個性派の小規模ワイナリーも勢ぞろい。 長野ワインのおいしさ発見!『NAGANO WINE FES. in TOKYO』。

LEARN 2019.02.09

高い山々に恵まれた長野県は、ぶどう栽培とワイン造りが盛んです。長野県産のぶどうを使った「NAGANO WINE」を紹介する『NAGANO WINE FES. in TOKYO』では、長野県内から30のワイナリーが集結。特徴ある「NAGANO WINE」を試飲しながら、その魅力についてお話を聞いてきました。

バラエティ豊かな土地とブドウが育む「NAGANO WINE」。

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ワインの原料であるぶどうは、標高が高く昼夜の気温差が大きい場所で育つとおいしくなるといわれています。長野県はその条件にぴったり。しかも南北に長く、地域ごとに気候や土壌に特性があることから、様々なぶどうが栽培されています。

「長野のワインには多様性があります。老舗のワイナリーに加えて、設立したばかりの新しいワイナリーも増えました。小さくても個性あるワイナリーが真摯にワイン造りをしています」と教えてくださったのは、自らもワイナリーのオーナーで、シニアソムリエの成澤篤人さん。

長野県内のワイナリーはこの10年間で倍増。昨年末までには45にまで増えました。その背景には長野県が策定した「信州ワインバレー構想」があります。
これは、長野県産ワインをブランド化することで、ワイン産業の発展、ひいては長野県の発展に貢献することを目的としています。

「信州ワインバレー構想」の策定以降、ワイン造りを学ぶ場の整備やワイナリー造りを推奨し、高品質なワインと、ワインにまつわる文化も育てていこうという取り組みがされています。

長野のワイナリーが集結した『NAGANO WINE FES. in TOKYO』。

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「信州ワインバレー構想」では、4つのワイナリー集積地を「バレー」と呼んでいます。

塩尻市を中心とした「桔梗ヶ原ワインバレー」、松本市周辺から安曇野市、大町市にまたがる「日本アルプスワインバレー」、長野県東北部を流れる千曲川に沿って伸びる「千曲川ワインバレー」、そして長野県南部の天竜川流域の「天竜川ワインバレー」です。

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各バレーからワイナリーが集結する『NAGANO WINE FES. in TOKYO』は今年で6回目。昨年から今年にかけて誕生したばかりという新しい顔ぶれのワイナリーも参加していました。テイスティンググラスホルダーに入った試飲用のワイングラスを首からかけて、いざ試飲へ!

明治時代にワイン造りが始まった「桔梗ヶ原ワインバレー」。

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〈林農園〉は、地元企業としては初めて、1919(大正8)年に開業したワイナリーです。今では日本を代表するメルローの産地になった桔梗ヶ原地区に、メルローを根付かせたパイオニアでもあります。ぶどう栽培をはじめたのはさらに遡って1911年のことで、その歴史はすでに100年以上。創業者の林五一さんのお名前から「五一ワイン」と呼ばれています。

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〈サントリー塩尻ワイナリー〉は、サントリーの前身である寿屋が1936(昭和11)年に設立したワイナリーがルーツ。澄んだ色が美しい「塩尻メルロ ロゼ」は、初めの薄いピンク色から時間が経つにつれてオレンジ色に変化するそう。時間が経つと変化することもワインの魅力ですが、開ける前から変化が見えると思うとワクワクします。

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〈シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原ワイナリー〉は、昨年9月にオープンしたばかり。前身の大黒葡萄酒醸造が1938年に造った歴史ある建物を利用した小さなワイナリーで、ワイナリーツアーも年に数回開催されています。今年は上田市に新しく〈シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー〉ができることにもなっています。

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〈サンサンワイナリー〉は、社会福祉法人が運営するワイナリー。醸造に携わる田村彰吾さんは、「標高800メートル以上の高い場所にある畑で栽培されるぶどうは、酸も強いながら、糖度も高くなる」と話してくださいました。サンサンワイナリーは、2016年にレストランやショップをオープンし、観光スポットとしても注目されています。

千曲川の恵みと涼しい気候が育む「千曲川ワインバレー」 。

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〈坂城葡萄酒醸造〉は、「信州ワインバレー構想」の盛り上げ役の一人でもあるシニアソムリエ成澤さんが、昨年、出身地の坂城町に開いたワイナリー。レストランも併設しています。栽培担当の北村智香さんがお持ちのシードルは、発泡性がなくすっきりした味。現代美術家、小松美羽さんによる猫をモチーフとしたエチケットが目をひきます。

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〈496(シクロ)ワイナリー〉は、今年1月にできたばかり。自転車競技の選手だった飯島規之さんと妻の祐子さんが埼玉から移住して、お二人で開いたワイナリーです。仏語で自転車を意味するシクロをワイナリーの名前にしたのだそう。「ぶどうの苗を植えるところから始めました」と、話してくださった祐子さんの隣で規之さんがニコニコ。素敵なご夫妻でした。

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〈アルカンヴィーニュ〉で試飲したのは、ゆずのシードル。海外ではフレーバーのシードルはよくあるそう。ゆずの爽やかな味が特徴的でした。〈アルカンヴィーニュ〉はエッセイストで画家の玉村豊男さんがカジュアルなワインを作りたいと始めたワイナリーです。エチケットは全て玉村さんがデザイン。ワインづくりを学べる千曲川ワインアカデミーも運営しています。

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〈ジオヒルズ ワイナリー〉は、老舗旅館中棚荘の5代目でもある富岡正樹さんと三男の隼人さんによる、温泉旅館初のワイナリー。赤・白ともに和食との相性がいい繊細なワインを作っています。隼人さんが住んでいたベトナム料理を軸にした、エスニック料理レストランがワイナリーに併設されています。

美しい山並みのもとで育つ「日本アルプスワインバレー」。

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醸造家の塩瀬豪さん(右)とソムリエでもある斎藤翔さん(左)が2018年に設立したワイナリー、〈ル・ミリュウ〉。「Polaris(ポラリス=北極星)」と名付けられたワインは、ワイン選びの基準にしてほしいとの願いが込められています。パンチの利いた酸味のシャルドネと軽いタッチのメルローを試飲すると、合わせるお料理の想像が膨らみました。

ぶどう以外のくだもの栽培も盛んな「天竜川ワインバレー」。

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〈信州まし野ワイン〉では「ピオニエシードル2017」を試飲。日本のシードルに少ない苦味を出すために野生種のりんごや洋梨のル・レクチェを入れているそう。「シードルは瓶内で熟成が速く進むので、ひと月後には味が変わっていますよ」と醸造担当の竹村剛さん。複数本買って、味の変化も感じるのも楽しそうです。

伝統あるワイナリーから、個性的で新しいワイナリーのみなさんからお話を聞いた『NAGANO WINE FES. in TOKYO』。「信州ワインバレー構想」に関わる方々の熱意とバラエティ豊かなワインのおいしさをたっぷり感じました。

長野に限らず日本ワインが盛り上がりをみせていますが、土壌や気候の特性を想像しながらワインを選ぶと、もっとワインを好きになってしまうかもしれませんね。

NAGANO WINE
公式サイト

NAGANO WINE取り扱い店〈銀座NAGANO〉 
■東京都中央区銀座5丁目6-5 NOCOビル 1F・2F・4F
■03-6274-6018(1Fショップスペース)
■10:30〜20:00(1F・2F)
ショップサイト

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