Hanako Beauty「あのコスメが生まれた理由」第5回 自然派コスメをつくる〈ロクシタン〉から、世界中の女性の美しさをサポートする「シアシリーズ」が生まれた理由。
Hanako本誌連載「Hanako Beauty Skin Care あのコスメが生まれた理由」を掲載。第5回は、〈ロクシタン〉から発売された、世界中の女性の美しさをサポートする「シアシリーズ」をコスメが生まれた背景とともにご紹介します。
美しくなれるうえに人助けもできるうれしいコスメ。
顔はもちろんボディやヘアにネイルなど、全身に使える保湿アイテム「シアバター」が〈ロクシタン〉から発売されたのは1989年のこと。以来ラインナップを広げ、今や「シア」シリーズ全アイテムの累計販売個数は1億個を突破。世界中で愛される大人気シリーズになっている。
そんなシアと〈ロクシタン〉との出会いは、まさに運命的。物語は1980年、アフリカの空港から始まる。〈ロクシタン〉の創設者、オリビエ・ボーサンは、飛行機への搭乗を待っていた。するとそこで知り合った人から、興味深い話を耳にする。
「西アフリカのブルキナファソには、女性だけが触れる神聖な木〝シア〞が生えているんだ。現地の女性たちは、シアから採れるシアバターを売って暮らしているんだよ」
その話に心惹かれたオリビエは、すぐに帰国便をキャンセルし、現地へ飛んだ。「ブルキナファソは乾燥や紫外線が強く、肌に厳しい土地です。それでも保湿力の高いシアバターを使うことで、現地の人々が美しいツヤ肌を保っていることに、オリビエは驚きました。そこで、ブルキナファソのシアを使い、コスメを開発することにしたのです。潤いを守りながら肌を優しく洗い上げるソープ、しっとり柔らかな肌を保つハンドクリームやシアバターは、その代表格です」(ロクシタンPR・齋藤麻衣さん)
ブルキナファソで、シアと現地の豊かな文化にも触れたオリビエは、人々の生活を守ることも決意する。「シアバターは、現地で伝統的な製法を守って作られています。価格は、市場の約2倍。収穫前に80%の賃金を支払い、生活を保障しています。そんなフェアトレードの取り組みが共感され、12人の女性でスタートした事業が、今では約1万人の女性を雇用するまでに拡大しました」
さらには「ロクシタン基金」を設立し、現地の子供たちの識字率向上をサポート。就職支援なども行っているという。
「ロクシタンでは、〝自然や人へのリスペクト〞を大切にしています。原料を育む自然環境の保護、生産者をリスペクトし、彼らの夢を応援すること。植物の多様性を保つための種の保存、視覚障がい者をサポートすることを、ブランドとして約束しています。また1月末からは、店頭で製品の空き容器を回収してリサイクルをする〝ロクシタングリーンプログラム〞も始めました。空き容器を店頭に持って行ってポイントを貯めると、様々なプレゼントと交換できます。自分がキレイになって周囲もハッピーにできる取り組みに、ぜひご参加ください」
右から、シアバターとアーモンドオイルで爪を保湿し栄養を与えるシアネイルオイル、乾いた唇に潤いとツヤを与えるシアリップバーム、リッチなテクスチャーで手肌をしっかり乾燥から守るシアザ・バームもおすすめ。
シアバターを作る、ブルキナファソの女性たち。カラフルな衣装に身を包み、楽しげ!実の収穫やシアバター作りは、全て女性たちの手作業で行われる。
Brand Profile
〈L’OCCITANE(ロクシタン)〉
今から約40年前、オリビエ・ボーサンが、プロヴァンスのハーブから蒸留した高品質のオイルを販売したのがブランドの始まり。以来、フレグランスやスキンケア、ボディケアアイテムなど、プロヴァンスの自然や伝統に根ざした製品を作り、豊かなライフスタイルを提案する。
(Hanako1170号掲載/photo : MEGUMI (DOUBLE ONE) text : Yumiko Kazama)