ハワイ移住者によるローカルハワイ案内。 スコーンが絶品!マノアの〈フェンドゥ・ブーランジェリー〉へ。【ハワイ通信 Vol.6】
グリーンカードの当選後、念願叶ってハワイに移住した雑誌&書籍編集者の椎名絵里子さんによる、全8回のハワイ通信。観光情報はもちろんですが、普段のハワイでの生活がなんとなく分かる、日々の暮らしの中で見つけたあれこれを、ローカル目線でご紹介。第6回は、ロコの偏愛ベーカリー。
ロコに混じって出かけてほしい、偏愛ベーカリー。
ハワイ暮らしの中で、1、2番を争うほど出かけているお店は、きっとここではないかというベーカリーが、マノアにある〈フェンドゥ・ブーランジェリー〉。ワイキキから車で15分くらい、こぢんまりとしたショッピングモールの中にある小さなお店なのですが、常に行列ができています。
スコーンをとにかく食べてみて!
こちらのお店もまた、3回目にご紹介した〈フォートルガー・マーケット〉のように、そんなに日本の方には爆発的な人気とはなったりしないのですが、もう、食通の方にも自信を持ってオススメしたいお店なんです。
そんなわけで、お客さんはもっぱらローカル。バケットからスイートブレッド、クロワッサン、ピザにパニーニ、サンドイッチ、ケーキまで、それぞれのお客さんごとに狙いの品があり、それらを目がけて、朝から列に並んでいます。
店主のニールさんは、ニュージャージー出身。有名な製菓学校を卒業し、パティシエとしてのキャリアをスタートさせました。メインランドで働いたのち、ラナイ島の〈フォーシーズンズ・リゾート・ラナイ〉のオープン時より、エグゼクティブ・ペイストリー・シェフとして18年半勤務。マノアにお店をオープンさせたのは2009年のこと。
アメリカでペイストリー・シェフのレジェンドとして知られる、故アルバート・クミン氏とも長く働いていたという、かなりの経歴をお持ちの方なんです。そんな凄腕シェフが作り出すパンやデザートはどれも最高。現在は息子さん2人もお店に入り、長く働くスタッフさんとともに、ご家族でお店を経営をされています。
ちなみに、ラナイ島にもお家があって、週末はそちらに帰るというライフスタイルだそう。なんだか羨ましい。
そんな贔屓にしているお店でのわたしのおすすめは、断然スコーン($1.30)。2人暮らしなのに一度に1/2ダース(6個)は買って、買ったそばから車の中で食べるほど。翌日食べてもしっとりしている優秀なスコーンなのです。
イングリッシュスコーンと呼ばれるタイプで、小さく四角いカタチ。高品質のバターと生クリームをたっぷり使うのがしっとりとした食感の秘密。毎日300個近くが売れていくというから驚きです。昼過ぎには売り切れてしまうこともあるので、早めに行くことをおすすめします。夕方に出かけてしまって買えなかったことは一度や二度ではありません。大量買するお客さんも多く、目の前で買い占められて売り切れてしまったことも。。涙
サンドイッチやケーキもチェック。
偏愛はスコーンですが、サンドイッチやピザもまた美味しくて。普段コメ派なのに、ニールさんのパンだけは食べたくなるという不思議。
サンドイッチであれは、グランド・ワギュウ・ビーフ($13.50)をぜひ試してみてください。その辺のグルメバーガーを黙らせる味わいです。
ジューシーなUS和牛に合うように、バンズは肉汁が染み込むラスティックなパンを使用、そちらにハワイアンソルトとペッパーでシンプルに味付けたパテ、マノアレタスなどのグリーン、トマト、そしてマヨネーズとスイートオニオンのソテーが口の中で融合しますと。。。「うまっ!」となるのです。この前お連れした日本から来た撮影クルーの皆さんも一同絶賛されてました。
サンドイッチが注文できるのは11時からになります。注文が入ってからパテを焼くため、15分ほど待ちますが、そんな待ち時間も気にならない味なのですよ。ニールさんのおすすめの焼き加減はミディアムレア。ジューシーさを味わってほしいといいます。
ペイストリー畑で長年勤められているニールさんですから、ケーキもお手のもの。一番人気はリリコイ・チーズケーキ($5.25)。マスカルポーネとクリームチーズのバランスが素晴らしく、リリコイの爽やかさを引き立てます。でも、チョコレートのムースも、洋梨のタルトも、バナナブレッドも何食べても美味しいですから、ピンと来たものを試してみてくださいね。ハワイで繊細な味わいのケーキを食べたい時は、この店に限ります。
イートインスペースは、お店の外にあるテーブルになります。その場所で食べてもいいですし、持ち帰りももちろんOK。個人的な定番コースは、近くにあるマノアの人気店〈モーニング・グラス・コーヒー〉でラテを買って、こちらのパンやサンドイッチとともに持ち帰ること。帰りの車内は幸せの香り。
バケットやスイートブレッドなどの大きなパンは、ホテル滞在だと買いにくいかと思いますが、焼かずにそのまま食べても美味しいので、パン好きの人でしたら試してみてほしいです。早朝から営業してますので、帰国日の朝に立ち寄って買うのもアリですよ。
今回紹介したお店〈フェンドゥ・ブーランジェリー(Fendu Boulangerie)〉
■2752 Woodlawn Dr., #5-119, Honolulu(マノア・マーケットプレイス内)
■808-988-4310
■7:30〜19:00、日〜15:00(※サンドイッチは11:00から)
■無休
■駐車場:マノア・マーケットプレイスの無料駐車場を利用
Photos : Etsuro Sakaue