定番こそ、クオリティの違いがわかる。 九州・沖縄エリアの注目ベーカリー7選!名シェフが勢揃い、これを食べずには帰れない。
九州・沖縄エリアにはパン好きには堪らない名ベーカリーが勢揃い。そこでこ今回は日本中のパン屋を旅するパンラボ主宰の池田さんがおすすめする九州・沖縄エリアのベーカリーをご紹介します。
1.〈Chez Sagara〉/福岡
人口20,000人の静かな町・久留米市田主丸を訪れるとびっくり。この店には行列ができ、大にぎわい。相良一公シェフが飛び抜けた技術力で遠くからファンを吸引。得意のクロワッサンは、教科書に載せたいうつくしさ。そして予想以上に軽い食べ口にもう一度驚く。クリームパンなどの定番こそ、クオリティの違いがわかる。
〈Chez Sagara(シェ サガラ)〉
■福岡県久留米市田主丸町益生田873-12
■0943-73-3680
■9:00〜18:00 火水休
2.〈Boulangerie NOAN〉/福岡
美しい海とおいしい食べ物がある糸島。地元の食材を使って冒険的なパンを作る田村秀亮シェフ。水分量が110%と通常のパンの倍近く入る「パン・ド・ロデヴ」。たっぷんたっぷんの食感と小麦のじゅるり口溶けにはまる人が続出。「ITOSHIMA」は糸島産食材のみを使用した高級食パン。酒粕を使い、やわらかさ、ふんわりした甘さが極上。
〈Boulangerie NOAN(ブランジュリ ノアン)〉
■福岡県糸島市篠原西1-9-10
■092-322-6606
■9:00〜18:00 火休
■14席/禁煙
3.〈BLUE JAM〉/福岡
〈365日〉の杉窪章匡シェフがプロデュース。愛弟子の櫻井広基シェフを送り込み、九州のおいしい食材を開拓。九州産小麦のおいしさをミルクが広げる「きびミルク」。バターを決して溶かさず窯入れするクロワッサンはバター感が猛烈にフレッシュ。無添加の辛子明太子を塗った「明太クロワッサン」は、食べずには帰れない。
〈BLUE JAM(ブルージャム)〉
■福岡県福岡市早良区田村3-1-41
■092-861-5888
■8:00〜18:00 無休
■56席/禁煙
4.〈Yakichi〉/福岡
〈パーラー江古田〉卒業生。小麦とレーズン種を合わせ、最小限のミキシングで素材を活かす製法。がりがりで焼き色も味も超濃厚なパンを福岡で引き継ぐ。カンパーニュ生地にチェダーチーズとカシューナッツを入れた「チーズカシューナッツ」や、福岡名物焼き鳥さながらの「鶏ハムと長ネギのサンド大葉と柚子胡椒ソース」。
〈Yakichi(ヤキチ)〉
■福岡県福岡市南区大橋4-5-6 天本ビル 1F
■092-553-2600
■9:00〜18:00 月火休
5.〈PAIN DAIGO〉/熊本
熊本地震で大きな被害を受けた南阿蘇。自身も被災者でありながらみんなを笑顔で励ましていた上道大吾シェフ。新店舗に移転オープンし、阿蘇のおいしい食材をパンに。「カヴォロ」は生のキャベツとベーコンをパンで包んで蒸し焼きに。だから甘くジューシー。人生が変わるぐらい美しい山並みを見ながら食べるパンが最高。
〈PAIN DAIGO(パンダイゴ)〉
■熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字河陽1883-1
■0967-67-3225
■9:30〜18:30 水休
■10席/禁煙
6.〈TAK BAGERI-CAFE〉/鹿児島
高温で焦げる寸前まで攻めまくり、「焼き」で勝負する。黒光りするクリームパン、ブリオッシュ。バゲットの切り込みの端が黒くなっているのは焦げているのではなく、ジャストの焼き加減。通常250°C程度のところを300°Cの高温で。「生ハムのカスクルート」などのサンドには、地元の有機野菜や、ふくどめ小牧場のハムを使用。
〈TAK BAGERI-CAFE(タック バゲリカフェ)〉
■鹿児島県鹿児島市武岡4-20-1
■099-298-5966
■7:30〜18:00 日月休
■16席/禁煙
7.〈宗像堂〉/沖縄
米軍住宅を改装、ドーム型の石窯を築き、夜通し薪を焚いて熱を蓄え、パンへそれを受け渡す。亜熱帯の風土が育む、複数の素材由来の微生物たちのハイブリッドが作りだすふくよかにしてワイルドな発酵フレーバー。ローズマリーとはちみつを合わせた「サブリナ」「アーサフォカッチャ」など、理屈を超えた感動がある。
〈宗像堂(むなかたどう)〉
■沖縄県宜野湾市嘉数1-20-2
■1098-898-1529
■10:00〜17:00 水休
■テラス20席/禁煙
Navigator/池田浩明(いけだ・ひろあき)
パンの研究所「パンラボ」主宰。パンライター。自称「ブレッドギーク」(パンおたく)。NPO法人新麦コレクション理事長として、日本においしい小麦を普及する活動も行う。
※掲載しているパンはすべて取材時のものです。
(Hanako1182号掲載/photo:Hiroaki Ikeda, Kenya Abe text:Hiroaki Ikeda special thanks:Yuya Uemura, Ami Hanashima edit:Yoshie Chokki)