新しさと懐かしさが共存する。 “アナログなもの”をギュッと集めた蚤の市を訪ねて
レコードを中心に、アンティークや古着、クラフト、鮮魚、オーガニックフードなどなど。様々な“アナログなもの”を体験できる蚤の市「Analog Market」が2023年11月18日、19日の2日間で開催されました。ハナコラボパートナーで、お洒落なライフスタイルを紹介するインスタグラムが人気のバリスタ、marikaさんと巡った初日の様子をたくさんの写真とともにお伝えします!(PR/オーディオテクニカ)
様々な“アナログなもの”を、一箇所にギュッと集めて
近年、レコードやカセットテープなど“アナログ”で音楽をたのしむひとが増えています。2022年4月17日に創業60周年を迎えた《オーディオテクニカ》は、カートリッジ(レコードプレーヤーの針部分)の開発からスタートした日本屈指の老舗オーディオメーカー。
ゆえに、もっと“アナログ”の魅力を知ってほしい。だけどその解釈は広く、一言で伝えきれない…。そこで昨年の60周年記念として開催されたのが「Analog Market」です。
今回のイベントを一緒に回ってくれたmarikaさんはバリスタとして活動中で、休日にも仕事とは関係なくカフェを巡るほどのコーヒーラヴァー。
最近はおうちの引っ越しもあって、家具や古道具にも興味津々とのこと。音楽はストリーミングやYouTubeがメインで、レコードなどで聴くことはないとか。そもそも、“アナログ”という言葉にどんなイメージをお持ちなのでしょう。
「以前に少しだけお手伝いしたカフェでは、レコードで音楽を流していたんです。やっぱり、普段YouTubeで聴いているのとは全然違いましたね。それにレコードって、絶対に止まるじゃないですか。かけっぱなしにできないので、必ずレコードをかえる動作があるんです。『そうか、ここはそういったことを丁寧にやるお店なんだな』って。それがすごい素敵で、なので“アナログ”にはいいイメージがあります」(marikaさん)
今回は、対面式鮮魚店やハイエンドオーディオでの視聴体験、ワークショップや蚤の市まで。様々な角度から“アナログなもの”の魅力をたっぷり感じられるコースを設定。“アナログ”という言葉の持つイメージが曖昧ゆえに、どんな体験ができるのかワクワクが止まりません!
鮮魚という“アナログ”な食材を求めて
まず向かったのは、対面式鮮魚店「⿂屋の森さん(寿商店)」のキッチンカー。昨年は「サカナノバーガー」が即完売した人気店です。今回は対面式鮮魚店としての出店で、人気YouTuberでもある森朝奈さんが目の前で鮮魚をさばいてくれるとあって、開場と同時にさっそく行列ができていました。
最近は対面式の鮮魚店よりも、スーパーなどで切り身で買うことがほとんどではないでしょうか。marikaさんも「どうやってお魚屋さんと会話をしたらいいか、そもそも経験がないんです」と不安げです。
「お店だと常連さんが多いので、『息子さん、これ好きだよね。入ってるよ』ってコミュニケーションができるんですけど。今日は初めての方がいらっしゃるので、趣味を聞いたり、こちらからヒアリングするような形で販売してみようとおもっています」と、森さん。
ショーケースを覗けば、新鮮な海の幸が所狭しと並んでいました! では、今日のおすすめはなんでしょう?
「昨日水揚げしてもらったばかりなので、今日の品揃えはすごいですよ。このアイナメなんて、すごく大きいでしょ! 鮮度がいいからお刺身でもいいし、煮付けにしてもおいしいですよ」(森さん)
今回のために、仲のいい青森の漁師さんに船を出してもらったそうで、石垣鯛など高級なお魚も並んでいました。ストレスフリーな環境で育てられたというホタテに至っては、森さんが今まで食べたなかでも1番の美味しさだったとか。
目の前で丁寧に魚がさばかれる様子を見ながら、marikaさんも「対面式鮮魚店」というアナログなやり取りに魅力を感じているようでした。
希少なサーモンを人気シェフが美味しく調理する
さて、お隣に目をやればキッチンカーがもう一台。そちらでは、〈⿂屋の森さん〉が仕入れた希少なサーモン――ブルース・ゴア漁法で収穫したアラスカ産の「銀鮭」と「ホワイトキングサーモン」を人気シェフが調理したスペシャルメニューを提供してくれるとのこと。
ブルース・ゴア漁法とは、⾝が傷つかないよう⼀本釣りで釣り上げた後、船上で丁寧に活き締め。そのまま急速冷凍を⾏うなど、処理・冷凍・輸送・保管まで徹底的にこだわった「⿂屋泣かせ」とも⾔われる究極の“アナログ”な漁法のこと。
全世界流通量僅か0.001%未満という、ほかではまずお目にかかれない希少な食材を調理してくれたのは、〈チョンプー〉の森枝幹さん(2日目は〈San Ciro〉赤津達郎さん)。イベントを共同開催した「Farmers Market」の⼈気農家、〈Ome Farm〉と〈Green Basket Japan〉のこだわり野菜を使用したタイ南部のサラダライス「カオヤム」は、見た目にも美しい一皿です。
タイの魚醤といえば「ナンプラー」が有名ですが、カオヤムでは同じくタイの魚醤「ナムブードゥー」をかけるのがポイント。お皿の上に盛られた具材をよく混ぜ合わせたら、ライムを絞り、ナムブードゥーをからめていただきます。
「サーモンと野菜のバランスがよくて、ソースの塩気も美味しいので、パクパク食べ進められちゃいますね。彩り豊かな野菜と真っ青に染まったジャスミンライスが、見た目にも楽しい。いろんな食感が混じり合ってるのも新鮮です!」と、marikaさんも大満足。
お腹を満たしたら、お次はワークショップの時間です。
スタンプと楽器をいっぺんに楽しめる不思議な道具たち
金継ぎやフラワーモビール、ボタニカルアロマのスキンケアクリームづくり。様々なワークショップが用意されているなかで、marikaさんが参加したのは、オリジナル楽器をつかったペインティング/作曲体験。
「STAMP SOUND」と題されたこちらのワークショップは、サウンドセラピストのHIKOKONAMIさんとスタンプアーティストのmasaaki oyamadaさんのアートプロジェクトで、スタンプを押す行為とそれに伴う体の動きを楽器演奏と捉え、独自のスタンプを押すたびに音が鳴る、演奏ともペインティングとも呼べる“アナログ”な創作が体験できるというもの。
冒頭でワークショップの説明を受けたら、まずは普通のスタンプを押すところから。参加者それぞれに好みの水彩絵の具を出して、スポンジの上で色を混ぜあわせていきます。「青と緑が好き」というmarikaさんに、講師の方から「大胆に、グイグイと押してくださいね」とアドバイスが入ります。
スタンプは、押してみるまでわかりません。「このスタンプはなんだろう。これは、葉っぱかな? こんな感じで押したら…」と、楽しげなmarikaさん。ほかの参加者も、各々が自由にスタンプを押していきます。
さてスタンプに慣れた頃合いを見計らって、「次は楽器を使います。好きなものをひとつ選んでください」と声がかかります。
今回のために用意されたというオリジナルスタンプは、「カシャーン」とか「チリン、チリーン」と押し方ひとつで様々な音が鳴る、スタンプなのに楽器! スタンプを押して音を鳴らして、色を変えてまた押して。なんだか不思議な体験です。
「今回は音がキーワードだったので、音のなるスタンプをつくってみました」と語るのは、講師のひとりであるmasaaki oyamadaさん。スタンプという道具の可能性をどこまで拡張できるかをコンセプトに様々な活動しているアーティストです。
「普通、楽譜にはこんな音が出ますよってことが書いてありますよね。だけど『STAMP SOUND』はその逆で、スタンプを押すことで音を鳴らすんです。その音が絵にもなるんです」(masaaki oyamadaさん)
marikaさんのスタンプが鳴らす音、ほかの参加者が鳴らす音。様々なスタンプが奏でる音色が会場内で響き渡り、それらが重なることでまた違った音色が生まれる――。アナログならではの自由な音の演奏会。
「絵の具に触れるのも久しぶりだし、なんだか懐かしい気持ちです。 ちょっと童心に戻りました」(marikaさん)
「Deep Listening Room」では、ハイエンドオーディオを堪能
ワークショップ会場の隣にあるのは、クリエイターと共に創るレコード視聴体験スペース。「時間」をテーマに6つの視聴スペースが設けられており、オーディオテクニカのさまざまなレコードプレーヤーとヘッドホンで音楽を楽しめます。
こちらは聴覚だけではなく、華道家の萩原亮大によるフラワーアレンジメントが視覚を、フランス発のフレグランスブランド《D'ORSEY》が嗅覚を彩ります。また、テーマごとに沿って仕切られたスペースをHand To Mouth・廣永尚彦、Chill Chill Michill・エリオス、SAMPO Inc.・SNAKE TIMEといったクリエイターが古物を用いてデザイン。五感をフルに刺激してくれる空間に仕上がっていました。
なかでも、いちばん気になったのは、今年8月に香港ハイエンドオーディオショーでデビューを飾った、メーカー最上級クラスのヘッドホンアンプ/プリアンプとヘッドホンのオーディオシステム《鳴神(NARUKAMI)》。その価格、なんと合計1320万円!
荒井由実『ひこうき雲』のレコードを視聴したmarikaさんは、「ユーミンが隣で歌ってくれました! 音が澄んでいるというか、ダイレクトに響くんです。すごいなぁ」と興奮。ヘッドホンアンプ横の真空管をガードするためのカバーが「エスプレッソマシンみたい(笑)」と、バリスタならではの感想も飛び出しました。
「ちょうどオーディオを探していたので、せっかくならいいものを置こうって思いました。さすがに、あの値段は出せないですけど(笑)」(marikaさん)
最後は、マーケットエリアでお買い物
ラストは、マーケットエリアでお買い物を。今回の開催エリアは国連大学前のみですが、それでも結構な出店数。marikaさんは、築50年の古いおうちに引っ越したばかりということもあって、古道具や家具といったインテリア周りが気になるよう。
実店舗を持たず、全国のイベントに出店している〈c.c.c.〉で目をつけたのは、ふるいマガジンラック。「わー、ほしい! あのマガジンラックがほしい。けど、このあと予定が…」と悩む姿が印象的。ほかにも、70年代頃の吹きガラスで作れた花瓶など、お眼鏡にかなうアイテムが所狭しと並んでいます。
国内外問わず、様々なジャンルの古物を扱う〈古物百貨店 ALL TOMORROWS PARTIES〉や三軒茶屋の奥に佇む“衣食音住美”をテーマに掲げる複合店舗兼住宅の〈ろじ屋 Rojiya〉。松本でギャラリー併設のショップを運営している〈偏集舎〉などなど。marikaさんも気になるお店をどんどんチェックして、蚤の市巡りもそろそろ終わりのときを迎えます。
「普段から蚤の市やイベントには行くんですけど、“アナログ”ってテーマ付けられたイベントは初めて。色々と考える機会にもなったので楽しかったです。
最初は『アナログってなんだろうな』ってすごい考えながら参加したんですけど、古道具だったり古着だったりと、わたしの好きなものも多くてすごく楽しかったです。参加されている方とお話しするなかで、人と人との繋がりもアナログなんだなって気が付きました」(marikaさん)
食、ワークショップ、古道具など、様々な視点を通して“アナログ”の魅力を再発見できる蚤の市「Analog Market」。もし来年も開催されるのならば、ぜひ足を運んでみることをおすすめします。
INFORMATION
オーディオテクニカ公式サイトはこちら
公式Instagram:@analogmarketokyo