第7回 写真家・田尾沙織の『Step and a Step』500gで生まれた赤ちゃん 【田尾沙織のStep and a Step・7】遊具で遊ぶ大切さ
写真家・田尾沙織さんに、500gで生まれて、軽度の知的障害とADHDだと言われている息子、奏ちゃんの子育てと日常について綴っていただくこの連載。
2人の日常を、田尾さんによる色鮮やかな写真と共にお届けします。
奏ちゃんは精神運動発達遅滞といって、精神面と運動面の遅れが出ています。
3歳の時は1年10ヶ月くらいの遅れと言われていたものの、5歳になった現在では10ヶ月くらいの遅れということで、だいぶ同い年の子どもたちとの発達の差も縮まってきました。それでも5歳児なのに、まだ指の分離が上手くできず、ピースができなかったり、三輪車がこげなかったりしています。
療育センターの作業療法士さんが言うには、最初に体の芯が発達して、それから指先など末端が発達するそうです。
奏ちゃんは週2回通っているグループ(集団療法)の他に、月に1回作業療法に通っています。作業療法士さんの指導の下、クライミングの壁を登ったり、トランポリンを跳ねたり、ブランコみたいなものに落ちないようにしがみついて乗ったり、吊り橋みたいに揺れる不安定なうんていの上を歩いたり、飛び石みたいに置かれた丸いマットの上をジャンプで進んだりする練習をしています。
いつも奏ちゃんは大興奮で、楽しくクラスを受けています。
子どもが公園で遊ぶようになる前までは、公園の遊具はただ「高い所に登れて楽しいんだろうな」とか、「揺れるのが楽しいんだろうな」くらいにしか思ったことがなかったのですが、療育に通うようになって、体の使い方を練習するための療育の道具は公園の遊具と根本的には同じだと気がつきました。
体の芯を鍛えるために揺れる場所を歩いたり跳んだり、指の力をつけるために登ったり。遊具は子供の体を作るためによく考え作られていて、「考えた大人はすごいな」なんて思うようになりました。
そんなことに気がついてから、一層外遊びをたくさんさせてあげなくてはと考えるようになり、時間があれば公園へ行って思う存分遊具で遊んでもらっています。
とはいえ、冬の公園は寒い…。まだ暖かい日でも日が暮れるのが早すぎて、すぐ日陰になってしまって寒い…。そんな寒い日がまだ続きますが、ママさんたち外遊びの付き添いがんばりましょう。
早く春が来て欲しいですね。