【五浦 幽谷隠田跡温泉】唯一無二の温泉体験ができるチームラボのアート温泉
五浦 幽谷隠田跡温泉
巨大なアートミュージアムに変貌した森で過ごす一夜。
宵の口の森に響き始める、吸い込まれるようなアンビエントミュージック。やがて夜の闇が訪れると、辺り一面は幻想的な光に包まれる。こちらは、チームラボが手がけるアート展示〈チームラボ幽谷隠田跡〉と源泉掛け流しの温泉〈五浦 幽谷隠田跡温泉〉が一体となったグランピング施設。2024年9月、東京から車で2時間ほどの北茨城市五浦にオープンした。五浦は美術運動家の岡倉天心が晩年を過ごした景勝地。チームラボが、その海沿いにある森の奥で美しい棚田跡を発見し、周囲を囲む森ごとアートにする構想が生まれた。
森の中には11の作品を常設し、2棟のコテージと20張のグランピングテントを備えた宿泊エリアが隣接。アート展示は一般客も時間制で入場可能だが、宿泊客なら好きなタイミングで鑑賞できる。およそ1時間かけてアップダウンのある山道を歩き、刻々と表情を変える自然に没入するアート体験は、決して美術館では味わえない。棚田跡を作品にした《隠田跡》は露天風呂のすぐ横にあるため、温泉に浸かりながら堪能するのも一興だ。
優しくざわめく木々と、五浦海岸に打ち寄せる波の音。見上げた空には無数の星が輝いている。澄んだ空気を思いきり吸い込めば、ここで過ごす時間全てがアートなのだと気づくはず。
森とアートと対話する、源泉掛け流し&グランピング体験。
温泉は源泉掛け流しで、泉質は保湿・保温効果の高い塩化物泉。内湯と男女共用の露天風呂を備え、アート《隠田跡》と地続きになった露天はまるで作品の中に浸かっているかのよう。
宿はコテージかグランピングテントをチョイス。コテージはチームラボアーキテクツが設計を手がけ、専用の半露天風呂付き。テントは大きさ別に2タイプで、ふかふかのラグにソファとセミダブルベッドが置かれたホテル並みの快適さだ。地元レストラン監修のディナーも人気で、北茨城の海の幸を中心としたBBQに、オプションで常陸牛なども注文可能。宿泊エリアからも森の作品が放つ色と音をほんのり感じることができ、自然とアートとの心地よい一体感を味わえる。
住所:茨城県北茨城市大津町2132
TEL:0293-24-5251
部屋数:全22棟
宿泊費:1泊1名25,300円~(2食付き)
テント内も含めWi-Fi、電源、アメニティ完備。23時からはサイレントタイム。明かりは最小限にして静かな森の夜を満喫。
チームラボ 幽谷隠田跡
山道に幾重にも仕掛けられた非現実的なアート空間。
展示会場であり作品そのもので展もある森は、植生をそのまま活かしてアートに昇華。鑑賞ルートの山道にはわずかな明かりしかなく、暗い森をアトラクション感覚で進んでいくと、ダイナミックなインタラクティブアートの数々が広がる。
例えば《タブノキに宿る呼応する宇宙》は、木に近づいた人を一つの球体が感知し、周囲の球体も次々に呼応して光と音を放つ仕組みだ。ほかにも、無数にうごめくグリッド線や、妖しく浮遊する青白い筆跡、木々の間を縫う赤い閃光(せんこう)など、迫り来る作品群に思わず息をのむ。歩を進めるごとに曖昧になっていく、人と自然とデジタルテクノロジーの境界。森の生命が呼応し、全てが溶け合う世界観を体感してほしい。
住所:茨城県北茨城市大津町2132
TEL:0293-24-5265
営業時間:17:30~21:00(季節で変動あり)
定休日:第1火休