〈寺町 李青〉店主の鄭玲姫さんに聞く。 京都で最も古い洋菓子店も。【京都】思わず足を運びたくなる寺町の名店4軒
愛され続ける老舗、アンティークショップやギャラリー、喫茶店に至るまで、寺町には洗練された名店がそろいます。 そこで今回は、〈寺町 李青〉店主の鄭玲姫さんに魅力をうかがいました。Hanako特別編集『Hanako TRIP 今、泊まりたいのはライフスタイルホテル。』よりお届けします。
1.ときめくほどクラシック!洋菓子の始まりが伝わる。〈村上開新堂〉/寺町二条
明治40(1907)年創業、京都で最も古い洋菓子店。受け継がれるロシアケーキは素朴な味わいで、ノスタルジックなおいしさとかわいさ。時の流れを感じる内装や包装にもときめく。店内奥にはモダンなカフェが。焼菓子セット900円(税込)。
〈村上開新堂〉
■京都府京都市中京区寺町通二条上ル東側
■075-231-1058
■10:00~18:00、カフェ~17:00(16:30LO) 日祝、第3月休
■17席/禁煙
2. おいしくて美しい韓国の文化と出会う。〈寺町 李青〉/寺町丸太町
「韓国の文化を伝えられたら」と、今出川の〈李青〉に続きオープンした李朝喫茶。「韓国の食文化は体を元気にしてくれます」と鄭さん。生薬を使った伝統茶をおいしくアレンジした韓方茶700円、ナツメやクコの実などで作る薬膳ケーキ500円。黒毛和牛のカルビサンドも人気。器や古道具の販売も。
〈寺町 李青〉
■京都府京都市中京区下御霊前町633
■075-585-5085
■12:00~18:00 火休
■22席/禁煙
3.心が深くリラックスする初めての聞香体験。〈聞香処〉/寺町二条
1663(寛文3)年創業、お香や和文具を扱う〈鳩居堂〉が香木の香りを聞く“聞香”を体験してもらえたらと開業。電子香炉による聞香体験はお茶とお菓子付きで、伽羅 1,000円、沈香 1,600円。奥深い香りに心が静まる。喫茶だけの利用可。
おみやげにしたいお香や雑貨も。
〈聞香処〉
■京都府京都市中京区寺町通二条下ル妙満寺前町464
■075-231-0510
■10:30~17:30(喫茶16:30L0) 水日祝休
■9席/禁煙
4.手をかけた仕込みこそ京寿司をおいしくする。〈末廣〉/寺町二条
「江戸前は魚、京寿司は飯が主役なんです」と9代目店主の柴田十起夫さん。ちらし寿司は、細かく刻んだ椎茸やかんぴょう、イカのミンチなどが混ぜ込まれ、シャリそのものがおいしくて感激する。鯖寿司や冬の蒸し寿司も名物。
〈末廣〉
■京都府京都市中京区寺町通二条上ル要法寺前町711
■075-231-1363
■11:00~19:00(売切れ次第閉店) 月休、火不定休(HPで告知)
■6席/禁煙
思わず足を運びたくなる寺町の魅力とは。
「私にとって寺町は憧れ。ずっとここでお店がやってみたかった」という、鄭玲姫(チョンヨンヒ)さん。2017年、念願叶って〈寺町 李青〉をオープンした。「友人が大家さんで、たまたまここが空くと聞き、その場で手を挙げたんです。70歳で新しい店を始めるなんて思ってもみなかったけれど、寺町でお店ができて毎日幸せです」お店の魅力となっている、鄭さんの審美眼とセンスが磨かれたのも、寺町。
アンティークショップやギャラリーをよく巡ったそう。「私の好きな古道具を扱う店も多くて、若い人も立ち寄りやすいと思います。〈京都バザール〉にはよく通ったし、〈京都アンティークセンター〉もいろんなお店が入っていて面白いです。実際に見て、ふれることで、ものを見る目は養われます。たまに失敗することも大事ですね」約400年前、豊臣秀吉が寺院を集めたことが、寺町という名の由来。お寺で使う文具や紙、お茶を扱う店が増えていったといわれる。〈一保堂茶舗〉をはじめとする老舗店など、長く愛される専門店が今も多い。「次世代に伝えたいものが、この町にはありますね。お水を汲みに行く下御霊神社、西国三十三カ所の一つ、行願寺もあってしっとりと落ち着いた雰囲気もいい。寺町の喫茶店として根ざしていけたらうれしいです」
Navigator…鄭玲姫(チョン ヨンヒ)
李朝喫茶〈李青〉と〈寺町 李青〉を営み、作家の器や骨董も扱う。店内の花を生け、メニューの仕込みも自身で。着こなしもいつも素敵で、憧れる人は多い。平安 蚤の市に出店も。
(Hanako特別編集『Hanako TRIP 今、泊まりたいのはライフスタイルホテル。』掲載/photo:Noriko Yoshimura text : Aki Miyashita illustration:Sara Kakizaki [KYOTO STYLE])