チェコの魅力を堪能 美食、絶景、大自然!ローカルがおすすめするチェコ観光スポット

TRAVEL 2023.03.18

中世ヨーロッパの街並みが残っている美しい国、チェコ共和国。北海道とほぼ同じ広さの領土中には、ユネスコ世界文化遺産が16、世界無形文化遺産が9も存在する。まず、チェコといえば首都・プラハを訪れる人がほとんどの中、今回はご紹介するのはチェコ地方都市を巡る旅。観光マップにもなかなか載らないであろう、ローカルがおすすめするスポットを紹介します。

まるで“小さなプラハ”。自然も美食も楽しめるリベレツへ

街のシンボル、リベレツ市庁舎。夜のライトアップも見逃せない
街のシンボル、リベレツ市庁舎。夜のライトアップも見逃せない

首都プラハからバスで1時間半ほど、チェコ北部に位置するリベレツは山に囲まれた街。隣国のドイツからも近く、歴史的な街並みや自然、レストランなどが充実しているため、観光地としてローカルからも人気なのだそう

街のシンボルである、リベレツ市庁舎は館内を見学することもできる。100年以上も残るステンドグラスや繊細な彫刻を鑑賞でき、まるで中世ヨーロッパにタイプスリップしたかのような非日常的な空間を楽しむことできる。

驚いたのは、リベレツ市庁舎の地下にビアホールがあること。さすがビール消費量世界一のチェコ、ビールへのアクセスが抜群すぎるのだ。レストランには平日休日問わず、多くのチェコ人で賑わっている。
ビールはタップ式になっており、注文すると大きなグラスいっぱいにチェコビールを注ぐ光景も迫力がある。チェコビールは定番ピルスナーウルケルや黒ビールなど10種類以上あり、飲み比べも楽しめる。

食事は伝統的なチェコ料理が楽しめる。なかでも、チェコの代表的な料理はニンニクをすり込ませたバゲットと食べる生肉料理「タルタル」、牛肉を煮込んだスープと茹でパン(クネドリーキ)を合わせた「グラーシュ」、豚の丸焼き「ポークナックル」。どれもボリューミーな一皿なので、シェアして楽しむのがおすすめ。
〈Radniční sklípek Liberec〉
公式サイト

リベレツ市庁舎周辺にはレストランが充実しているので、はしご酒をしながらチェコ料理を食べ比べてみるのもおすすめ。たとえば、リベレツ市庁舎から徒歩5分程度にあるレストラン〈Potrefená husa Liberec〉では、日本のユッケのように生卵が添えられた「タルタル」が登場。さらに、4つの飲み方があると言われているチェコビールの注ぎ方のひとつ、泡3:ビール1のシュニットという飲み方にチャレンジ。このクリーミーな泡はチェコでしか味わえない。
〈Potrefená husa Liberec〉
公式サイト

リベレツの南にある海抜1,012mの山〈イェシュチェト〉は、ハイキングやスキー場としても人気のスポット。市内からトラムで行くができ、山頂まではケーブルカーも運行している。山頂にあるモダンなデザインが印象的なテレビ塔がシンボルとなっている。

テレビ塔の中には広々としたレストランもあり、夏はハイキングとセットで楽しむ人も多い。さらにホテルも併設しており、客室からはリベレツの絶景を見渡しながらゆったり滞在することができる。
〈Ještěd Tower〉
公式サイト

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〈イェシュチェド〉から車で30分ほどの場所には、一年中オープンしている城〈スィフロフ城〉とその庭園がある。フランス式ネオゴシック建築のスィフロフ城はかつて、貴族ロハン家の居城として使用されていたが、現在は誰もがアクセスできる城としてチェコ人に愛されている。

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入口から門を抜けていくと、26ヘクタールの広大な庭園が広がり、遠く中央には白い建築が現れる。そこはカフェがあり、地元の人々の憩いの場となっていた。テラス席で過ごすティータイムは、庭園を眺めながらおとぎ話の世界にいるかのような、非日常的な時間が流れる。
〈Sychrov Castle & Castle Gardens〉
公式サイト

世界一長い橋も誕生!壮大な自然を楽しめるスポット

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数々の歴史的建造物があることで有名なチェコだが、ダイナミックな自然を楽しむこともできる。アウトドア初心者にもおすすめなのが、チェコで最初の世界ジオパークに認定された〈ボヘミアン・パラダイス〉。チェコ語で「チェスキー・ラーイ」と呼ばれ、チェコ共和国の景観保護地区に指定されている。
ハイキングコースは急な傾斜もなく、普段運動をしない人も気軽に楽しめる。ゆるやかなハイキングロードには、巨大な岩塊の間が無数の通路となっており圧倒される。

〈ボヘミアン・パラダイス〉の見どころは、道中ある展望台から見渡すフルバー・スカーラ城だ。古く水によって侵食された奇岩の上にそびえる佇まいは幻想的で、市街でみる城や建築とはまた違った感動がある。
〈ボヘミアン・パラダイス〉
Antonína Dvořáka 335, 51101 Turnov
公式サイト

プラハ、リベレツからそれぞれ車で3時間ほどに位置するドルニー・モヴァラへ。年間通して休暇スポットとしても人気のリゾートエリアで、2022年には世界最長のつり橋〈スカイブリッジ721〉が誕生し、さらに注目を集めている。
長さ721m、地上95mの世界一長いつり橋は、一方通行で大人2人が並べるほどの幅。足元が網目になっており、風の強い日には揺れを感じなどスリルが味わいながら、壮大な絶景を楽しむことができる。

さらに、螺旋状のスロープでできた「スカイウォーク」は360度景色を見渡しながら、各々のペースで空中散歩を楽しむことができる。他にも、約3kmコースを最大時速50kmで下山するマウンテンコースターなど、大人から子供まで楽しめるアトラクションがある。
〈SKY BRIDGE 721〉
公式サイト

ロマン溢れるおとぎの国。世界遺産の小さな町テルチ

プラハから120kmほど離れたところにある小さな町テルチ。1992年にユネスコの世界遺産に登録され、イタリア・ルネサンス様式とバロック様式の建築が並ぶ市街広場は、ヨーロッパ最高峰の美しさともいわれている。
このようなロマンチックな景観ができたのは意外にも、昔この町で暮らしていた住民たちが富と社会的地位をアピールするため、美しさを競うように家が建てられていた背景があるそう。現在、建物の中はカフェや土産ショップなどになっており、一般の観光客も気軽に立ち寄ることができる。

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テルチには、ルネサンス建築の傑作ともいわれる「テルチ城」があり、城内の部屋やギャラリーを見学することができる。その周辺は小さな湖や緑に囲まれており、まるでおとぎの国に訪れているかのような景色が広がる。

テルチ城近くの観光案内所にはブルワリーが併設したレストランであり、ランチタイムからディナーまで、作りたてのチェコビールとチェコの伝統料理が味わえる。他にもペンションやスポーツアクティビティ施設などがあり、拠点としながらテルチの町を散策するもおすすめ。
〈Telč〉

チェコ式BBQも体験!暮らすように泊まるペンション〈Apartmány Kocourek〉

テルチから車で30分ほど行くと、壮大な草原に馬や牛が歩いている風景が広がる。その田園地帯にひっそりと現れるのがペンション〈Apartmány Kocourek(アパルトマーニ・コツォウレック)〉。共産主義時代に廃墟になった農園と建物を買い、オーナー夫婦が長い年月をかけてリフォームをし、素敵なペンションへと生まれ変わった。

今回宿泊した部屋は、キッチンリビングと寝室が2つあるタイプ。ファミリーでの滞在や長期ステイができるほど充実した設備も整っている。さらに、ただ綺麗にリフォームされているだけでなく、奥さんのセンスが光る、手の込んだインテリアセレクトにも驚きだ。

夕食の時間になるまでの間、手作りのタルトケーキでティータイムに誘ってくれたり、近くの大自然の中を乗馬体験させてもらったりと、このペンションではオーナー夫婦の”おもてなし”が尽きない。

ここでの食事はチェコ料理を中心にほとんどが手作りで、フレッシュな食材や丁寧に仕込まれたドリンクなどもいただける。ディナータイムには、ソーセージを串焼きにするチェコ式BBQを体験することができる。

ステイ中は、オーナー夫婦との会話も楽しみのひとつ。リフォーム前の写真などが並んだアルバムを開きながら、理想のペンションを作るため、さまざまな国へ出稼ぎを経験したことも話してくれた。
まるで家族のようにゲストを向かい入れてくれる、心温まるペンション。再びチェコへ戻ってきたい理由の一つになった。
〈Apartmány Kocourek〉
公式サイト

今回訪れたエリアのMAP
今回訪れたエリアのMAP

世界遺産の宝庫、チェコ共和国へ

日本からチェコ共和国までは、ヨーロッパや中東で乗り継ぎプラハ国際空港へ。首都プラハへは、バスもしくはタクシーを利用。地方都市へは電車、長距離バスの移動がおすすめ。
チェコ政府観光局

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