しゅわっと軽い、絞り出しクッキー|矢野仁穂の「日曜日の朝おやつ」
焼き菓子屋〈カサネ〉のオーナー・矢野仁穂さんが、日曜日の朝に食べたい「朝おやつ」をお届けする短期連載。今回のテーマは、絞り出しクッキーです。
はじめまして。朝おやつ、おひとついかがですか?
矢野 仁穂(やの きみほ)と申します。社会に揉まれて3年目。OLをしつつ、日常に寄り添う焼き菓子を〈カサネ〉という屋号で焼いています。この連載では、日曜日の朝に“わたしが”食べたい「朝おやつ」をご紹介します。迫りくる月曜日に立ち向かうための、ちょっとした現実逃避。朝おやつを作って食べたら、それはもう幸せな1日の始まりです。
基本は手軽に、たまにちょっとしたこだわりを。そんなレシピをお届けします。みなさまの憩いの時間となりますように。
11月吉日/晴れ「絞り出しクッキー」
二度寝したい気持ちを抑えて、カーテンも窓も全開に。初回の今日は、絞り出しクッキーを作ると決めていました。
手作りクッキーって、なんだか幼少期を思い出します。小さな手をベッタベタにして作った初めての手作りクッキー。思えば、私の焼き菓子愛の原点でもあるのです。
今日は、絞り出しクッキー。上手くいけば、手は汚れません。私も大人になってしまいました。
■材料(約20枚分) 所要時間40分ほど
卵白…約2/3個分(20g)
バター(食塩不使用)…100g
塩…ひとつまみ
粉砂糖…40g
薄力粉…120g
★準備物
絞り袋(100均などで購入可能)
金口(今回は星口金8切りを使用)
オーブンシート
(コップ)
材料は作業台の上に置いておき、レシピに登場するタイミングで計るのがおすすめ。無駄な洗い物は増やしたくない…。朝おやつたるもの、目標はワンボウルです。
【1】卵白とバターを室温に戻す。卵白は小さめの器に、バターは大きめのボウルで!既にワンボウルオーバー。バターのボウルにどんどん材料を入れていくので、ご容赦を。
【2】室温に戻したバターに塩と粉砂糖を入れてゴムベラで練り混ぜる。ボウルの側面でバターをすりつぶすように混ぜていくと材料がなじみます。
【3】卵白を加え、思いっきり混ぜる!泡だて器に持ち替えても混ぜやすいです。卵白の中に白い塊が浮いたようになりますが、めげずに混ぜ続けるとしっかり繋がります(乳化する、というのはこのこと)。気にせず無心でいきましょう。
【4】薄力粉を振るい入れ、再度ゴムベラで粉っぽさがなくなるまでしっかり混ぜます。ふるいがなくても、目の細かいざるで振るえばOK。最後の仕上げは、ボウルの側面ですりつぶしながら混ぜます(混ざってくると3枚目の色になります)。
【5】絞り袋に金口をセット、生地を入れていきます。コップに絞り袋を張って、コップのふちでへらについた生地をこそぎとるのがおすすめ。最後はコップの底面で生地を口金に寄せて完了。
【6】オーブンを180℃にセット。このタイミングで余熱を開始します。
【7】天板にオーブンシートを敷き、うねうねと4㎝ほどの波型に絞ります。このとき、手がベトベトになる可能性も潜んでいるので要注意。
★ポイント
絞り出しにくい場合は、生地を少し手で温める!生地の温度を上げると絞りだしやすくなります。
【10】予熱済みのオーブンを160℃にセットし直して、18〜20分ほど焼く。天板を入れるタイミングでオーブン内の温度が下がるので、予熱は高めに設定しています。
焼いている間に、洗い物を。焼きあがったら食べるだけにしておきたい…。
【11】ケーキクーラーなどで休ませて完成。ふちに色がついているくらいがおすすめです。足りなければ、1〜2分ずつ追加したり、途中で焦げてる!?となったら早めに出しても。ご自宅のオーブンと仲良く焼いてもらえたらと思います。
いざ、朝おやつ!
今月の朝おやつ、いかがでしたでしょうか。生地を休ませる時間もいらず、すぐに作れる絞りだしクッキーは朝おやつの鏡的存在。ちなみに、ちょっとだけ手が汚れました。私もまだまだです。
卵白のおかげでさくしゅわの軽い食感に仕上がっているので、1枚といわず2枚3枚、好きなだけ食べちゃってくださいね。明日からのドタバタ劇も乗り切れますように。それでは、積読を持ってお散歩してまいります。皆様も良い日曜日を〜!
今月のプチアレンジ
薄力粉を10gほど減らして、代わりにカカオパウダーを追加すれば、ほろ苦いココアクッキーに。粉が増えると生地が硬くなる(=絞りにくい)ので、文量だけはご注意を!