鎌倉に合うのはアコースティックな音楽。鎌倉在住DJセレクトの16曲
- ▽春の鎌倉に合う音楽
- ▽Greetje Kauffeld(フリーチャ・カウフェルド)『Some Other Spring』(1981)
- ▽Mallu Magalhães(マルー・マガリャエス)『Vem』(2017)
- ▽HeavenBound With Tony Scotti『Heaven Bound With Tony Scotti』(1972)
- ▽Howdy Moon『Howdy Moon』(1974)
- ▽夏の鎌倉に合う音楽
- ▽Kings of Convenience『Peace Or Love』(2021)
- ▽Stan Getz『West Coast Jazz』(1955)
- ▽Men I Trust『Headroom』(2015)
- ▽Quarteto Em Cy(クアルテート・エン・シー)『Querelas Do Brasil』(1978)
- ▽秋の鎌倉に合う音楽
- ▽Clairo(クレイロ)『Charm』(2024)
- ▽Egil Kapstad(エギル・カプスタッド)『Cherokee』(1989)
- ▽Jeanne Moreau(ジャンヌ・モロー)『Jeanne Chante Jeanne』(1970)
- ▽Joni Mitchell『Clouds』(1969)
- ▽冬の鎌倉に合う音楽
- ▽Lambert And Nuttycombe(ランバート アンド ナッティカム)『At Home』(1970)
- ▽Lars Jansson Trio(ラーシュ・ヤンソン トリオ)『The Eternal Now』(1987)
- ▽Gregory Porter『Be Good』(2012)
- ▽Labi Siffre(ラビ・シフレ)『Crying,Laughing, Loving,Lying』(1972)
やざわ・かずひさ/鎌倉生まれで鎌倉育ち、現在も湘南に在住。人気カフェ〈POMPON CAKES BLVD.(ポンポンケークス ブールバード)〉では、月2回ほど土曜朝のDJタイムを担当している。@swings_lightly
春の鎌倉に合う音楽
DJ矢澤和久さんがセレクトした春の鎌倉に合う音楽です。
Greetje Kauffeld(フリーチャ・カウフェルド)『Some Other Spring』(1981)
オランダの女性ジャズシンガーの、春を主題としたアルバム。白木蓮(=マグノリア)のつぼみの写真が良い。春を待ち侘びる気持ちが、桜の季節に鎌倉を訪れる人々と重なる。
Mallu Magalhães(マルー・マガリャエス)『Vem』(2017)
ブラジルの女性シンガー・ソングライターが重鎮と気鋭のミュージシャンを迎えて制作。ボサノヴァを基調としつつ斬新なポップ感覚が配された音色は、伝統と新しさが共存する街のよう。
HeavenBound With Tony Scotti『Heaven Bound With Tony Scotti』(1972)
澄み切った空をキャンバスに描かれた5人のメンバーは「Sunrays」などでも活躍。仲良く微笑み合う印象そのままに、春風のように爽やかなコーラスが聴ける。
Howdy Moon『Howdy Moon』(1974)
「フィフス・アヴェニュー・バンド」のジョン・リンドがリチャード・ホーヴェイ、ヴァレリー・カーターと組んだバンド。輝かしいキャリアを踏み出すヴァレリーの原石の輝きがここに在る。
夏の鎌倉に合う音楽
DJ矢澤和久さんがセレクトした夏の鎌倉に合う音楽です。
Kings of Convenience『Peace Or Love』(2021)
現代の「サイモン&ガーファンクル」と称されるノルウェーのアコースティック・デュオ。石畳に置かれたソファ。靴を脱いで横たわり、チェスに興じる二人。こんな休日が過ごせたら。
Stan Getz『West Coast Jazz』(1955)
デヴィッド・ストーン・マーチンのイラストレーションが海辺の街を想起させる。『West Coast Jazz』は昼間に聴けるジャズ。よく晴れた日においしい食事とともに聴きたい一枚。
Men I Trust『Headroom』(2015)
カナダのインディポップ・バンド。物憂げなヴォーカルとグルーヴィーな楽曲が魅力。毎度、ノスタルジックな素材を絶妙なさじ加減で、斬新な楽曲に仕上げてくるので、目が離せない。
Quarteto Em Cy(クアルテート・エン・シー)『Querelas Do Brasil』(1978)
ブラジルの女性4人組ヴォーカルグループの中期の名盤。海辺の暮らしを切り取ったジャケット写真が良い。質素ながら日々を丁寧に過ごしている人々がいて、そこから生まれる音楽もある。
秋の鎌倉に合う音楽
DJ矢澤和久さんがセレクトした鎌倉に合う音楽です。
Clairo(クレイロ)『Charm』(2024)
ベッドルームポップを代表するシンガー・ソングライターが、ノラ・ジョーンズの最新作を手掛けたレオン・ミッチェルズと共同でリリース。アナログ・レコーディングで現代の名盤に。
Egil Kapstad(エギル・カプスタッド)『Cherokee』(1989)
著名な歌手の伴奏を務め、演劇や映画のために多くの曲を作ったノルウェーのジャズ・ピアニスト。目を閉じピアノに向き合う姿に心惹かれる。経験を積んだ人にしか紡げない美しい曲だ。
Jeanne Moreau(ジャンヌ・モロー)『Jeanne Chante Jeanne』(1970)
映画『死刑台のエレベーター』で知られるフランスの女優・シンガーがジャズやボサノヴァを歌った名盤。木々の間から儚げな表情でこちらを見つめる姿が、秋の鎌倉に似合う。
Joni Mitchell『Clouds』(1969)
儚げで胸の奥をすんと突くような歌声。これまで数えきれないほどカヴァーされている「Both Sides Now」の本人による歌唱。夕暮れの色合いが、紅葉の古都をイメージさせる。
冬の鎌倉に合う音楽
DJ矢澤和久さんがセレクトした冬の鎌倉に合う音楽です。
Lambert And Nuttycombe(ランバート アンド ナッティカム)『At Home』(1970)
サンフランシスコのフォーク・デュオが、自宅の暖炉前で2本のギターのみで吹き込み。美しいメロディ、ナイーヴな歌唱、その場の空気を閉じ込めた、寒い冬に心を温めてくれる作品だ。
Lars Jansson Trio(ラーシュ・ヤンソン トリオ)『The Eternal Now』(1987)
今もなお現役で活躍するスウェーデンのジャズ・ピアニストがマイナー・レーベルからリリースしたアルバム。無機質なジャケットに反して、叙情的で美しい曲が全編に収められている。
Gregory Porter『Be Good』(2012)
現代ジャズの最重要シンガー。歌声は深い説得力があり、偉大なジャズシンガーの気品も併せ持つ。PCで音楽が作れる時代に、人が歌い人が演奏する有機的な音楽の素晴らしさを実感。
Labi Siffre(ラビ・シフレ)『Crying,Laughing, Loving,Lying』(1972)
イギリスのシンガー・ソングライターの3rdアルバム。岩肌によりかかりギターを爪弾く男。乾いた空気を切り裂くような甲高い声は、聴く者の心の奥底へ届く。