本格ドイツ・イタリアパンも。 ガソリンスタンドをパン屋に改装!?【パンの街】茨城・つくばのユニークなベーカリー3軒
科学の街つくばは、パンの街だった!ハイレベルなパン屋が集結。独自のパン文化を成立させ、盛り上がりを見せています。今回は、茨城・つくばで訪れたいユニークなベーカリー3軒をご紹介。
1.〈Boulangerie encuit〉
ガソリンスタンドかと思ったらパン屋。
四角かったり、平べったかったり、と売り場に並ぶおもしろい形のパンは、単なる遊びを超えた狙いがある。うぐいす豆とかのこ豆をブリオッシュにはさんだ「パヴェ」。薄いゆえに歯切れさっくり、火通りよく香ばしさが秀逸。「あんバタロデヴ」はたくさんの水分でしっとり食べやすいパン。種の風味が甘さを締める。いっぺんにまとめて作らず、効率度外視でちょっとずつ何回も焼く。だからいつでも焼きたてのパンが店にあふれる。お客のため手間は惜しまない。
〈Boulangerie encuit〉
食パン、菓子パンのほか、ヨーロッパのパン 客のため手間は惜しまない。やオリジナルなど常時100種ものパンが用意されている。焼き菓子も人気。
■茨城県つくば市稲荷前33-1
■029-879-7258
■9:00~19:30 火休
2.〈Bäckerei Brotzeit〉
ドイツのオーガニックのパン屋で経験を積んだ菅原大輔シェフ。数は少なくとも、シンプルなパンを丁寧に作ることが、日々の生活を豊かにすると、この店に行くと実感する。
ヴァイスブロートという食パン生地。香りの美しさ、適度な引きともちもちさ、質実剛健なあたたかさを私は愛する。そのまま買って帰ってもいいし、注文してから、オーガニックジャムが塗られジャムパンになったり、おいしいチーズやハムをはさんでサンドイッチを作ってくれたり。朝も昼もいっしょにいたいパンだと思う。
〈Bäckerei Brotzeit〉
店は対面販売。ブレッツェルなどのドイツパン、バゲット、クロワッサンまで幅広くそろう。 ■茨城県つくば市天久保2-10-20
■029-859-3737
■9:00~売り切れ次第終了(大体15:00くらいまで) 日月休
3.〈Forno a legna Panezza〉
イタリアンと本当に合うパンを焼ける人。ローマ近郊のパンで有名な街ジェンツァーの、いまやイタリアでも少なくなった薪窯パン屋で修業した角谷聰さん。「日本に帰ってきて、なかなかイタリアパンがなくて。それなら自分で作ろうかなと」。水と小麦粉を自然発酵させた酵母を使って薪窯でがつんと焼く。
火の香り、乳酸菌の甘さ、酵母の香り。目が詰まっているゆえに小麦の味わいも濃厚。生ハムやチーズといった、イタリアの日常食である発酵食品とこよなく合う。これはパンではなく、パーネだ。
〈Forno a legna Panezza〉
予約販売のみ(前日までにメールまたはファックス)。都内では日本橋三越本店の〈EATALY〉で全種を取り扱っている。
■茨城県石岡市弓弦688
■0299-51-5401
■9:00~17:00(引き取り時間) 日月休
Navigator パンラボ主宰・池田浩明さん
パンライター、パンラボ主宰。ブログやTwitterでも、日々パンの記録を更新中。ブログ:panlabo.jugem.jp Twitter:@ikedahiloaki
(Hanako特別編集『おいしいパンのこと、すべて。』掲載/photo:Keiko Nakajima text:Taeko Terao edit:Kahoko Nishimura)