人としての厚みに差が出る! 「頭ではなく、心を使う。」など。人生や心を豊かにする、5つの考え方・行動・習慣。
人生や心を豊かにする生き方とは?「頭ではなく、心を使う。」「学びの気持ちを常に持つ。」…5つの考え方や行動、習慣を、文筆家・松浦弥太郎さんが教えてくれました。
1.頭ではなく、心を使う。
仕事においても人間関係においても、今僕らは日々のなかで頭を使うことが多いと思います。頭を使って物事を効率良くしたり、頭を使って人間関係を築いたりすることに精一杯になってしまうことも多いかもしれません。でも頭を使っているだけでは疲れていく一方で、いつの間にか作業になってしまい、そこに積み重ねがないと僕は思っています。経験にはなるけどスキルにはならない。そこで頭はほどほどに、心を使って物事に取り組むことで、価値ある蓄積が生まれます。
2.SNSでは感動を発信する。
個人がメディアになって、簡単に色々なことを発信できる時代だからこそ、何を発信するのかということが重要になってきます。情報はタイムラインに上がっては消え上がっては消え、上書きの繰り返しですから、情報を発信しようと思うのではなくて、感動の発信をしていきましょう。感動を発信することは人の心に積み重なっていき、消費されません。積み重なっていくということは、相手の安心感につながります。自分と相手に信頼関係が生まれるということです。
3.学びの気持ちを常に持つ。
日々は学びです。世の中には感動することや素敵なことがたくさんあって、それは自分を高めてくれるもの、学びを与えてくれるもの。だから素晴らしいものと出会ったときには、ぼんやりものを見るのではなくて、「これはどうしてこんなに素晴らしいんだろう」、「自分がどこに素晴らしいと感じているんだろう」、「真似できることはないかな」と、常に学びに貪欲な気持ちを持っておきたいですね。出会ったら必ずひとつ発見する、という習慣を身につけておくのが良いでしょう。
4.ガマンは大切。
やっぱりガマンは大切です。くらしや仕事には、色々な人が関わっているものですから、何かを成し遂げるためには、ガマンということは絶対に必要だと思います。ガマン強くあることで人も認めてくれるでしょう。もちろん自分に無理がかかるくらい過度にガマンしろということではありませんよ。あと、プライドは捨てなくても良いけど隠しておくべきものだと思います。何かあったときに素直に頭を下げられること。そういうこともやっぱりすべて、ガマンなんです。
5.アイディアを持つ。
暮らしを面白くするにはアイディアが必要です。自分のアイディアを使ってその場を楽しくするとか、困ったことがあったら解決するということが大切です。クリエイティブなものだと思われがちですけれどそうではなくて、アイディアは記憶のなかにあるもの。自分が生まれてから今日までに経験したうれしかったこと、悲しかったこと、といったファイルのなかから見つかります。アイディアの豊かさは、心を動かすことをどれだけ経験したかということだと思います。
松浦弥太郎(まつうら・やたろう)/文筆家。〈COW BOOKS〉代表。「正直、親切、笑顔、今日もていねいに」を信条とし、暮らしや仕事における、たのしさや豊かさ、学びについての執筆や活動を続ける。著書多数。「くらしのきほん」(kurashi-no-kihon.com)を運営中。
(Hanako1125号掲載/illustration:Yuko Saeki text:Rio Hirai)