発生確率40%の希少な雲海に出会いたい! 自然が起こす奇跡・雲海とリッチな食事で非日常へ。〈星野リゾート トマム〉2泊3日の旅【前編】
北海道のほぼ中央・占冠村にある〈星野リゾート トマム〉では、2006年に雲海を眺めることができる「雲海テラス」がオープン。2020年秋には来場者が120万人に達し、北海道の不動の人気スポットとして国内外から絶え間なく観光客が訪れています。今回は、2泊3日で体験した雲海、食事、季節のアクティビティなどのレポート【前編】をご紹介します!
360度ぐるりと大自然に囲まれたトマム
札幌から新幹線で約100分。トマム駅に降り立つと、目の前に〈星野リゾート トマム〉行きのシャトルバスが止まっていて、15分ほどで到着しました。ここには、全室100 m2 以上でオールスイートの「リゾナーレトマム」(写真左奥)と利便性が良くアクティブに楽しめる「トマム ザ・タワー」(写真中央)の2つのホテルがあります。
どこを見渡しても山と森。にぎわう繁華街がある札幌に比べると、まるで別世界のようです。一気に空気がおいしくなり、何度も深呼吸してしまうほど。
〈星野リゾート トマム〉には敷地内に広大なファームエリアがあり、ヤギや牛などの動物が放牧されています。都心から訪れると、のほほんとしたファームを鑑賞するだけでも十分リラックスできます。
スイートは展望ジェットバス・プライベートサウナつき
今回は、全室がスイートルームで展望ジェットバスやプライベートサウナがついた「リゾナーレトマム」に宿泊。展望ジェットバスからの眺めは圧巻です……! 夜は窓の外が暗闇になり、より一層ラグジュアリーな雰囲気で、セレブのような気分が味わえます。
レポーターは展望ジェットバスが気に入りすぎて、出たり入ったりを繰り返しながら1時間ほど満喫。すぐ隣にサウナがあるため、ジェットバスを水風呂やぬるめの温度にして、サウナから出た直後にジェットバスに浸かるのも至福かもしれません。
お部屋からの見晴らしも良く、そびえ立つ山々は何とも存在感があります。2人用の部屋に宿泊したところ、1人ではスペースを持て余してしまうほどの広さでした。
家族で訪れる人のために設計されたファミリールームも。ゆったり座れる大きなソファがあり、大人数でも十分にくつろげます。旅行ではアクティブに観光したくなりますが、スイートに宿泊したら、お部屋での贅沢な時間も存分に楽しんでみてください。
旬の北海道食材を堪能。イタリア料理のフルコース
今回の旅のなかでも特に印象深い思い出が、イタリアのピエモンテ州やリグーリア州の郷土料理をフルコース(15,730円)で提供するレストラン「OTTO SETTE TOMAMU」(オットセッテ トマム)でのディナー。スマートカジュアルなドレスコードがあるため、ちょっぴりドレスアップして楽しみましょう。
北海道の海の幸・山の幸、季節の食材を惜しみなく使った独創的なイタリア料理は、これまで出会ったことがない組み合わせ・味の連続で、なんとも贅沢な時間を過ごすことができました。
色鮮やかで多種多様な食材や食感が味わえる前菜。「とうもろこしのガスパチョ」や「グリーンピースのフラン」(写真中央上)など、爽やかな後味で夏の始まりを思わせてくれました。
ゲストの食事のペースに合わせて、フルコースの料理が流れるように運ばれてきます。かに、ウニ、牛フィレ肉などの高級食材を使用したメニューが、アートのような皿に鮮やかに盛り付けられ、思わず感嘆のため息が漏れてしまいます。
一つひとつ味付けや食感に凝っているものの、食材が持つシンプルなおいしさはダイレクトに伝わってくる。絶妙に計算されたメニューに、シェフの料理への愛情やおもてなしの心を感じずにはいられませんでした。
デザートは、6種類から好みをいくつでも選べるジェラートと旬の赤肉メロンを使った「メロンのズッパイングレーゼ」。すでに十分な量の料理をいただき、お腹がいっぱいにもかかわらず、スイスイとスプーンが進んでしまうから不思議です(笑)。
トマム牛乳(〈星野リゾート トマム〉内で展開している「ファーム星野」が飼育している牛から搾った牛乳)を使ったやさしい甘さのジェラートも、ジューシーで甘みたっぷりのメロンも夏仕立てで爽やか! 大満足のデザートタイムでした。
さらに、ワイン好きな方にイチオシなのがペアリング(8,500円)。料理一つひとつに合わせて丁寧にセレクトされたとっておきのワインは、料理をより味わい深く、印象強くしてくれた気がしました。
アルコールが苦手な方は、ノンアルコールのペアリング(5,000円)をどうぞ。こちらも独創的で出会ったことがないようなオリジナルドリンクのオンパレード。ワンランクアップしたフルコースを体験したい方は、ぜひお試しください。
「OTTO SETTE TOMAMU」では、2歳〜6歳までの子どもを対象にした無料のキッズサービス(予約制・食事付き)も利用可能。しっとりと大人の時間を過ごしたいご夫婦にも最適です。
トマム観光の主役!4時起きで「雲海テラス」へ
トマムといえば一番の絶景は雲海! 鑑賞には風、気温、気圧などの気象条件がそろうことがマストで例年の発生確率は40%。旅行前に予測するのが難しいこともあり、鑑賞できるか否かは運次第です。
雲海テラスは早朝5時〜8時にオープンしていて、気温が上がると雲海が消えやすいため、5時に頂上に到着するよう4時頃に起床。夜型のレポーターにはツラすぎる試練でしたが(笑)、なんとか身体を起こして現地に向かいました。
新緑がおいしげる山々を眺めながら、ゴンドラに揺られること約13分。標高1,088メートルの雲海テラスから見えたのは、一帯に霧がかかったような、ぼんやりとした風景でした。これは「雲中」といって、雲海テラス全体が雲に覆われている状態なのだとか。
待機中に雲中から抜けて雲海が現れないかと期待しましたが、残念ながらこの日は終始真っ白な景色のまま……。予備日として設けていた翌日は、突然の雷によりゴンドラが運行中止になってしまったのでした。
運が良ければ、自然が織りなす神秘的な雲海が鑑賞できます。ぜひ、その様子をご覧ください!
トマムでは大きく3種類の雲海が鑑賞できます。滝のように雲が流れるダイナミックな「太平洋産雲海」がこちら。圧巻の景色で時が経つのを忘れてしまいそう。
こちらは「トマム産雲海」と呼ばれ、低い位置に雲海が発生するため、リゾナーレトマムやザ・タワーが雲海の中から突き出て、不思議な風景を眺めることができます。
天気が悪いときやこれから天気が崩れるときは、「悪天候型雲海」が鑑賞できる場合も。山にまとわりつくように雲海が広がり、その上にも雲が現れます。
雲海の発生確率は40%とお伝えしましたが、その内訳は、トマム産雲海20%、太平洋産雲海13%、悪天候型雲海7%とのこと。
この8月、雲海テラスはリニューアルを予定しており、全面にせり出したデッキから、より間近に雲海が鑑賞できるようになるそうです。2021年は10月14日までオープンしているので、ぜひ足を運んでみてくださいね!(リニューアル前も鑑賞できます)
雲海テラスのあとは、森を見ながら食事ができる「ビュッフェダイニング hal -ハル-」の朝食ビュッフェへ。イチオシは写真中央にある「フレンチトースト」で、ふわふわの口当たりと軽くて甘いホイップクリームが絶品でした!
ちなみに、レポーターが帰宅した翌日・翌々日は雲海が発生したそう。悔しいけれど、こればかりは仕方ありません。リベンジしようと固く心に誓いました! 後編では、秋まで続く季節のアクティビティをたっぷりご紹介します。ぜひご覧ください!
〈星野リゾート トマム〉
■北海道勇払郡占冠村中トマム
■0167-58-1111
■無休(4月・11月にメンテナンス休館あり)
■公式サイト
※レストランメニューの価格はすべて税サ込み。