働く時間と子どもとの時間、両方があってこそ。保育園生活、10年目がスタート|モデル asacoの4回目の育児 – fourth time around
この連載は…… モデルとして雑誌やCMに出演するいっぽう、子ども服ブランド「kitutuki」のディレクターとしても活躍中の asacoさんの連載。実は5月に4人目のお子さんを出産したばかりのasacoさん。4人目育児ってどんな感じ?家族の関係は変化した?家事やお仕事は?などなど、にぎやかな家族の日常を綴ります。
vol.17 「悩んだ末に始まった保育園生活、10年目がスタートしました」
4月。新しい元号も発表されて、気持ち新たに始まった新年度。我が家は長女がついに小学校6年生になり、4年生の息子と一緒に登校できる最後の1年が始まりました。と同時に、保育園チームも一緒に登園できる唯一の1年がスタート。年長さんに進級したスイちゃんと、無事0歳児クラスに入園が決まったかぜおくん。晴れて2人での登園が叶ったのが、まさに原稿を書いている”今日”でした。一足遅い初日を迎える私たちを待ちわびるかのように、まだまだ華麗に咲き誇る桜の花を見上げながら、エルゴでかぜおくんを抱っこして、すいちゃんと手を繋いで歩いた初登園の朝。この光景をいつか懐かしく思い出す日が来るのかと思うと、年々涙腺が緩み続けている私はそれだけでじーんと、胸が熱くなります。
ところで皆さま、0歳児クラスには保育園初日から「慣らし保育」というミッションがあるのをご存知でしょうか。まだ小さな子供たちを徐々に園生活に慣らしていくために、数週間かけて園で過ごす時間を少しづつ伸ばしてゆき通常生活へ促す、いわゆる”準備期間”のことで、園によっては0歳に限らず実施しているケースもあるのでは。ちなみに、我が子たち4人とも保育園に通わせていながら、実は今回初めてこの「慣らし保育」を体験することになった私。初日は登園して1時間、かぜおくんと一緒に0歳児のお友達とお部屋で過ごすと聞いていました。すなわち、この時期の0歳児クラスの実態を初めて目の当たりにする事になったのですが、結果から言いますと、部屋に入って数秒で「え。」と動きが止まるくらいの衝撃を受けました。とにかく部屋中がカオス。あっちの赤ちゃんもこっちの赤ちゃんも、みんな泣いてるー!って状況で、何故か無意味に私が焦るという…。先生、私も何かお手伝いしましょうか、と思わず喉から出かかるも、ふと冷静に部屋を見渡すと、慌ててるのは私だけ(笑)どの先生もとっても冷静且つにこやかに、子供たちをあやしているのです。前に一人抱っこ、後ろに一人おんぶを基本スタイルに、次々と泣く子を黙らせるその様はまさに神業。極め付けに、とある先生がお歌を唄いながら抱っこしていた赤ちゃんが、ものの数分でクゥーと寝息を立て始めたのを見た時にはマジで鳥肌が立ちました。プロってすごい!
とは言え、今でこそ4人目も躊躇なく0歳から保育園に預けている私ですが、思えば長女が生まれて、初めての育児が始まった頃、当時は「3歳までは私が育てる!」と頑なに心に決めていた自分がいました。第一子だったこともあって、いつだって我が子の側に居ることを最優先。何より、それが子供にとっても一番の幸せに違いないと信じていました。
でも、来る日も来る日も娘と向き合う日々の中で、正解が見えない育児の負のループにはまってしまった私は、いつしか心のバランスを崩してしまうことになります。もしかして、私には子育てだけの毎日が合わないのかも…。本当は仕事復帰したいのに、知らず知らずのうちにその気持ちを封印している自分に気づき、思い切って保育園という未知の扉をノックすることを決意したのです。娘は運よく1歳児クラスに入園が決まって、我が家初の保育園生活がスタート。最初はどこか、我が子に引け目を感じることもあったけれど、仕事を始めたことで私自身が活き活きと変わっていくのが嬉しかった。娘に向き合うことに必死で、自分を見失っていたんだなぁハっとした瞬間でした。
あれから約10年。わたしが4人も子供を産もうと思えたのも、仕事しながらの子育てを全力で後押ししてくれた保育園のおかげと言っても過言ではありません。まだ子育てに思い悩むこともたくさんあるけれど、育児だけだったあの頃の苦しみに比べたら何のその。私が日々元気いっぱいに過ごせるのも、働く時間と子どもたちとの時間、両方があってこそだよなぁとしみじみと感じる今日この頃です。
今年新たに入園した0歳児のかぜおくんが卒園するのは、なんと2026年。通算16年間も保育園にお世話になる予定の我が家ですが、今年はどんな一年になるのか。…ドキドキ。
ひとまず慣らし保育初日は、最近お得意の高速ずり這いでおもちゃを追いかけ回し、終始ニコニコと楽しそうに過ごしていたかぜおくん。帰り際、園の小さなおトイレでおしっこも試してみたら見事成功し(おむつなし育児の成果!)先行きの良いスタートを切ることができました。
でも、帰り道はエルゴの中でコテっと爆睡。帰宅後も、上着を脱がせるのも可哀想なくらいスヤスヤと眠り続けていました。全然平気だぜ〜と見せかけておいて、実は初めての場所で少々気が張っていたのかもしれません。
そうやって、日々我が子の小さな成長を見つけては目頭が熱くなる…。始まったばかりのこの4月、泣き虫な私がうっかり涙をこぼしそうになる瞬間は、まだまだたくさん潜んでいそうです。