時間がある時はじっくり料理をしてみよう。 おうち時間は“じっくり料理”を仕込もう。手間をかけたくなるアレンジ無限大レシピ3選 LEARN 2021.01.10

一度にたくさん作ってちょこちょこ食べられる常備菜、アレンジ自在な調味料、好みの味に仕上げることができるお茶。簡単に作れる割に長く楽しむことができる相棒のような存在は、長いおうち時間をリッチに格上げしてくれます。今回は、作るのに時間がかかるメニューをご紹介します。達成感はもちろん、かかった時間の分だけ愛情もたっぷり!煮込む、漬ける、放置する、時間のかけ方も様々で、それぞれのおいしさを味わえる3つのメニューがずらり。12月28日(月)発売 Hanako1192号「幸せをよぶ、神社とお寺。」よりお届け。

1.白米の食べすぎ注意!こってり味に卵がマッチ。「牛すじと根菜の煮込み」の作り方/煮込む時間…約2時間

「牛すじと根菜の煮込み」

【材料(2人分)】
・牛すじ…250g
・生姜(スライス)…1かけ分
・ごぼう…1本
・にんじん…1本
・こんにゃく…1/2枚
・酒…大さじ2
・砂糖…大さじ3
・醤油…大さじ4
・水…500~600ml

【作り方】
①ごぼうは一口大の乱切りにし、さっと水につけてからザルにあげる。にんじんは一口大の乱切りにする。こんにゃくは一口大にちぎり、熱湯で茹でてアクを抜いておく。

②牛すじを鍋に入れて、かぶるくらいの水(分量外)を加え、中火にかけて15分茹でる。

③②の湯を捨て、牛すじを水で洗って包丁で一口大に切る。

④きれいに洗った鍋に③と水、生姜、酒、砂糖を入れ、蓋をして弱火で40分煮る。

⑤蓋を取り、ごぼう、にんじん、こんにゃくを加え、蓋をして再び20分煮る。

⑥醤油を加えて1~2時間、好みの柔らかさまで煮る。火を止めて冷まし、味を含ませる。

【MEMO】
牛すじ肉の下処理をしっかりとして臭みを取るのがポイント。圧力鍋がなくても、厚手の鍋でじっくり時間をかけて煮込めばトロトロに仕上がります。

2.香ばしさの中に感じる味噌と酒粕のやさしい風味。「豚肉の味噌粕漬け」の作り方/漬け時間…約1日

「豚肉の味噌粕漬け」

【材料(2人分)】
・豚ロース肉(トンカツ用)…2枚
・味噌、酒粕…各大さじ2

【作り方】
①味噌と酒粕を混ぜ合わせる。硬い場合は水を大さじ2程度加え、600Wの電子レンジで1分ほど加熱し、柔らかくしてから混ぜ合わせ冷ます。

②豚ロース肉は赤身と脂身の間に数カ所包丁を入れて筋を切る。

③②の両面に①を塗り、冷蔵庫で半日~2日ほど置く。

④③の表面の味噌粕をヘラで取り、フライパンにクッキングシートを敷いて、その上に豚肉を置き、蓋をして弱火にかける。⑤途中裏返し、中まで火を通す。

【MEMO】
味噌と酒粕のダブル発酵食品で豚肉の風味もアップ。あっさり派は半日、濃い味派は2日漬けて。クッキングシートを使って焼くと焦げ防止になります。

3.しっとりホロホロささみはサラダやおひたしに最適。「余熱茹でささみ」の作り方/放置時間…約30分

「余熱茹でささみ」

【材料(2人分)】
・鶏ささみ…4本
・長ねぎの青い部分…1本分
・生姜(スライス)…1かけ分
・酒…大さじ1
・塩、こしょう…各少々
・水…500ml

【作り方】
①ささみは筋を取り、塩、こしょうを振って10分ほど常温に置いておく。

②直径20cmほどの厚手の鍋に水、長ねぎ、生姜、酒を入れて沸騰させ、①を入れてすぐに火を止め、蓋をする。

③30分ほどそのままにしてからささみを取り出して手で裂く。

④お好みのタレなどをかけて完成。

【MEMO】
蓋がピタッと閉まる鍋を使って熱がもれないように注意。鶏のだしがたっぷり出た茹で汁に、刻んだ長ねぎや溶き卵を加えれば、絶品スープのできあがり。

時間があるからこそゆっくりじっくり料理と向き合う。

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いつもだったら料理はパパッと作って食べて、仕事をしたり、趣味の時間を楽しんだりしてしまいがち。でも、時間があるときはパパッとを封印して、じっくり料理をしてみると、まるで食べ物を育てているような新しい感覚に気がつきます。例えば、煮込み料理は煮込めば味がしみてお肉がやわらかくなるし、漬物は時間が経てば経つだけ素材に味が入って、風味や食感が変わってくる。手間や時間をかけて成長した食べ物をおいしくいただく、そう考えるのは新鮮ですよね。

また、常備菜やソースなど、たっぷり作って自分なりにアレンジしながら「今日はこう食べよう、明日はこの味に変えよう」、そんな考えがワクワクをもたらすし、毎日の献立もワンランク上のものに。時間をかけて料理をすることで「この味、意外と好きかも」「こうすれば飽きずに食べられる」など、自分のまだ見ぬ一面を見つけることもできます。
市販品は手軽だけど、時間があるときは素材の味を引き出しながら、一から作るのもおもしろく、時間を忘れてしまうほど。そのスペシャルな逸品がおいしかったら、いつか大事な人に食べさせてあげようと思う時間も素敵ですね。

Navigator…黄川田としえ(きかわだ・としえ)

雑誌のレシピ考案やテレビ出演と、多方面で活躍する料理家。食育インストラクターとして、ワークショップも開催。

(Hanako1192号掲載/photo : Shintaro Yoshimori, Yoshihito Ishizawa, Hiromi Kurokawa styling : Chie Hosonuma, Tomomi Tanuma model : Maiki Kimura food coordination : Toshie Kikawada illustration : Ema Mori, Takeshi Tomoda text : Emi Taniguchi ,Aya Honma, Momoka Oba cooperation : AWABEES, UTUWA)

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