毎日食べても飽きない。 一度食べればやみつき!素朴でおいしいパンが人気、東京の名ベーカリー。
リッチな味わいの惣菜パンや菓子パンもいいけれど、毎日食べても飽きない素朴なおいしさのパンとは?今回は、愛され続ける老舗のパンや、巨匠のエスプリを継ぐ自然栽培のパンが楽しめる東京都内の名ベーカリーをご紹介します。
1.〈パンのペリカン〉/浅草
創業から75年。
ラインナップは主に食パンとロールパン。惣菜パンもあんぱんもないのに客が引きも切らない。一度食べればやみつきになるペリカンの魔法。
先代社長が作りたかったのはこんな食パンだ。「理由はわからないけど無性にあれが食べたい」。その秘密は「弾力と張力」にあるという。確かにペリカンのトーストに歯を立てると、ぷちんと切れる感触がある。張りつめていたゴムがはじけるように。すると、ふわりと生地がほどけ、甘さが溶けてくる。この快感を味わいたくて何度も通う私がいる。
老舗らしいスタイル。棚に整列する居住まい正しき食パンたち。小さな食パンを「1斤」、標準サイズを「1.5斤」と呼ぶ。わかる人だけわかるという、心地いい不親切さ。それがまた下町の一員になれたようで、なんだかうれしいのだ。
〈パンのペリカン〉
取り置き可(店頭、電話にて受付)。東京メトロ銀座線田原町駅2番出口より徒歩3分。
■東京都台東区寿4-7-4
■03-3841-4686
■8:00~17:00(電話受付~15:30、売り切れ次第終了の場合あり) 日祝休(不定休あり)
2.〈空と麦と〉/代官山
自然栽培とは自然ありのままに育てる農法。肥料も与えない。
「本来、作物の必要とするミネラルは自然が作ってくれている。それは微生物。森に行けば、誰もなにもしてないのに、木や雑草が生えている。それと同じこと」と〈空水ビオファーム八ヶ岳〉の岡本よりたかさん。
とはいえ、堅苦しさはない。カボチャを練りこんだ生地に黒豆を入れた「黒豆パン」。団子のようなもっちり生地から、黒豆とカボチャによる和の甘さがまったり放たれ、なつかしい気持ちになる。
すべてのパンを自家製発酵種で作る志賀勝栄シェフに師事した、店主の池田さよみさんだが、麦を作る人の思いを受け取り、作るパンはあたたかで素朴なものになった。「コンビニで食事を済ませていたOL時代の自分に、この健康的なパンを食べさせたい」と笑う。
〈空と麦と〉
取り置き可。「空と麦とおまかせパンボックス」2,250円(送料別、税込)の取り寄せも。
■東京都渋谷区恵比寿西2-10-7 YKビル1F
■03-6427-0158
■10:00~19:00 月休、火不定休(月により変動あり)
■8席/禁煙
(Hanako特別編集『おいしいパンのこと、すべて。』掲載/photo : Keiko Nakajima text : Taeko Terao edit:Kahoko Nishimura)
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