7人の沖縄通がテーマごとに紹介! シーサー、泡盛、やちむん…沖縄土産、どれにする? 後編
旅の思い出は、形に残して余韻に浸ったり、周囲にお裾分けしたりしたいもの。お菓子にやちむん、泡盛まで。7人の沖縄通が推薦するお土産をテーマごとに一挙紹介! 2月28日発売1218号「沖縄」特集よりお届けします。
1. やちむん「土地の風景を思わす器は、使うもよし、飾るもよし」
土の温もりを感じられて、あるだけで日常が華やぐやちむん。今回は伝統を重んじつつ洗練された佇まいの作品を選びました。〈ノモ陶器製作所〉は、沖縄の美しい海を思わせる昔ながらの緑釉を大切にする作り手。この緑釉を中心に3色をあしらった飯碗は、持つ向きによって異なる表情が楽しめます。〈PORTRIVER MARKET〉の庭に生える南国の植物をイメージしたコバルト釉が美しい松田健悟さんの作品は、インテリアとしてもぜひ。さらに、ペン状の道具で図柄を描く線彫という伝統技法を用いた四角皿は、〈陶藝玉城〉によるもの。和洋を問わず使えるモダンさが気に入っています。各作品からは色合いや風合いのどこかに沖縄の風景を感じられるはず。使うたび旅の記憶を思い出してもらえたらうれしいです。
2. FOOD「味もパッケージも、ますますクオリティ上昇中」
多様な食材が育つ豊かな土壌を生かして、年々質が高まる食の加工品。最近は中身だけじゃなく、キャッチーな見た目の商品も増えてきたように思います。辛味と旨味が絶妙な〈SUNNY & ME〉の辣油と麻油は、ジャンルを問わずどんな料理にも合う優れもの。新聞紙の包み紙もイカしてます。「皮も種もまるごと搾り」は、フレッシュな香りと酸味に加え、自然由来のほろ苦さも味わえて、卓上に常備できるサイズ感も喜ばれるひと品です。沖縄県産茶葉の奥ゆかしい香りと爽やかな飲み口に紅茶マニアも絶賛するのが「KANIGAWA Black Tea」。豊かでクリアな味わいはぜひ多くの人に伝えたいですね。土地の魅力をダイレクトに伝えるものだから、食のお土産ものは自分自身、惚れ込んだものにしています。
3. シーサー「そこにいるだけで安心する、愛嬌満点の守り神を」
昔は一軒家に置かれるのが一般的だったシーサーですが、近年はマンションにも置きやすい小ぶりの作品が数多く見られます。中でも今回選んだのは愛嬌にあふれたシーサーです。宮城忍さんによる、瓦の破片を漆喰で固めて作る昔ながらの漆喰シーサーは、躍動感が魅力。表情をよく見ると実に優しげです。現存する村落獅子の探索を続けながら琉球石灰岩で石獅子を作るのが若山大地さん。表情の良さはもちろん、自然素材ゆえに経年変化も楽しめます。器をメインで作る山田義力さんのシーサーは、一辺3cm程度の琉球獅子がオススメ。削ぎ落とされたデザインが現代の暮らしにもなじみます。いずれもデスク横や飾り棚にも合うサイズ感。置いておくだけでどことなく安心感を与えてくれますよ。
4.泡盛「飲み方を変えながら、泡盛の甘みをじっくり楽しむ」
独特の香りゆえに敬遠する方も多い泡盛ですが、実は度数が高い分様々な飲み方ができる万能なお酒。私は毎晩飲んでいます(笑)。中でもご褒美にしているのが「玉友甕仕込10年」。カラメルのような甘い香りに衝撃を受けました。ストレートかロックでじっくり楽しむのがオススメです。透き通った青のボトルが美しい「星の灯」はお米の甘さを感じられる泡盛。水割りで食中酒にどうぞ。そして「暖流」は、オーク樽で熟成させた古酒に新酒をブレンドしていて、バニラのような香りが立ち上がります。キレもいいので、炭酸で割ってハイボールならぬ“暖ボール”でぜひ。ビンの中でも次第に熟成し、舌触りはまろやかに、香りは甘く変わっていく泡盛。時間をかけていろんな飲み方を楽しんでほしいですね。