物語を味わうように、一皿一皿を愛でる。 とっておきのスイーツコース& カウンターデセール4選【Counter Dessert】

FOOD 2023.02.26

今、スイーツ通たちを虜にしているのがカウンターで楽しめるアシェット・デセール。パティシエの経験と感性で編み出された出来たてデザートは、香りや温度も加わった“瞬間の芸術”。

1. Kazu Bake(埼玉)

昨年8月にオープンしたこの店。10年以上レストランのパティシエとして働いてきた店主の妹尾和矢さんが作るケーキは素材を活かし、素材で遊び、素材の新しい一面を伝えることがコンセプト。店頭には金柑×山椒や巨峰×岩塩、木苺×チョコレート×わさびなど個性的な組み合わせのケーキが並ぶ。カウンターでは季節のアシェット・デセールが。例えば写真はイチゴとアボカドなど野菜も含めた旬素材を掛け合わせ、スパイスを使ったソースで食べさせる一皿。これにはオリジナルの無農薬ブレンドティーや自然派ワインがおすすめだ。

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苺のアシェット・デセール
ライムでマリネしたイチゴとアメーラトマト&アボカドのムースをセルクルで層に。ソースにはイチゴのガスパチョ風ソース&フロマージュブラン&柚子ジュレ&柚子の皮を使用。

2. relevé dessert(東麻布)

オーナーシェフの宇野澤惟(ゆい)さんは、日暮里〈イナムラショウゾウ〉をはじめ数々の有名店で修業し2012年に渡仏。パリ最古のレストラン〈ラペルーズ〉でアシェット・デセールの魅力に開眼、帰国後に夢を叶え昨年8月にこの店をオープンした。ここで提供するのは日本の旬の食材をフランスの伝統的なスタイルで楽しむ一皿。例えば、青森の紅玉を使ったタルトタタンや福岡産夏かんろを使ったピーチメルバなど。「デセールはお酒と合わせると違う魅力を発揮する」と、ソムリエがデセールごとに厳選したペアリングのリストも完備する。

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洋梨のコンポート
食感の異なる2つの洋梨&柚子のコンポートを敷き、上にはクレームブリュレと塩バニラアイスをのせ、桂花陳酒のエスプーマで包んだもの。食べる直前に洋梨のソースをかけて。

3. Libertable(赤坂) 

あの人気店が昨年9月にイートインスペースをオープン。U字形のカウンターでは、なんと森田一頼シェフ自らがゲストの前でアシェット・デセールを作ってくれる。例えば、写真はいわゆるショートケーキを泡や液体を使って再構築したもの。主役のイチゴの中には果肉を使ったソルベを詰めて、そのおいしさを更に倍増させる。ソースにはスポンジ生地の役割を担う温かいジェノワーズと、生クリームの機能を果たす冷たいエスプーマを添えて。「温度感もつけてデザートならではの表現を追求したい」と、ここでは常時3〜5種の皿が用意される。

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ショートケーキ
冷たい生クリームのエスプーマと温かいジェノワーズソース。上にイチゴのソルベを詰めた「あまおう」をのせ、ショコラブランの粉末ソルベをまぶす。直前にイチゴピューレをかけて。

4. Régalez-Vous(鎌倉)

フランス在住歴26年のオーナー佐藤亮太郎シェフ。彼はパリ最古の人気レストラン〈ラペルーズ〉のシェフパティシエをはじめ、数々の三ツ星店でシェフを務めた人物。彼が鎌倉にオープンした店では、パリの名物ともいうべきスペシャリテ「パリ左岸のスフレ」をはじめ現地の正統派デセールが並ぶ。おすすめは日本人向けに考案したというパフェ。こちらはヴァローナ社のマンジャリ、ジヴァララクテ、オパリスの3種のチョコレートの違いを楽しめる趣向に。酸味や塩味も効いていて食べやすく、ソースでガラリと変わる味の変化も面白い。

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3種のチョコレートのパフェ
チョコレートのゼリー&ムース、バニラのクリームとグリオットチェリー、ホワイトチョコ&カカオマスのソルベなど具は多数。ヘーゼルナッツのソースを注ぎ入れるのが醍醐味。

photo : Yuko Moriyama, Michi Murakami (relevé dessert) text : Kimiko Yamada

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