大切なことを気付かせてくれる。 名書店の店主セレクト!贈り物にもおすすめしたい詩の本3選
思いがけず、忘れてしまっていたことや新しい価値観に気付かせてくれる「詩」。詩画集にアンソロジー、雑誌まで、京都の名書店〈ホホホ座〉店主がおすすめする詩の本3選をご紹介します。
1.詩・谷川俊太郎 絵・望月通陽『せんはうたう』
カバー付きで手作りの装丁も美しい詩画集。(ゆめある舎/1,800円)
2.編著・遠藤豊吉『新版 日本の詩 わたし』
若い人に向けた近現代の詩のアンソロジー。全10巻。(小峰書店/1,300円)
3.エミリー・ディキンソン、前田征紀ほか『まぁまぁ マガジン』
服部みれいが編集長を務める雑誌。(エムエム・ブックス/1,000円)
対等な関係性の友人に「言葉で伝えるのは恥ずかしいけれど、同じ問題を共有したい」というとき、そっと手渡してみてほしいのが詩の本。「詩は忘れていることや新しい価値観に気づかせてくれるもの。優れた詩を読むと『やられた!』と思い、自分も何か行動をおこしたくなります」。
シンプルな線で描かれた絵に言葉が添えられた『せんはうたう』は「デリケートで優しい世界に癒されます」。
それぞれタイトルに合う詩を集めた詩のアンソロジーシリーズの一つ『わたし』は、「『わたしはあなたであり、あなたはわたしでもある』という意味を込めて贈りたい」。同世代・同性の友人と読めば共感し合えるかもしれない。「タイトルがすべてひらがなであることもポイントです」。
昨年発売の22号より詩とインタビューの雑誌にリニューアルした『まぁまぁマガジン』は、「まさに最新型の雑誌」と山下さん。人の内面から出てくるパワフルな言葉たちが、たくさんちりばめられている。
〈ホホホ座〉山下賢二さん
店主。2015年〈ガケ書房〉を移転し、古書店〈コトバヨネット〉と合体、本と雑貨の店〈ホホホ座〉をオープン。好きなジャンルは海外文学。
(Hanako1127号掲載/photo:Yuko Moriyama text:Aya Shigenobu)