あの紅茶、実はこんなスイーツと相性が良いんです。 おやつの時間がもっと楽しみになる。人気料理家に聞いた、紅茶とスイーツのおすすめペアリング3選
世界で幅広く飲まれ、お菓子との化学反応によってさまざまな国の文化を味わえる紅茶。今回は紅茶とお菓子のベストペアリングを、人気料理家・坂田阿希子さんがナビゲート。さらに、ふだんのお茶の時間の過ごし方とお気に入りの茶器も教えてもらいました。
1.モロッコのお茶の時間をイメージして。
「ミントが香る緑茶ベースの『カサブランカ』には、モロッコ風の甘みの強いお菓子を。この『生クッキー』は、マジパンやガナッシュを使った甘さがまさにぴったり。私はこのお茶に、さらにフレッシュミントを足すことも」。しっとりとした食感が新鮮なクッキーは、一つ一つ異なる味わいも魅力。「カサブランカ」はその名が示す通り、モロッコ産のミントが香る緑茶とベルガモットの紅茶をブレンド。「生クッキー」10個 3,000円(デメル・ジャパン 03‒3839‒6870)/「カサブランカ」100g 2,300円(マリアージュ フレール 銀座本店 03‒3572‒1854)
2.“変わらないのが魅力”のスタンダードな味のコンビ。
「クッキーのレシピはたくさんあるけれど、こんなに素直で懐かしい感じのクッキーは、もう自分では焼けない気がします。そんなお菓子には、昔からスタンダードに飲まれている〈リプトン〉の“青缶”。どちらもクラシックな魅力があります」。クッキーは型抜きや絞り出しなど、13種の詰め合わせ。1907年に日本で初めて発売された紅茶は、日本人好みにブレンドされ、通も一目おくほど。「御進物用 クッキー」3,241円(ローザー洋菓子店 03‒3721‒2662)/「リプトンエクストラクオリティ セイロン」110g 845円(ユニリーバお客さま相談室 0120‒238‒827)
3.甘いフレーバーのお茶とレモンの酸味が調和する。
「生地にレモンを練り込んで焼いたケーキのほのかな甘酸っぱさと、キャラメル・フレーバーの甘い香りのお茶。この二つが合わさると、ちょうどいい甘さになるんです。私にとっては、どこかフランス的な味の組み合わせ」。“週末”に大切な人と食べるためのケーキは、シンプルなのにとてもリッチな味わい。パリの高級食料品店のオリジナルブレンドティーは、上質な茶葉とフランスらしいフレーバーも人気。「ウィークエンド」1,800円(オーボンヴュータン 03‒3703‒8428)/「キャラメル・フレーバー・ティー」50g 900円(伊勢丹 新宿店 03‒3352‒1111)
紅茶を丁寧に淹れることが、日常の自分に戻ること。
坂田阿希子さんとおいしい紅茶の関係は、彼女が菓子店で働いていた頃にさかのぼる。
「店に併設されていたティールームで、ロイヤルミルクティーの本当においしい淹れ方を教わり、紅茶の魅力を改めて知りました」
お菓子と紅茶のペアリングを味わうには、おいしい紅茶を淹れることが大前提。カップとポットを温め、茶葉にお湯を注ぎ3分待つ。安い茶葉でも高い茶葉でも味が格段に違う。
「旅先でも、その土地の紅茶を買って部屋で飲みます。紅茶を淹れて飲むという一連の行為で、自分の部屋にいる感覚になり、緊張がほぐれるんです。それに牛乳の味も国によって違うので、ミルクティーが好きな私には、その味わいの違いも面白いんです」
そんな坂田さんが提案してくれた紅茶とお菓子のペアリングは、彼女が旅した土地の味やスタイルまで疑似体験させてくれる。
(Hanako1170号掲載/photo : Naoki Seo text : Naomi Yokoyama (cat) edit : Seika Yajima)