清湯スープを日々丁寧に時間をかけてとる、真摯な手仕事の賜物。写真の「カニ玉」780円にも、鴨のスモーク入りの「白菜クリーム煮」1,800円にも、その極上の基本スープの深い滋味と繊細な余韻が美しく輝き、食都・大阪の素晴らしさを実感できる。

〈一品香〉「白菜クリーム煮」
photo : Kunihiro Fukumori text & edit : Mitsuhiko Terashita

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