毎日お茶わん約1杯分のごはんを捨てている?! まだ食べられるものが捨てられてしまう食品ロスについて考えよう
便利で豊かな飽食の時代に起きている日本の現状を理解し、私たちがこれからできることを考えていきましょう。
もったいない!
・冷蔵庫の奥の方から期限切れの食品が出てきて廃棄した
・キャベツや大根などの大きな野菜を使い切れずに捨ててしまった
・パンや果物や乳製品など、食べきる前に腐っていた
・夕食のおかずを家族が残したので廃棄した
・会社や友達との飲み会の場で注文しすぎて食べきれずに残してしまった
誰でも何らかの経験があるのではないでしょうか。
便利で豊かな飽食の時代に起きている日本の現状を理解し、私たちがこれからできることを考えていきましょう。
日本の食品ロスの実態
本来食べられるにもかかわらず、廃棄されているもののことを「食品ロス」又は「フードロス」と言います。
日本では、まだ食べられるのに廃棄されている食品は年間約643万トンで、国連による世界の食料援助量約320万トンの約2倍に相当します。
また、食品ロスの量を国民1人1日当たりに換算すると、1日に約139gでお茶わん約1杯分のごはんの量に相当します。
世界では飢餓で苦しんでいる子ども達がいる一方で、私達日本人は毎日お茶わん1杯分のごはんを捨てているのです。
どうして食品ロスは発生してしまうのか
レストランではお客が残した食事を全て廃棄します。
スーパーでは期限が切れる前でも、期限が迫った商品は棚から撤去し廃棄します。
食品工場では印字不良や重量オーバーなどの規格外品を、中身はまだ食べられるものでも廃棄します。
家庭では野菜や果物などの過剰除去や、作りすぎによる食べ残し、腐敗や期限切れ食品を廃棄します。
私達の生活の色々なところで起こっている食品の廃棄が、毎日お茶碗1杯分の食品ロスにつながっているようです。
食品のもったいないを無くす取り組み
食品ロスを無くすための取り組みも行われています。
賞味期限が3か月を超える食品については、年月日表示から年月表示に変わってきているのをご存知でしょうか。
品質の劣化が早い食品に設定されている「消費期限」は安全に食べられる期限で、年月日表示が必要です。
一方で、品質の劣化が比較的緩やかな食品に設定されている「賞味期限」はおいしく食べられる期限で、期限をすぎても直ちに食べられないということではありません。
この様な食品の賞味期限の表示を年月表示にすることで、まだ食べられるのに賞味期限が1日でも過ぎてしまうと捨てられてしまう食品ロスを防ぐ目的があります。
また、流通段階でメーカーの商品をスーパーなどの小売店に納入する際に、日付順に納入しなければならないという慣習があり、以前に納入した商品より1日でも賞味期限が古いと納入できず廃棄されてしまうという食品ロスを防ぐ目的もあります。
私たちにできること
食品ロス問題は他人事ではなく、私達一人ひとりが考えて実行すべき問題です。
まずは小さなことからコツコツと、私たちにできることから始めていきましょう。
・空腹時にスーパーには行かず、不要なものを買いすぎないようにする
・スーパーでは賞味期限の長いものを棚の奥からとらない
・冷蔵庫の中は詰め込みすぎず、中身を把握しておく
・野菜や果物の皮はできるだけ薄く剥く、又は皮も美味しく調理して食べる
・レストランでは頼みすぎないようにして、提供された食事はすべて食べる
・家庭の食事も作り過ぎないことと、余った場合は他の料理に作り替える
まだ食べられる物を捨てるのは、気持ちの良いことではないはずです。
食べものへの感謝の気持ちを忘れずに、私達一人ひとりができることから着実に進めることが大切です。