フレンチの一皿がタルティーヌに。 おしゃれランチが楽しめる名ベーカリーカフェ3軒。【東京都内】パン屋とあなどることなかれ!

FOOD 2019.08.11

フレンチのエスプリを気軽に味わうなら、名ベーカリーカフェへ。料理の一皿がタルティーヌになったものや、絶品フランス家庭料理など、おしゃれランチが楽しめる人気ベーカリーカフェ3軒をご紹介。

1.〈MAISON ICHI DAIKANYAMA〉/代官山

紅ズワイガニとブロッコリーのキッシュ 499円
紅ズワイガニとブロッコリーのキッシュ 499円

おいしいパンを求めて世界中を渡り歩いたシェフが、たどりついた理想とは。たとえば、パリの〈ジェラール・ミュロ〉。パンがあって、菓子、デリ、おいしいものが何でもそろう。〈メゾン イチ〉が目指すのはそんな店だ。

ホロホロ鳥と仔牛のパテ・アンクルート。ディナーはバゲットがつき1,240円。テイクアウトも可能。
ホロホロ鳥と仔牛のパテ・アンクルート。ディナーはバゲットがつき1,240円。テイクアウトも可能。

ブーランジェ、キュイジニエ、パティシエがメニューを作る。そして、冷蔵ケースの中には、シャルキュティエ(ハムやパテのような加工肉専門の料理人)による、テリーヌやパテなど色とりどりの惣菜。イートインスペースでは、パンと惣菜をコースで食べられる。ホロホロ鳥と仔牛のパテ・アンクルートは、ブリゼ生地でパテを包み、隙間にフランス産トランペット茸のゼリーを詰め込んだもの。

アプリコットのタルト 399円
アプリコットのタルト 399円

食後にぜひタルトを。分厚くてかりかりのタルト生地は、シェフの大師匠、パリのブーランジェを手本にしている。

なお、パン食べ放題のお値打ちランチもおすすめ。

〈MAISON ICHI DAIKANYAMA〉
ディナーにはアラカルトメニュー(500円~)を楽しめる。
■東京都渋谷区猿楽町28−10 モードコスモスビルB1 
■03-6416-4464
■8:00~20:00(ディナー木金土17:30~20:00LO) 無休 
■40席/禁煙

(Hanako特別編集『おいしいパンのこと、すべて。』掲載/photo:Keiko Nakajima text:Hiroaki Ikeda)

2.〈RÉFECTOIRE〉/渋谷

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〈ル・プチメック〉の西山逸成オーナーは、オープン前、この店の構想を熱っぽく語ったものだ。
「パン屋でサンドイッチを売るときは、冷蔵ケースに入れとかなきゃいけない。食堂という形式なら、いちばんおいしい瞬間を出せる」

フランスで修業をした西山さんのクリエイティビティが解き放たれた。時間をかけ丹念にダシを取ったオマール海老のビスクに、自家製のアイスを使ったアシェット・デセール(皿盛りのデザート)に。

タルティーヌ ニソワーズ 730円、サーモンのサラダ 680円。タルティーヌ ローストビーフ 820円。タルティーヌに使っているパンも購入できる。
タルティーヌ ニソワーズ 730円、サーモンのサラダ 680円。タルティーヌ ローストビーフ 820円。タルティーヌに使っているパンも購入できる。

「タルティーヌ ローストビーフ」は、肉汁したたる牛肉に青カビチーズのソースがかかり、サラダがたっぷりと盛られたのを、ナイフとフォークで食べる。このサンドイッチが、1,000円札1枚でお釣りがくるとは。

コーヒークルミパン 210円
コーヒークルミパン 210円
チーズボール 220円
チーズボール 220円

見下ろす明治通りの街並みも、ランドスケーププロダクツによる内装もパンをおいしくする。

(Hanako特別編集『おいしいパンのこと、すべて。』掲載/photo:Youichiro Kikuchi, Akiko Mizuno text:Hiroaki Ikeda)

3.〈sens et sens〉/つくし野

つくし野 sens et sens

ちょっとした立ち話も「菅井語録」になる。なぜこの店はこんなに静かなのか?「無になって食べるという行為を見つめ直してもらいたくて」。無が好き?「自分の奥底から湧いてきた感情を大事にしています。まっさらなところから、ぱっと生まれてきたものから、パンを作っています」。

繊細なパルマ産生ハムとグリュイエールチーズのサンドイッチ。
繊細なパルマ産生ハムとグリュイエールチーズのサンドイッチ。

パルマ産生ハムとグリュイエールチーズのサンドイッチはバターと生ハムとチーズが口の中で同時に溶ける。3つの味わいは交互に出入りし、やがて絶品リュスティックの味わいとともに、ひとつの甘さへ高まっていく。なんとめくるめく体験か。「バターは塗るのではなく薄く削いだものを置く(最初から溶けているのではなく)。舌にのせ、時を感じて溶けたほうがおいしい」。

サンドイッチのパンを切り、コーヒーを淹れるのは注文が入ってから。嘘のない真っすぐさが食卓の上に表れる。日替わりの「サンス・プレート」950~1,250円。コーヒー500円。
サンドイッチのパンを切り、コーヒーを淹れるのは注文が入ってから。嘘のない真っすぐさが食卓の上に表れる。日替わりの「サンス・プレート」950~1,250円。コーヒー500円。

孤高のパン職人は時間さえパンの調味料にする。この瞬間の、このおいしさを味わう。そのためにパン屋を捨て、カフェを開いた。

(Hanako特別編集『おいしいパンのこと、すべて。』掲載/photo:Shin-ichi Yokoyama, Tomo Ishiwatari text:Hiroaki Ikeda)

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