言いたいコト、書きたいコトバ…混じり気ナシ! 弘中綾香の「純度100%」~第35回~ LEARN 2020.09.25

ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。今回は最近の出た占いの結果について。

「胸の中にあった仮説」

 友人が持っていた占いの本でハッとするような結果が出た。

 占いも数多くの種類があるが、それは「数秘術」というもの。生年月日の数字をルールにそって色々計算すると出てくる数によって、1の人、2の人、と分けられ、1の人はこんな性格で、相性が良い数は何で、など色々なことがそこから分かるらしい。そんな何種類かのパターン分けで本当に当たるのかな?と半信半疑の中(こういった占いというもの全般を信じていないというわけではなく、むしろ好んで見てもらう方だ。それゆえ、もうちょっと細分化しないと当たらないんじゃないの?という見方である)、友人に言われるがままに計算してみた。すると、7という数字が出てきた(細かく言うと3つ数字が出てきて、そのどれもが私に関係しているのだが、とりあえずここでは私の現在に関係している数字を1つだけ挙げる)。ラッキーセブンじゃん、いいこと書いてあるかもね?と喜んだのも束の間、7の人の性格というページを開いてみると、驚いた。なぜなら、私の中でずっとモヤモヤしていたことが1行目に書いてあったから。

 それは、「人と人とは分かり合えないという諦念を持っています」という、なんとも非情な一文。だが、ピンとくるものがあった。モヤモヤしていたものが言語化されたことによって、クリアになった感じ。私の中には、いつからかその考えがあった。考えというか仮説レベルで、もしかしたら人と人は本当の意味で分かり合うというのは難しいのかもしれない…とかねてより思っていたところがある。私には本当にお互いに分かり合えたという体験が今までに一度もないし、ここまで生きてきた自分の性格をよく知っている分、これから先もそんなチャンスが訪れるとは思えない、と。
 自らの名誉のために言えば、友達がいないわけではない。周りの人と上手く関係を築けていないわけでもないと思う。多くはないが、何か私が悩んでいると言えばちゃんと時間を作って話を聞いてくれる人はいる。けれども、そんな風にありがたく私に手を差し伸べてくれる相手であったとしても、心の奥底では「どうせ話したって…」と諦めている自分がいるのも事実だ。実際に話しても、さわりだけであとは言葉を濁してしまうことが多い。重要だったり深刻だったりすればするほど、話せなくなってしまう。もっと近い距離の人に対してもそう。というか近ければ近いほど、打ち明けることが出来ない。弱さをさらすのが恥ずかしいのか、臆病なのか、はたまた高慢なのか。理由は自分でも分からなかった。
 
 そうは言っても「人と人はぶつかり合えば、分かり合えるんだ!とにかく話し合おう!」みたいな考えの文化には少なからず触れてきたわけで、「あの人だけは、私のこと理解してくれている」「これだけ分かり合えるのは、君だけだ」とか言うドラマや映画も沢山見てきた。そしてもちろん、分かり合えた方がいい、とも思っている。だから自分には、そのオンリーワンに出会っていないだけ、とか、そこまで誰かと深く話したことがないだけだ、と言い聞かせて、その胸の中の仮説を信じないようにしていた。加えて、その真偽を人に確認するのをためらってもいた。「人と人って分かり合えると思う?」と聞いて、「え? 病んでるの?」とか思われるのが怖くて。
 でも、この本には私が持って生まれた数字がこういうものだ、と書いてある。私個人が持つキャラクターではなく、数字のせいなのね!環境が作り出したものではなく、生まれ持った運命的なものだったのか…、だったら仕方ないことなのかも、と安心した。パンチのある最初の一文に面食らったけれど、よくよく自分に落とし込んでみると非常に興味深い内容だった。それについては次回!
 
次回:10月9日更新予定

【弘中のひとりごと】
羽毛布団にくるまれる瞬間が一日で一番幸せです。

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【2020年12/25追記】この連載が本になります!下記画像をクリックすると購入予約可能な書籍紹介ページに遷移します。

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