日常の謙遜から離れ「無」に包まれる。 【滋賀】1日2組限定、一棟貸の古民家宿が誕生。〈旅籠 八… (わかつ) 〉で過ごすデトックス旅。
安土城の城下町として発展した滋賀県近江八幡市。古くからこの町の歴史を見守り続けた旧喜多邸が築190年という月日が経ち、古民家宿として新たなスタートをきった。古き良きものを残しつつも、センス溢れるおもてなしの宿〈旅籠 八...(わかつ)〉。本当の心地よさを極めた時間と空間で、これまでにない旅を体験しよう。
1日2組限定のプライベート宿で、心も体も空っぽに。
滋賀県の中部に位置する近江八幡市は、歴史的な建物や豊かな自然に囲まれたエリア。最寄り駅からはタクシーで7分ほどでそう遠くないというのに、風の音が心地よい静かな空間。この環境だけでも十分デトックスされます。
“空っぽから世界とつながる”とうたう、何もしないことを楽しむのがこの旅のプラン。センス溢れるおもてなしと、本当の心地よさを極めたプライベートな空間で、自分自身と向き合う時間を大切に。忙しい日々の中で忘れかけていた感覚が呼び覚まされ、気持ちが整理されます。
客室は、八幡堀の四季を感じる一棟貸切の「木の間」と鞍馬石の岩風呂を配した圧感の客室「石の間」の2部屋。今回滞在したのは「木の間」。部屋から眺める庭や八幡堀の景色はとっても綺麗で心が安らぎます。
一面の大きな窓から自然光がたっぷり入り、絵画のような美しい空間に。日が落ちていく様子を眺めるのも贅沢な時間。今日ぐらいはパソコンやスマホを置いて、身をすべて自然に任せ、ボーッとしてみるのも良いです。夕陽を眺めながら1日が終わるのなんていつぶりだろう。
小腹が空いたら部屋に置いてある滋賀の地ビールやジェラート、お菓子をいただき、周辺を散歩するのも。夕食までの時間は自由。
心身をリセットする露天風呂とアメニティ。
部屋は、柔らかなヒノキの匂いに包まれる大きな露天風呂付き。外の心地よい風を感じながら庭を眺め、お湯に浸かり、心も体もたっぷり解放。
室内着やタオル類は、オリジナルで作ったこだわりのものが並びます。室内着は実際に着てみると軽くて動きやすく、肌触りもなめらか。タオルも〈泉州タオル〉特注で、とってもふんわりしていて驚きの使い心地の良さで感動するほど。
注ぐ音に耳を傾けて楽しむ、お茶の時間。
地産のお茶を淹れる、小さな世界に夢中になれる空間。宿に併設している茶房〈氵サンズイ〉では、滋賀で栽培した特別な茶葉を使用したお茶と季節の和菓子を楽しめます。
急須に茶葉を入れてお湯を注ぐ音から、茶器に注ぐ音まで耳を澄ませ、目の前に差し出された時にさらに広がる茶葉の香りを楽しむ。ついつい時間を忘れてしまいそうになる穏やかな空間に浸れる幸せが、ここにはあります。
茶房〈氵サンズイ〉は宿泊者以外もご利用可能。昼はお茶と和菓子の提供、夜は宿泊者限定でバー営業も。
地元・滋賀ならではの食材を楽しむ夕食。
選び抜かれた地産のものをふんだんに使ったとっておきの食事でもてなしてくれる〈日本料理 溜ル〉では、目の前で調理する様子もエンターテイメントとして楽しめます。食事は、滋賀県の水で炊いた白米から始まり、有機栽培無農薬の地産野菜、近江牛、若狭街道を通った魚介など、ほぼすべて滋賀県産のもので提供。地元の特産品を食べることで、体の中にたっぷりとパワーが宿った気がします。
滋賀の地酒たちは、なめらかな喉ごしで後口も良く、軽快さとコクのバランスも良いお酒が多数。どれも料理とのペアリングが抜群で本当においしい。
朝食の時だけ開かれる特別間。
朝食の時間になると、昨晩まで鍵が閉められてい2階の間への階段が開きます。
まずは、お茶と梅干しで体を整えてからスタート。朝、出かける前に梅干しを食べると、その日1日の災難を逃れられるのだそう。続いて茶葉にぽん酢をかけたものをいただいた後、地産食材を使ったおばんざい小鉢、焼き魚などがテーブルに並びます。
2日間を終え、宿を後にした時、固くなっていた心と体がほぐれて軽くなっていたのを実感。普段どれだけスマホやパソコンで猫背気味に体を縮こませていたのだろうか、と改めて知ることに。
〈旅籠 八...(わかつ)〉で過ごした2日間はあっという間でしたが、自然豊かな静かな空間に囲まれおいしい食事をいただき、つま先から頭の中までしっかりデトックス。日常の謙遜から離れ「無」になる、何もしないことを楽しむ旅を満喫できました。
〈旅籠 八...(はたご わかつ)〉
■滋賀県近江八幡市玉屋町6
■0748-36-2745(宿泊予約)
■070-4003-6595(レストラン予約)