銀座 アルマーニ / リストランテ
2022.06.07

第159回 日本米、地方、フードロス⾷材のサポートの3つがテーマ! 〈アルマーニ / リストランテ〉より新メニュー「サステナビリティ」コースが登場!

昨年、フードロスバンク協⼒のもと、フードロス⾷材を主役としたコースメニュー「ロスフードメニュー」を展開し、注⽬を集めた銀座のイタリアンレストラン〈アルマーニ / リストランテ〉。同店が5⽉10⽇(⽕)より、新メニュー「サステナビリティ」の提供をスタートしたと聞き、実際に味わってきました。

ミシュラン星つき店でも活躍した若手実力派シェフが腕を振るう〈アルマーニ / リストランテ〉。

銀座の一等地の10〜11階に位置する眺望も自慢の〈アルマーニ / リストランテ〉。
銀座の一等地の10〜11階に位置する眺望も自慢の〈アルマーニ / リストランテ〉。

〈アルマーニ / リストランテ〉のエグゼクティブシェフを務めるのは、イタリア、ナポリ出身のカルミネ・アラマンテ氏。ナポリの料理学校で料理の基礎知識を学んだ後、イタリア・イスキアのミシュラン2ツ星レストラン〈Nino di Costanzo〉や美食の町スペイン・サンセバスチャンのミシュラン3ツ星レストラン〈Martin Berasategui〉などでシェフの経験を積みました。

カルミネ・アラマンテシェフ。
カルミネ・アラマンテシェフ。

日本でのキャリアをスタートさせたのは2018年、28歳の時エグゼクティブシェフに就任した〈HEINZ BECK TOKYO〉(現在閉業)。彼は就任後わずか1年で、同レストランをミシュラン1ツ星獲得へと導きました。

アルマーニ社への入社は2020年8月。カルミネ氏は日本国内において、〈アルマーニ / リストランテ〉、〈アルマーニ / ワインラウンジ〉、そして〈エンポリオ アルマーニ カフェ〉のメニューを担当しています。

今回は北陸がテーマ!⽇本の農業や⾷材、地球環境に着目した新コース。

新メニュー「サステナビリティ」全6皿12,000円(税込・サ別)。
新メニュー「サステナビリティ」全6皿12,000円(税込・サ別)。

昨年〈アルマーニ / リストランテ〉で提供された「ロスフードメニュー」をきっかけに、⽇本の農業や⾷材、地球環境に対してより深い関⼼を抱き、⾷材を扱う⽴場としての使命を再考したカルミネシェフ。新たにスタートした「サステナビリティ」は、再度フードロスバンクとタッグを組み、現在社会が抱えるあらゆる問題に焦点を当てたコースメニューに仕上げています。

また、「サステナビリティ」メニューは、3つの「サポート」をテーマに掲げているのも特徴。その3つとは「⽇本⽶のサポート」「地⽅のサポート」「フードロス⾷材のサポート」です。

初回となる今回の「サステナビリティ」では「北陸地⽅」に焦点を当て、コース内で使⽤されるメイン⾷材は全て北陸産のもので統⼀しています。これは「サスティナビリティ」3つのテーマのうちの一つである「地⽅」のサポートとして。1つの地域でこれほどまでに豊かな⾷材が手に入ることを訪れる人々に知ってもらうことで、料理を通し、地⽅のパワーと豊かな可能性を表現しています。

約20種類以上の野菜を使った、一期一会なカラフルサラダ。

「⾼農園のサラダ」。
「⾼農園のサラダ」。
サルサヴェルデをまわしかけていただく。
サルサヴェルデをまわしかけていただく。
サラダを箸でいただくことで、食材ごとに異なる食感も楽しめる。
サラダを箸でいただくことで、食材ごとに異なる食感も楽しめる。
「⾼農園のサラダ」。
サルサヴェルデをまわしかけていただく。
サラダを箸でいただくことで、食材ごとに異なる食感も楽しめる。

アミューズとして登場するのは、化学肥料を使⽤せず、畑に無理のない輪作栽培を採⽤して伝統野菜を含め多くの野菜を栽培する〈NOTO ⾼農園〉の野菜を使った「⾼農園のサラダ」。その⽇におすすめの野菜を20種類以上⼊荷して作り上げるサラダは、訪れる⽇により使⽤される野菜が異なる「⼀期⼀会」な⼀⽫です。パセリを使った「サルサヴェルデ」ソースを絡めていただきます。

エディブルフラワーも散りばめられた華やかなサラダは、根菜は火入れしたり、トマトは湯むきしたりと、各食材のおいしさが引き立つような調理が施されています。サルサヴェルデにも負けない、野菜の力強い味わいがみずみずしく弾けていました。

未利用魚を活用した繊細な手仕事の前菜。

前菜の「スモーク ハマチ」。
前菜の「スモーク ハマチ」。

スモークしたハマチを、スライスしたラディッシュで1枚1枚綺麗に貼り付けた、インパクトのあるビジュアルで登場したのが、前菜の「スモーク ハマチ」。福井県のプライドフィッシュでもあるハマチを使⽤した⼀⽫です。
プライドフィッシュとは、全国漁業協同組合連合会が中心となり、各都道府県の漁業協同組合連合会・漁業協同組合が選定した、漁師が自信をもって推奨する魚介類のことです。今回は、ロスを減らし⽣態系を守るため、サイズが⼩さかったり、⾷⽤としての需要が少なかったりして市場に出回らない「未利⽤⿂」をできるだけ出さないよう、過剰漁獲になりにくい定置網漁で⽔揚げされたハマチを使用しています。

ハマチは塩をふり適度に⽔分を抜き、1時間ほどスモークしてうまみを閉じ込めたあと、スライスしたラディッシュで巻いています。スライスされたラディッシュのシャキシャキ感、トップにトッピングされたポロネギのフリットのカリカリ食感も楽しく、さわやかな酸味のセビーチェソースにスモーキーなハマチがよく合っていました。

新潟県産⽶使用。まるで卵かけご飯な濃厚リゾット。

「スナップえんどうのリゾット」。
「スナップえんどうのリゾット」。
卵黄は生ではなく、45度のオイルで1時間低温調理した中がレアなポーチドエッグ。
卵黄は生ではなく、45度のオイルで1時間低温調理した中がレアなポーチドエッグ。
「スナップえんどうのリゾット」。
卵黄は生ではなく、45度のオイルで1時間低温調理した中がレアなポーチドエッグ。

「スナップえんどうのリゾット」では「⽇本⽶のサポート」として、リゾットに合う新潟県産⽶を厳選して配合した「れすきゅう⽶」を使⽤。リゾットの楽しみでもあるアルデンテの⾷感を残すために、カルミネシェフはフードロスバンク提供の多くの⽇本⽶を試⾷し、さらに⽇本⽶に適した調理⽅法を考案することで⾒事なアルデンテを楽しめるリゾットを作り上げました。通常イタリアンレストランでリゾットを作る際は空輸されたイタリア⽶が使われていますが、今回の「サステナビリティ」メニューでは⽇本⽶を使⽤し、より短いフードマイレージで地球への環境負荷が少ない1⽫に仕上げています。

また、本来は捨ててしまう野菜の切れ端からとった出汁、いわゆるベジブロスでお⽶を煮詰め、グリーンピースのピューレ、パルメザンチーズを絡めています。シェフが掲げる「フードロス⾷材」のサポートとして、今回のメニューのために調達された⾷材は、その全てを無駄にしないように⼯夫がなされており、普段は廃棄する野菜の切れ端なども出汁として使⽤するなど「ゼロロス」を徹底しています。

リゾットの上には、日本人の国民食とも言える「卵かけごはん」のビジュアルをイメージし、オーガニック卵のポーチドエッグをトッピング。周りにはパルメザンチーズのソースとスモークしたスナップえんどうを添えています。シェフの出身地ナポリの伝統的なパスタ「パスタエピゼッリ」からのインスピレーションにより⽣み出された⼀⽫でもあり、スナップエンドウのプチっと食感が楽しく、濃厚なチーズとベジブロスの出汁が力強い味わいです。

火入れの妙が光る、プライドフィッシュ・鰆を使ったメインディッシュ。

テーブルサーブ後にソースをまわしかけていただく。
テーブルサーブ後にソースをまわしかけていただく。
「鰆の炭⽕焼き クレソンソース」。
「鰆の炭⽕焼き クレソンソース」。
テーブルサーブ後にソースをまわしかけていただく。
「鰆の炭⽕焼き クレソンソース」。

メインには前菜で使⽤されるハマチと同じく、福井県のプライドフィッシュに選ばれている鰆を使った「鰆の炭⽕焼き クレソンソース」が登場。鰆は炭⽕で焼いたあと、藁焼きで⾹ばしく仕上げており、鰆の下にはグリーンアスパラのスライスが敷かれています。この藁焼きという手法は、シェフが高知県に訪れた際、カツオの藁焼きを体験し、自身の料理にも取り入れることを思いついたのだそう。ソースはアスパラガスの切れ端部分でとった出汁にエシャロット、ポロネギ、クレソンを合わせて⾹り豊かに仕上がっています。

ナイフを入れたときに感じる柔らかな感触からもわかる通り、鰆の中はレアな火入れで、フルフル食感がたまりません。ソースは鰆の繊細な味わいを損なわず、寄り添ってくれるような清々しい味わいです。

キュートなアイスキャンディに、真っ赤で可憐なデザート。

「とみつ⾦時」は一人一本ずつ。
「とみつ⾦時」は一人一本ずつ。

アイスキャンディのようなキュートな見た目のプレドルチ「とみつ⾦時」は、福井県フィールドワークス産のとみつ⾦時を使⽤した一品。味は素晴らしいものの、形や⼤きさの理由で通常ルートでは出荷できない、いわゆるフードロスのとみつ⾦時のペーストを買い取り、使⽤しています。こちらの農園では、⼟壌環境維持のため3年に⼀度休耕地を作り、クロタラリア(⾖科)を植えて⼟壌の活⼒維持に努めているそう。

アイスキャンディーの上部分は、とみつ⾦時のアイスクリーム、下はベルガモットのシャーベット。一口目はまったりとした金時の味わい、二口目は爽やかなベルガモットシャーベットの味わい、というように、食べ進めるごとに酸味のバランスが変化するように作られています。

ちなみにプレドルチとデザート、プティフールは〈エンポリオ アルマーニ カフェ〉でも活躍している、シェフパティシエの秋山真佐典シェフが手がけています。

造形の美しさにため息が漏れてしまう「いちご 酒粕」。
造形の美しさにため息が漏れてしまう「いちご 酒粕」。
中には酒粕といちごのジェラートのほか、お米のミルク煮、ライスパフも入っている。
中には酒粕といちごのジェラートのほか、お米のミルク煮、ライスパフも入っている。
造形の美しさにため息が漏れてしまう「いちご 酒粕」。
中には酒粕といちごのジェラートのほか、お米のミルク煮、ライスパフも入っている。

デザートの「いちご 酒粕」は、⽯川県の紅ほっぺと福井県にある酒蔵〈⿊⿓酒造〉の酒粕を使⽤。フレッシュないちごで囲まれた内部には、形を理由に出荷できないいちごのピューレをシャーベットにしたものと、酒粕を使⽤したジェラートを忍ばせています。

酒粕は、⽇本酒を製造する際に出来る栄養価の⾼い副産物ですが、常温だと数カ⽉しか保存できず、廃棄を防ぐために〈⿊⿓酒造〉では、酒粕を蒸留して焼酎を作るなど有効活⽤に取り組んでいます。苺はマイクロ⽔⼒発電による電⼒を使⽤して地域と共⽣している〈いちごファームHakusan〉のいちごです。

口に含むとすぐに酒粕の香りが感じられ、あとからいちごの甘酸っぱさやミルク煮されたお米の甘さが広がります。ライスパフのカリカリ食感もアクセントになった、後味すっきりなデザートでした。

お好みのドリンクと共にいただくプティフール。
お好みのドリンクと共にいただくプティフール。

さらに食後にはコーヒー、紅茶、エスプレッソ、カフェラテなどの食後のドリンクとともに、プティフールが提供されます。この日はピスタチオのショコラとアプリコットのプチケーキ、チェリーのミニタルトが登場しました。最後のプティフールまで作りたてで、細部に至るまでこだわりが感じられます。

今後「サステナビリティ」コースでは、季節ごとに異なるエリアをピックアップし、⽇本の各地⽅で⽣まれる魅⼒あふれる⾷材を発信していくそう。今後もおいしいものを食べ続けたいと思うからこそ、食のサスティナビリティにも、目を向けていきたいところですね。

〈アルマーニ / リストランテ〉
■東京都中央区銀座5-5-4 アルマーニ / 銀座タワー 10・11F
■03-6274-7005
■11:30〜15:00(14:00LO)、18:00〜21:00(19:00LO)
※新型コロナウイルスの状況により営業時間が変更になる可能性があります。
予約の際には最新状況をお問い合わせください。
■月休
公式サイト

中森 りほ
中森 りほ / フリーランス

「元グルメメディア編集のフリーライター。カレーや喫茶店、音楽や映画が大好きな下北っ子です」

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