ひとりで愛でたい、インテリアが美しいホテル5選|まろが行く、ひとりホテルのすゝめVol.20
私がひとりでホテルに泊まるようになったのは、こだわり抜かれた空間の美しさに魅了され、それをひとりで味わうことに幸せを感じたからでした。
その空間の構成に欠かせないのが、インテリア。家具の質感、照明の灯りの具合、外の景色との調和…。ひとりだからこそ細部まで堪能する贅沢な時間は、心を豊かにしてくれるだけでなく、時には自分の暮らしを見つめ直すきっかけになることも。今回はインテリアに魅せられる、とっておきの5つのホテルをご紹介します。
軽井沢の森で見つける、理想の暮らしのかたち。〈haluta hotelli still〉
軽井沢中心地から車で15分程度の、軽井沢追分エリアにある〈haluta hotelli still〉。北欧ヴィンテージ家具の販売や住宅設計などを手がける〈haluta〉が手がけたホテルです。
お部屋は、わずか3部屋。2000年からヴィンテージ家具を扱う中で収集した貴重なコレクションで空間を設えています。なかでも、広々としたテラスを備えた「terrace room」では、目の前に広がる国有林の緑と共に、北欧ヴィンテージ家具の温もりを感じられます。
そして、魅力は目に見える家具だけにとどまりません。マットレスがオーストリアの職人の手で作られた馬のテールヘアー100%のものだったり、建物全体が北欧ではよく使用されている断熱材「ロックウール」で覆われていて、冷暖房がいらない設計になっていたり。心地良い家づくりのヒントとなりそうな要素があちこちに散りばめられています。
その空間に身を委ねる幸せを味わうのはもちろんですが、自分の暮らしに当てはめてじっくり考えてみるのも、ひとりホテルならではの楽しみですね。
朝食は〈haluta〉が手がける人気ベーカリー〈haluta bageri〉のおいしいパンを、こちらも北欧スタイルでいただけます。朝のひとり時間を、ゆったりと優雅に過ごしてみてください。
住所:長野県北佐久郡軽井沢町追分1372-6 still
TEL:0267-41-0206
公式HP:https://haluta.jp/stay
白馬の雪景色に映える、フィン・ユールの世界にうっとり。〈HOUSE OF FINN JUHL HAKUBA〉
長野県・白馬にある〈HOUSE OF FINN JUHL HAKUBA〉。デンマークのデザイナーであるフィン・ユールの家具を製造する家具メーカーが手掛けたこのホテルは、美しいフィン・ユール家具をメインに空間が構成されています。
視覚的な美しさに思わず目が奪われてしまいますが、「家具は鑑賞するためだけではなく、使うもの」と共同オーナーの岡崎さん。お部屋のみならず、共用部のあらゆる椅子に腰掛けて、ぜひ自分の”お気に入りの一脚”を見つけてみてください。
そして、私が最も心惹かれるのが、この家具たちとデンマークを彷彿とさせる白馬の景色との融合。雪景色には一層映えるので、毎冬ここを訪れるのを楽しみにしています。
この景色を愛でながら、本場・デンマークで大切にされている“ヒュッゲな時間”(心から寛ぐ時間)を過ごすのが、私の過ごし方。本を読んだり、ぼーっとしたり、自分時間を満喫します。お部屋は「Japan room」など主役の椅子の名前が部屋の名称となっているので、予約の際にはどの椅子と過ごそうか? じっくり吟味する時間も幸せです。
また、地下のラウンジでは、夜中にお酒を片手にゲストやオーナーご夫妻と談笑することも。素敵な家具に囲まれながら、ひとりの時間、誰かとの時間…それぞれの良さを味わうことができます。
住所:長野県北安曇郡白馬村北城3020-281
TEL:070-4142-9218
公式HP:https://www.houseoffinnjuhlhakuba.jp/
“引き算の美学”を学びたい。〈DDD HOTEL〉
東京・馬喰町にある〈DDD HOTEL〉。煉瓦造りの建物の中に入ると、モスグリーンを基調としたシンプルで美しいデザインに目を奪われます。
お部屋も寝具や部屋着など必要なものはこだわって揃えられていますが、ミニマルで上質な空間づくりゆえに余分なものは絶妙に削ぎ落とされています。一見シンプルすぎる気もしたのですが、
トーンを合わせ、必要なものを必要な分だけ置く。ついついインテリアを買い集めてしまいがちなわたしに、このお部屋は“理想の暮らし”を考え直すきっかけを与えてくれます。
個人的におすすめしたい過ごし方が、併設されているミュージックバー&ラウンジ〈phase〉で寛ぐこと。洗練された空間ながら心地良いカジュアルさを兼ね備えているので、ひとりでふらっと立ち寄りやすく、よく利用しています。
住所:東京都中央区日本橋馬喰町2-2-1
TEL:03 3668 0840
公式HP:https://dddhotel.jp/
理想の邸宅で過ごす、優雅なひととき。〈Zentis Osaka〉
2020年、大阪・堂島浜にオープンしたパレスホテルの新ブランド〈Zentis Osaka〉。どこまでも優雅でありながら、心地良くリラックスできる空間が広がっています。
インテリア設計は、イギリスを拠点に数々のラグジュアリーホテルを手がける世界的なインテリアデザイナー、タラ・バーナード氏が率いるチーム。色合いやテクスチャーに至るまで、洗練された中にも温もりを感じられる風合いが印象的で、肩肘張らずにラグジュアリーな気分を味わえます。
私のお気に入りは、お部屋のカーペット。ファブリックの美しさには、いつもうっとり。ベッドサイドのランプなどの小物も素敵で、この空間を丸ごとお家に持って帰りたくなってしまいます。
1階ゲストラウンジの外にあるガーデンも素敵で、晴れた日にはここで読書するのもおすすめ。ホテルに滞在しているというより、誰かの美しい邸宅に訪れているような感覚で、時間を忘れて寛いでみてください。
住所:大阪府大阪市北区堂島浜1丁目4-26
TEL:06-4796-0111(ホテル代表)
公式HP:https://zentishotels.com/ja/osaka/
アンティークの温もりに包まれて。〈ホテルモーニングボックス大阪心斎橋〉
大阪の中心部に位置しながら、自宅のように憩える空間が魅力的な〈ホテルモーニングボックス大阪心斎橋〉。
グループからおひとりさま利用まで、さまざまな用途に合わせた客室タイプがあるのですが、なかでもこだわりのインテリアで彩られているのが「コレクションルーム」タイプのお部屋。
アンティークな家具や、再生素材や自然素材を利用して作られた家具が置かれた、アースフレンドリーなお部屋となっていて、ひとりで心を落ち着けてゆったり過ごすことができます。季節によって楽しめるウェルカムスイーツも付いているので、スイーツを味わいながらお部屋を堪能する…なんて過ごし方も。
可愛らしいランプや棚もあれば、チェスをモチーフにした置き物など、ユニークなものも点在。気に入った家具は実際に購入することも可能なので、蚤の市に来たかのように“わたしの逸品”を探したくなります。
住所:大阪府大阪市中央区東心斎橋1-10-3
TEL:06-6243-0777
公式HP:https://hotelmorningbox.com/
こんなにもこだわりが詰まった空間を味わえるのは、ホテルならでは。ひとりだからこそ、ぜひインテリアの細部まで目を凝らして、ホテルステイを楽しんでみてください。
それでは、HAVE A NICE OHITORI HOTEL!
ひとり時間の楽しい過ごし方を提案するメディア「おひとりさま。」(@ohitorigram)をInstagramを中心に運営。原案の漫画「おひとりさまホテル」(漫画:マキヒロチ氏)コミックス第4巻、初の著書「おひとりホテルガイド」が好評発売中。