OKINAWA SPRING TRIP AREA 3 【首里】琉球王国時代の面影を感じながら古都、首里を散策。
丘の上に佇む首里城を中心に広がる城下町。伝統工芸の工房を見学したり、お菓子を買いに寄り道したり。疲れたらコーヒーやビールでひと休み。
AREA ACCESS
那覇市の北東部にあり、かつて琉球王朝の王都として栄えた地区。世界遺産に登録された首里城や玉陵、金城町石畳道などの観光スポットがあり、伝統工芸の作業場も散在。那覇空港からゆいレール(沖縄モノレール)で首里駅まで約30分。車で約25分。
沖縄の歴史を象徴する文化的な街並みが人気。
首里の「古き良き琉球の空気がまだ流れている」雰囲気に魅せられ、店を構えたのが〈CONTE〉のオーナー夫妻。妻の川口美保さん曰く、首里を堪能するにはてくてく歩くのがおすすめだそう。
「お店が住宅街に点在していて道幅も狭いから、車で巡るよりは絶対に徒歩がいい。古い石垣や石畳、井戸、100年以上経っていそうな大きな木、聖域である御嶽、琉球王国の史跡などもあちこちにあるし、泡盛の酒造所や小さなお菓子屋さんもたくさんある。散歩しているうちに思いがけない景色と出会ったり、琉球の歴史を知ったりするような場所なんです」
2019年の首里城の焼失は記憶に新しいところ。
「そこにあるのが当たり前な存在だったから、喪失感で街が落ち込んでしまって……。立ちあがろうとするなかで、街の魅力について改めて考えるようになりました」
今、新旧さまざまな店が織り交ざってなじんでいるのは、みんなが「この街でどうあるべきか」を考えて行動しているからだとか。
「高台にあるので展望台から那覇が一望できるんです。そこから見る夕日はすごく素敵ですよ」
CONTE(コント)
沖縄の食材を使った料理とここから繋がる物語を提供。
料理人の五十嵐亮さんが沖縄のエネルギッシュな食材をメインに作る料理と、オリジナル焙煎のコーヒーを提供するカフェレストラン。妻の川口美保さんは、東京でカルチャー雑誌を長年手がけてきた編集者でもあり、ここで『CONTE MAGAZINE』の発行や、イベントやライブの開催なども手がけている。店内の物販スペースでは、夫妻とつながりのある沖縄の作家の器や島野菜、調味料などの販売も。
住所:沖縄県那覇市首里赤田町1-17
営業時間:11:00〜16:00LO
定休日:月水休
席数:26席
TEL:098-943-6239
玉那覇味噌醤油(たまなはみそしょうゆ)
琉球王朝最後の味噌蔵としての伝統と誇りを受け継いで。
琉球王朝末期に創業し、現在五代目の玉那覇有紀さんが率いる味噌蔵。湧水が豊富な首里にて、士族屋敷跡に立つ趣のある建物で、家麹(蔵付き酵母)を大切にした手作りの味噌を造り続けている。蒸した丸大豆にシママース(塩)と自家製麹を混ぜ合わせ、発酵・熟成させるという、昔ながらの天然醸造製法。
住所:沖縄県那覇市首里大中町1-41
営業時間:9:00〜17:00
定休日:土日祝休
TEL:098-884-1972
WOLFBRAU(ウォルフブロイ)
自家醸造のクラフトビールと焙煎したてのコーヒーはいかが?
ドイツ人ブルワーが営むビール醸造所。ドイツの「ビール純粋令」に従い、原料に麦芽、ホップ、酵母、水のみを使用した麦芽率100%の本格ジャーマンスタイルのクラフトビールを醸造している。店内では、ドイツ製Probat社の焙煎機で焙煎した自家焙煎コーヒーも販売。
住所:沖縄県那覇市首里池端町34
営業時間:14:00〜19:00LO
定休日:水休
席数:約10席
TEL:098-975-5669
山下珈琲店(やましたコーヒーてん)
隠れ家にしたくなるホッとできる喫茶店。
東京の〈蔦珈琲店〉の味に衝撃を受けたという店主が、妻と営む喫茶店。自家手回し焙煎の豆をネルドリップで淹れるコーヒーが、老若男女問わず評判。メニューには今帰仁の〈atelier cafe bar 誠平〉のシロップを使ったチャイラテや、友人夫妻が営む〈papoter pepin〉の生チョコタルトなども。
住所:沖縄県那覇市首里当蔵町2-42 2F
営業時間:10:00〜16:30LO
定休日:日月祝休
席数:12席
TEL:なし
金細工またよし(くがにぜーく)
旅の思い出に銀細工のアクセサリーを。
王府の抱え職人として守礼門近くで勤めていたまたよし家は、首里で七代続く伝統工芸の継承者。琉球王国解体や戦争によって、伝承の危機にさらされながらも、先代またよしが民藝運動の作家たちに啓発され、結び指輪や房指輪を復元したとか。繊細なモチーフには一つ一つ魔除けや縁起物などの意味が込められている。
住所:沖縄県那覇市首里崎山町1-51
営業時間:10:00〜17:00
定休日:日休
TEL:098-884-7301