ハワイ移住者によるローカルハワイ案内。 ロコが愛するジェネラルストア、〈Fort Ruger Market〉のポケボウル。【ハワイ通信Vol.3】
グリーンカードの当選後、念願叶ってハワイに移住した雑誌&書籍編集者の椎名絵里子さんによる、全8回のハワイ通信。観光情報はもちろんですが、普段のハワイでの生活がなんとなく分かる、日々の暮らしの中で見つけたあれこれを、ローカル目線でご紹介。第3回は、地元住民から愛されるジェネラルストアのポケについて。
ローカルに混じって買い物すれば、素顔のハワイが見える。
3回目に紹介するのは、地元住民に大人気のポケやハワイ料理、フィリピン料理を出す、昔ながらのジェネラルストアです。
ポケが有名なお店をなぜ紹介するかというと、わたし自身、ポケが大好きで、観光客としてきていた時も、移住してからも、かなりの量のポケを食べています。中でも、すっごく美味しいのに、あまり日本には紹介されず、人気にならないのはナゼ?と思うのが、このお店なんです。
現地の人が愛する味があれこれそろう店。
お店の歴史は古く、オープンは1936年。建物はハワイ州の歴史的建造物に指定されています。現在のオーナーさんは6人目、昨年から店を引き継いだ方ですが、以前のスタイルを守ってらっしゃいますし、スタッフさんも長く働いている人ばかり。常連のお客さんも多いんです。
味のある店内では、スナックやジュース、お酒なども扱っていますが、ほとんどのお客さんが目当てにしているのは、ショーケース越しに注文する料理の数々。みなさんお気に入りをめがけて買いに来て、さっと帰るか、お店の外のベンチで食べているかという感じです。
「お昼過ぎにはポケがなくなっちゃうから、午前中に来てね」と言われて9時に向かったのですが、その時間でもすでに、ポケは少なくなり始めていました。最近ラインナップに加わったというユズ味やジンジャー味のポケ、定番のハワイアンスタイルにワサビ味と、ローテーションで毎日7〜8種類が並びます。
ポケに使うのは、仲買人さんが競り落とした生のマグロ。ビッグアイツナという身に脂が乗った種類のマグロを一尾丸ごと仕入れ、決して冷凍はしません。
「ポケボウル」($12.95)として購入する時には、ベースは白米か玄米、酢飯(「スシライス」とこちらでは呼びます)、オーガニックグリーンサラダの4種類から選び、ポケは2種類までチョイスしてOK。
私がもっぱら買っているのは、このポケボウル。写真は新作のユズボムとジンジャーポケ。ユズボムはユズ味のマサゴがあえてあります。ジンジャーポケは生姜をおろしたものがたっくさんのっているので、最後はごはんと混ぜて食べるのがお気に入りです。
「シンプリー・アメイジング・ポケボウル」($13.45)という豪華版もありまして、こちらは、通常盤と同様ベースを選んだら、ポケ、ポーク、サイドをそれぞれ1種類ずつ選べます。ポークはレチョンポーク、カルアポーク、アドボポークなどのフィリピン料理やハワイ料理の定番のお肉料理、サイドはロミサーモン、キムチ、マカロニサラダなど、こちらもローカルが好きなラインナップ。
写真は、ルガーリシャスという名前の甘辛いポケとレチョンポーク、ロミサーモン。かなりのボリュームなので、胃袋に自信のある方にオススメしたいです。
※ポケボウルの値段はMarket Priceに応じて変動する場合あり。
レチョンポークって初めて聞く方もいるかもしれませんが、中国とフィリピン由来のお肉料理だそうで、豚バラ肉を茹ででから揚げたもの。旨味が凝縮したお味です。よほど売れると見えて、朝からすごい量がスタンバイしているのは写真の通り。
毎週金曜日はスモーク・ミート・フライデーといって、自家製スモークも並びます。お店の外にあるミニ小屋で、ハワイの木であるキアヴェの炭を使い、お肉をスモークするのですが、これも常連さんの好物。例えば、甘じょっぱくほろほろのスモークチャーシューは「はい、ビールのアテにぴったりです」というお味。ポケもですが、気になるものは試食できるので、スタッフさんに声をかけてください。
ハワイ料理も扱うお店ならではのフレッシュなポイ(タロイモを蒸してすりつぶした伝統料理)は、月、水、金曜の午後に新しいものが並びますよ。取材時も「今日の分のポイ」はないの?と質問している常連さんが。「午後には店頭に出すから〜」というやり取りがされていました。「え、ポイって酸っぱくてまずいやつでしょ?」という方は、一度作りたてのポイを食べてみていただきたいです。すりつぶした後時間が立つほどに酸味が出るので、作りたては酸っぱくないですし、美味しいですよ〜。個人的にはハウピア(ココナツプリン)にポイを絡めながら食べるのがおすすめです。
お店があるのはダイヤモンドヘッドの麓。人気があるモンサラット通りにあるトロリーの停留所から徒歩10分くらいの立地です。モンサラットに行く予定があるという方、ちょっと足を伸ばして、ローカルの好む味を体験してみてはいかがでしょうか。
次回は、皆さんの大好きなスーパーに関して、深掘りしてみたいと思います!