夫の「ちょっと呑んでくるね」にイラッ!がなくなった、我が家流の解決策|モデル asacoの4回目の育児 – fourth time around
この連載は…… モデルとして雑誌やCMに出演するいっぽう、子ども服ブランド「kitutuki」のディレクターとしても活躍中の asacoさんの連載。実は5月に4人目のお子さんを出産したばかりのasacoさん。4人目育児ってどんな感じ?家族の関係は変化した?家事やお仕事は?などなど、にぎやかな家族の日常を綴ります。
vol.5 子どもたちが仲間になるということ
子どもが生まれて、それまで夫婦二人だった生活がガラリと変わった。親になると少なからず誰もが感じる事だと思いますが、私にとっての一番の変化は、気軽に夜の外出ができなくなったことでした。もともと主人(以下、政治くん)も私も散歩が大好き。あてもなくフラっと夜の街に繰り出して、缶ビール片手に公園で語らったり、赤提灯に誘われてみたり。夫婦の楽しみでもあったそんなひと時は、長女が生まれてからは授乳にオムツ替え、沐浴や寝かしつけに奮闘する時間へと変わってゆきました。
右も左も分からない初めての育児はいつだって不安と隣り合わせ。今はフリーランスな政治くんも当時は会社勤めで、日中はほぼ娘と2人きりだった私はそれこそ昼間誰とも話さないなんてしょっちゅう。仕事から帰ってきた彼との会話だけが心の拠り所だったりしました。そんな折に、今夜ちょっと呑んでくるね、なんて軽々しく言われると、何でアンタだけ!カァーッと怒りが込み上げてつい声を荒げてしまう事もしばしば……、しかも我が旦那、お酒大好きで大抵飲み過ぎてしまうので、やっと子どもの寝かしつけも終えてひと段落した頃に帰ってくる酩酊旦那に溜息が漏れる日々。長女が生まれてからの喧嘩の原因はほぼ「政治くんが呑みに行くこと」だったように思います。
そもそも、彼はとっても家庭的です。まずお料理はお手のもの(本業は音楽家&ナレーターで、現在マフィオという名前でフード業もしています)その他諸々の家事も難なくこなし、子どものお世話だって何から何までやってくれる。そう、私にとって、精神的な拠り所であると同時に、何よりも戦力になる日々のパートナーなワケで、だからこそ、1日の中で最もバタバタする夕方からの時間を共に過ごせるのは非常に心強いのですが、それが「呑み」と言う理由で覆されるとただただ腑に落ちない、という具合でした。
そんな私と折り合いをつけるため、彼が模索して編み出した解決策が
「お友達を家に呼ぶ」
普段の授乳やオムツ替えもゲストと話しながら楽しくこなせて、寝かしつけの際は良きタイミングで寝室へGO。いつもの我が子とのタイム感をそのままに、私も一緒になって友人との時間を堪能できるのはとっても新鮮で、何より政治くんも気兼ねなくお酒が楽しめる!(おそらくココが一番のポイント)これは長女が10歳になる今も続いていて、いつしか我が家流スタイルとしてすっかり定着したのでした。
ちなみに、楽しめるのは親だけじゃありませんよ〜〜 いつの間にかその魅力は子供たちにも伝染して「今日は誰が来るの?!」が口癖に(笑)。私が幼い頃、夕食の時間に親のお友達が訪ねてくるだなんて1度でもあっただろうか……みんなで食卓を囲んで過ごす賑やかな夜は、大人だけでなく、我が子たちにとっても特別な時間になっているようです。
とは言え、政治くんだってたまには外で飲みたい時もあります。5月に第4子が生まれて、里帰りもしなかった私を常に支え続けてくれた政治くん。いいよいいよ、行って来なよ〜。労いの気持ちを込めて笑顔で送り出したいものの、また酔っ払って帰ってくるであろう彼を想像してはやっぱり憂鬱な気持ちになってしまう……。その繰り返しだったのが、最近やっと、そこから抜け出せた自分に気付いたのです。行っておいで〜と、ついに笑って言えてるじゃないか、私! でも何故、、何故に吹っ切れたのだろう。。。
その理由は、すぐそこにありました。
「父ちゃん、今日もまた酔っ払って帰ってくるんだろうね」
「本当、どうしようもないよね〜」
私の隣で、父親の今宵の飲みっぷりを思い描いて苦笑する我が子たち。……な、なるほど。いつの間にかさほど手もかからなくなり、私の気持ちまでも共有してくれるようになったこの方々のおかげか。仲間ができるって偉大。
子どもたちが幼い頃は、思うようにいかない子育ての愚痴を旦那にこぼし、大きくなった子どもたちとはどうしても飲み過ぎる旦那を共に憐れみ……。月日の流れと共に、隣で頷いてくれる家族が変わっていくのもまた不思議で面白いもんです。まだニコニコとバウンサーの上で飛び跳ねる生後5ヶ月のかぜおくんも、いつの日か酔っ払い父ちゃんを一喝してくれるようになるのかな。