知ってた? シンガポールはNEW and OLDの街 | シン・シンガポール旅②

TRAVEL 2023.11.13PR

シンガポールはリキッド(液状)のような街だ。変化が速くてダイナミック。訪れるたびに「え!?」「こんな国だったっけ?」とイメージや予想を心地よく裏切ってくれる意外性や発見がある。そこで「知ってた? シンガポールは○○の街」と題し、4回にわたって編集部Sのシンガポールの旅をお届け。2回目は、変化の街と言いつつ、実は古いものも大事にしている、新旧を絶妙にマッチングさせるこの国の人たちの懐の深さについて考えてみた。

INDEX

マレーシアとシンガポールには“プラナカン”という文化がある。プラナカンとは、15世紀以降、マレー半島に移住してきた中国系移民の末裔で、彼らは現地のマレー系の人々と結婚することで、中国とマレーの文化、ときに西洋のそれも取り入れて独自の文化を築いてきた。シンガポールでもそれらは残り、特に東部のカトン地区には、パステルカラーと西洋のバロック様式などをミックスした“ショップハウス”という独自の建築が残されている。
ということで2日目の朝は写真下、プラナカンの建物の中にあるオールドスタイルのカフェ〈Chin Mee Chin〉からはじめて、歴史の古いエリアや寺院、モスクなど、シンガポールの“Old”を、そして逆に夜は若者が集まるヒップなバーやレストラン、いわば“New”をまわってみた。
特筆すべきはシンガポールの人々の中ではNewとOldの間に境界線はなく、自然と共存していること。このあたりは日本人の感覚とも近いように思うし、そもそもアジアの素養なのかもしれない。

クラシックな朝食といえば、カヤトースト|Chin Mee Chin(チンミーチン)

シンガポール カヤトースト Chin Mee Chin (チンミーチン)
シンガポール カヤトースト Chin Mee Chin (チンミーチン)
シンガポールの朝食の代表的メニュー、「カヤトースト」が味わえるカフェ。“カヤ”は卵とココナッツとパンダンリーフ(独特の甘い香りが特徴)と砂糖で作ったスプレッドのこと。このカヤをトーストに塗って食べる。かなり甘いが、なぜか熱帯の国にいるとこの甘さがちょうど、と感じる。コーヒーはグラマラッカ(マレーシアのマラッカ発祥の椰子の黒糖)を入れて。やっぱり甘いが、この甘さがよい。

Chin Mee Chin

営業時間:8:00~16:00
定休日:月休
公式サイト

Color is Power!|Instagram Walking Tour

シンガポール Instagram Walking Tour
シンガポール Instagram Walking Tour
歴史の古いエリア、「ブラス・バサーとブギス」と、そこから少し離れた、イスラムやマレー文化の色濃い「カンポン・ギラム」を歩くツアー。こちらはインスタフォトの達人であるガイドさんがその場で撮り方のコツを教えてくれる。街はとにかく多彩で鮮やかな色に包まれている。アーティストが壁に描いたストリートアート(写真右)と淡いパステルのプラナカン建築(写真左)が混在する、まさにNew and Oldなシンガポールを体感。

Instagram Walking Tour

所要時間:予約制で2時間
定休日:無休
公式サイト

プラナカンのティーブレイク|Kim Choo Kueh Chang(キム チュー クエ チャン)

お店は販売のみだが、今回はプラナカンの伝統衣装を試着した流れで、2階の部屋で「ブンガ トゥラン」と呼ばれる花のお茶と一緒にお菓子をいただきました。
お店は販売のみだが、今回はプラナカンの伝統衣装を試着した流れで、2階の部屋で「ブンガ トゥラン」と呼ばれる花のお茶と一緒にお菓子をいただきました。
〈Kim Choo Kueh Chang〉ではプラナカンの伝統菓子(ニョニャ・クエと呼ばれる)が並ぶ。右上のちまき、その下の「オンデオンデ」、左隣のパイナップル・タルトなどクラシックなお菓子やお土産が買える。

Kim Choo Kueh Chang

営業時間:9:00~21:00
定休日:無休
公式facebook

シンガポールで風になる|Singapore Sidecars

シンガポール Singapore Sidecars
初日の夜の自転車ツアーに続いて、「自分の五感で街を体感する」編、今度はなんとサイドカー!  引っ張るバイクは1965年のVespaのレプリカ。が、安心してください、そんなに飛ばしません。ゆったりとしたクルージングです。けれど次々と建物や風景が後ろに流れていくのを見ていると、自分は果てしなく遠い場所にいるのだ、と浮世のあれこれを忘れて、異邦人になりきれるのではないでしょうか。

Singapore Sidecars

営業時間:9:00〜23:00 (1時間198SGD〜)
定休日:無休
公式サイト

漢方×Bar=優しい夜 |Synthesis

シンガポール 漢方 Bar Synthesis
夜は“New”なシンガポールへ。写真の通り、ローカルのお洒落さんたちが集まるBar(といいつつごはんが美味しい)なのだが、創業者の祖母(漢方薬局に勤めていたそう)の知見を生かし、体に優しいカクテルや食べ物のメニューを志向している。店名のSynthesisは“合成”という意味。 

Synthesis 

営業時間:11:00~14:00(ランチ)、16:00〜21:30(ディナー)、バータイムは16:00〜22:30(金土〜24:00)
定休日:無休
公式サイト

アジアのベスト・バー|Nutmeg & Clove

2017年からアジアのベストバー50にランクインし続けている(今年は7位)Bar。当然カクテルはどれもハッとさせられる、“輪郭”のあるものばかりなのだが、驚いたのはメニュー(もはや本のよう)で、店のカクテルとそれのイメージに合うシンガポールの有名人の組み合わせが見開きのイラストで紹介され、もはや一冊の立派なzineのよう。こういう遊び心のある店に出会うと嬉しくなる。

Nutmeg & Clove

営業時間:17:00〜深夜(金土 16:00〜深夜)
定休日:無休
公式サイト

見上げてごらんBarの天井を|Atlas

シンガポール Bar Atlas
左・目の覚めるようなくっきりとしたシンガポール・スリング。右・モクテルもあり。オレンジ、レモンにシャンパンビネガーを入れた「Farewell to Arms」16SGD。
左・目の覚めるようなくっきりとしたシンガポール・スリング。右・モクテルもあり。オレンジ、レモンにシャンパンビネガーを入れた「Farewell to Arms」16SGD。
「徹底的に、大胆に」のシンガポールイズム(勝手に決めてしまっているが)を象徴するのがこのBarだと思う。写真上のセンター付近の1300本のジン・コレクション(世界最大級とも言われる品揃え)のタワーは15m。アール・デコ調のきらびやかかつ重厚な内装。「どこまでやるんですか」と突っ込みそうになりつつも、座ってみるとこの派手さがしっくりくる。金ピカの天井を見上げているだけでなぜか不思議な多幸感。

Atlas

営業時間:12:00~24:00(金土〜翌日2:00)
定休日:日月休
公式サイト

Photo:Takahiro Idenoshita ※1シンガポールドル(=1SGD)は約109円です(2023年10月30日現在)

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