地方ならではの魅力が詰まったベーカリー揃い。 東北・関東エリアの注目ベーカリー11選!日本中のパン屋を旅するパンラボ・池田さんが厳選。

FOOD 2020.03.28

岩手・宮城・茨城・栃木・群馬・千葉と地方のベーカリーでは自家製酵母など素材にこだわったベーカリーが勢揃い。日本中のパン屋を旅するパンラボ主宰の池田さんがおすすめする東北・関東エリアのベーカリーをご紹介します。

1.〈穀〉/岩手

店内の石臼で挽いた、自然栽培などの小麦と、自ら培養した発酵種を使って、食パンやみそパン、サンドイッチにうってつけの平パン、ほっこりおやつに最高の「豆ぱん」などを作る。添加物を使わない素材の並ぶ自然食品店でもあり、カフェインレスのドリンクを提供するなど、体にやさしい店。東京に連れて帰りたいほど使い勝手がいい。

〈穀(こく)〉
■岩手県盛岡市菜園1-6-9 第10菱和ビル 1F
■019-623-2702
■11:00〜17:00 日休

2.〈porte de~〉/岩手

東京でパン作りを学んだシェフが地元に帰郷し、まず始めたのは農業。土に触れ、食材を作りあげる苦労や楽しさを体に刻みつけた。その後開いたこの店ではほとんどの食材を地元生産者から取り寄せ、店内で加工。「ポム」は地元のおいしいりんごで作るデニッシュ。「ゆきちから食パン」は岩手県産小麦ゆきちからの清らかなおいしさ。

〈porte de~(ポルト・ドゥ)〉
■岩手県盛岡市永井22-3-149-2
■019-639-5202
■10:00〜17:00 月火休

3.〈薪窯パン 麦家〉/宮城

フランスで薪窯パンを学んだ千葉彩乃さんが、使われていなかった古い民家を見つけ、パン屋に改装。北海道産のオーガニック小麦や、滋賀県産のスペルト小麦を使って自慢の薪窯ででっかく焼く。おいしいチーズや地元の野菜などを使ったサンドイッチも絶品。干し柿やハム、リエットもすべて自家製というこだわりよう。

〈薪窯パン 麦家(むぎや)〉
■宮城県柴田郡村田町大字菅生舘52
■0224-83-3180
■11:00〜16:00 不定休
■4席/禁煙

4.〈BREAD&BAGEL Ordinary〉/茨城

イーストを使用せず、自家培養した発酵種でパンを作る渡辺昭太シェフ。日常で食べてほしいパン「オーディナリーブレッド」、丸パン「ブロートヒェン」に「パン・ド・ミ」。どれもふわふわぷるんとした驚きの食感。丁寧な仕事で形もうつくしい。隣りのカフェ〈knot coffee〉にパンを持ち込み、コーヒーと楽しむことも可能。

〈BREAD&BAGEL Ordinary(ブレッドアンドベーグルオーディナリー)〉
■茨城県守谷市百合ヶ丘2-2767-1
■0297-38-7838
■11:00〜19:00 火休
■4席/禁煙

5.〈一本杉農園〉/栃木

週に3日はパン屋、それ以外の日は農業をする福田大樹さん。“身土不二”の教えに基づき、地元・栃木県産小麦のみを使用。あんぱんは、小豆を栽培するところから手作り。木造古民家に古い家具や益子焼の器を置いたカフェを併設。新鮮な自家製野菜たっぷりのサンドイッチを供する。心からやすらげる空間。

〈一本杉農園(いっぽんすぎのうえん)〉
■栃木県鹿沼市西沢町380-2
■080-3453-1205
■9:30〜(カフェ11:30)〜17:00 日〜水休
■16席/禁煙

6.〈Panification U〉/栃木

フレンチ料理人からパン職人になった氏家由二さん。独創的なパン作りを得意とする。カシスのピュレで染めたパープルの生地に栗をちりばめた「栗とカシスのカンパーニュ」、具沢山のとろとろアパレイユがおいしい「きまぐれキッシュ」、朝仕入れた野菜から料理人ならではのアドリブで作るサンドイッチなど、本能をくすぐるパンが目白押し。

〈Panification U(パニフィカシオン ユー)〉
■栃木県宇都宮市双葉2-9-35
■028-658-7120
■10:00〜18:00 日〜火休

7.〈Panetteria Vivo〉/栃木

北海道産小麦を使ったもちもちパン目当ての人でいつも行列ができている人気店。小型の食パン?と思ったら、中からどろりとカスタードが出てくる「ミニ食クリームパン」や、“春”の焼印が押された、はるゆたか100%使用の「はるゆたか食パン」は必食。フィリングも自家製。生うにや分厚いカツ、自家製ジェラートなど使用する食材もゴージャス。

〈Panetteria Vivo(パネッテリア ヴィヴォ)〉
■栃木県宇都宮市戸祭元町12-7
■028-624-1182
■9:00〜18:00 日休

8.〈CROFT BAKERY〉/群馬

ロサンゼルスでベーカリーのシェフも務めた久保田英史さん。西海岸のいまの流れである、サワードウや、地元の小麦や食材を使う取り組みを実践。クロックムッシュには群馬・渋川の「ぐろーばるハム」を使用。「古代穀物のパン」には高崎市・すみや農園の全粒粉や、福田農園のファッロを使用。パンで群馬をおもしろくしている。

〈CROFT BAKERY(クロフトベーカリー)〉
■群馬県前橋市日吉町2-5-1 みずき館 1F
■027-257-9052
■10:00〜18:00 日月木休

9.〈発酵所〉/群馬

畑の中にハイセンスなパン屋が一軒。主力は、しっかり国産小麦の味がするリュスティック生地。水分をたっぷり含み、やわらかいので、和の食材と相性抜群。しそとくるみを入れた「しそとくるみ」はレーズン種のほんのりとした酸味とも相性がよく、おにぎりのようにむしゃむしゃ食べられる。併設のカフェでパンをイートインすることができる。

〈発酵所〉
■群馬県太田市茂木町346-5
■080-3085-6814
■11:00〜18:00 月火休

10.〈Rinascimento Cafe〉/群馬

7種類もの発酵種を日々育て、パンに合わせて数種類を使い分ける。「パン・ド・ミ」はふわりとしたテクスチャーに、ヨーグルト種のやさしい甘酸っぱさがひそむ。「ロデヴ」は加水の多いもっちり生地から、レーズン種によって持ちあげられた小麦の甘さがあふれる。カウンターで地元〈トンビコーヒー〉のオリジナルブレンドとともに。

〈Rinascimento Cafe(リナシメントカフェ)〉
■群馬県藤岡市立石1461-1
■0274-37-1083
■10:00〜16:00 日木休
■10席/禁煙

11.〈Backstube Zopf〉/千葉

いつでも大行列。扉を開けると小さな売り場に約300種類のパンがぎっしり。しかも具材は大盛り、高品質という食いしん坊仕様。サンドイッチ「マスタードビーフ」は、牛肉のマスタード炒めと赤チコリがデカ盛りすぎてはさみきれないぐらい。「焼豚と人参のサンド」は肉々しさの勢いでたっぷりニンジンを食らう快感。

〈Backstube Zopf(バックシュトゥーベ ツオップ)〉
■千葉県松戸市小金原2-14-3
■047-343-3003
■6:30〜18:00(カフェ7:00〜17:00)無休
■22席/禁煙

Navigator

池田浩明(いけだ・ひろあき)/パンの研究所「パンラボ」主宰。パンライター。自称「ブレッドギーク」(パンおたく)。NPO法人新麦コレクション理事長として、日本においしい小麦を普及する活動も行う。

※掲載しているパンはすべて取材時のものです。

(Hanako1182号掲載/photo:Hiroaki Ikeda, Kenya Abe text:Hiroaki Ikeda special thanks:Yuya Uemura, Ami Hanashima edit:Yoshie Chokki)

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