BARをもっと、カジュアルに。 新宿〈BAR BenFiddich〉のバーテンダー・大西 龍馬 グリッサナさん〜児島麻理子の「TOKYO、会いに行きたいバーテンダー」〜
お酒業界での広報歴12年!児島麻理子が、実力派のバーテンダーをご紹介します。第20回目の登場は、新宿〈BAR BenFiddich〉の大西 龍馬 グリッサナさん。22歳という若さながら、大西さんが働くのは世界が認める新宿の名店。日々腕を磨く大西さんをご紹介します。
本日のバーテンダーは…大西 龍馬 グリッサナさん
大西 龍馬 グリッサナ
■バーテンダー歴:1年半
■生年月日:1998年5月4日
■星座:牡牛座
■血液型:AB型
■趣味:格闘技観戦。以前はムエタイをやっていました。
ムエタイ仕込みの鋭い目線と、人懐っこい笑顔を合わせ持つ大西 龍馬 グリッサナさんは、タイ人と日本人のハーフ。日本では唯一かもしれないラオス語とタイ語と日本語のトリリンガルのバーテンダーです。
「タイのイーサン地方というラオスとの国境近くの出身です。3歳以降は、小学校の数年を除いて日本で育ちました。タイは微笑みの国と言われいますが、みんなが笑顔で、人や食べ物も魅力的です。自分にも影響を与えていると思います」。
笑顔が福を呼び寄せたのか、当時バーテンダー初心者だった大西さんが働くことになったのは、世界が注目する新宿の名店〈BAR BenFiddich〉。ハーブやスパイス、オリジナルのリキュールを多用し、自在にカクテルを作る姿は、まさにお酒とは錬金術である、と思わせてくれるマニアック系の名店です。
〈BAR BenFiddich〉のコンセプトは”Farm to glass”。オーナーの鹿山さん自ら畑を持ち、現在テニスコート4面分の土地に、フェンネルやジュニパーベリー、ミントやにがよもぎなどを栽培。果てには養蜂まで行い、収穫したものをカクテルに昇華しています。
「鹿山さんのことを知ったのはYouTubeだったんです。バーテンダーってこんなにクリエイティブでカッコいいのかと。自分が求めているものはここにあると思いました。今はスタンダードカクテルであっても、本当に奥が深いと思いながら日々学んでいます。鹿山さんのような想像力を自分も身につけていきたいです」。
現在は鹿山さんのカクテル提供をサポートしながら、スタンダードカクテルの腕を磨いています。日々お客様と向き合う中で、最近ハマっているものは心理学だそう。
「お客さまの目線や手の位置が気になるようになりました。カウンターの上に手を置いてないと緊張しているのかな、とか。目が動いていたら、話しかけに行ったりなどしています」。
多くのお客様にお酒を薦めてきた中で、バー初心者にはこんなアドバイス。
「バーでのカクテルを飲んだことがないという方には、バーのグレープフルーツサワーを試して欲しいなと思います。お店にはグレープフルーツを漬け込んだウォッカがありますが、そういうものが居酒屋のものとどう違うか比較してほしいです。その後は、スタンダードカクテルや鹿山さんのフレッシュハーブを使ったカクテルなど試してほしいですね」。
夢はタイのプーケットにバーを開くことだいう大西さん。「バーテンダーの仕事は日々新しい発見があって飽きないです。カクテルを通じて歴史も勉強できたりと刺激的な毎日で、今の状況に感謝しているんです。鹿山さんにもそしてお母さんにも!」
オリジナルで作ってくれた”トムヤムクン”カクテルは、タイ料理ならではの辛口(!)でしたが、人柄は優しい大西さんに会いにぜひいらしてください。
ハナコラボからの質問
Q.「バーテンダーの秘密はありますか?」
A.「普段からボトルは丁寧に扱っているので、ペットボトルも妙にきれいに開けてしまうんです。華麗にペットボトルを開けている人がいたら、きっとバーテンダーです(笑)」。
このお店のこの一杯「トムヤムクンのモスコミュール」
実家がタイ料理屋を営んでいる大西さん。コブミカンの葉や唐辛子など、カクテルの材料も実家から。今回、自分らしさを表現するものとしてタイ料理のトムヤムクンのカクテルを考案。トムヤムクンの複雑な旨味を凝縮したようなインパクトある1杯。
お酒と楽しむ一皿「自家製ピスタチオバター、クランベリーバター」
お店で手作りしているピスタチオバターとクランベリーバターは、オイリーな触感がウイスキーやオールドスピリッツなどと相性抜群。
大西さんのいるお店はここ。
動物の剥製や古い絵画などとともに古い薬草酒が並ぶ店内は異空間。オーナーの鹿山さんの畑で採れたハーブを使ったボタニカルカクテルが楽しめる。
■東京都新宿区西新宿1-13-7 大和家ビル9F
■03-6258-0309
■18:00-01:00 日祝休
※状況に応じて営業時間が変更になります。
【本日の一言】
タイ譲りの笑顔とともにカクテルを!