直木賞受賞小説など。 〈紀伊國屋書店 新宿本店〉店員セレクト!音楽好きにおすすめの本3選

LEARN 2018.10.21

文章から楽しむ「音楽」とは?直木賞受賞の小説をはじめ、都内有数の規模を誇る大型書店〈紀伊國屋書店 新宿本店〉店員が選んだ、音楽好きにおすすめの本3選をご紹介します。

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1.恩田 陸『蜜蜂と遠雷』
ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、音楽を描く。(幻冬舎/1,800円)

2.石牟礼道子『水はみどろの宮』
目には見えない自然の声と言葉を綴った、メルヘン作。(福音館書店/700円)

3.穂村 弘『ぼくの短歌ノート』
人気歌人の著者が近現代の短歌から名作を選び、講評を行う。(講談社/1,500円)

文章から音楽が聴こえてくる名著たち。

直木賞を受賞した『蜜蜂と遠雷』は「“目に見えない音楽をこんなふうに描写するんだ!”と脱帽。音楽の美しさと楽しさに浸る、心地よい読書体験が味わえます。国際ピアノコンクールに出場した4 人の若者が音楽の完璧さと才能の限界に葛藤する作品で、青春群像劇としても楽しめる」。

帯に作家の坂口恭平が、“みっちんの本は音符のない楽譜だ”と書いた『水はみどろの宮』。「小さきものの声を大事にする作者は、このファンタジー小説でも世界にあふれる音を受け止め、懐かしい不思議な風景を描きます」。

また「歩きながら聴くと風景を変えてしまう曲がありますが、短歌にも似た作用があるのでは」と選んだ『ぼくの短歌ノート』。「穂村弘が選ぶ近現代の短歌は、“事務員の愛のすべてが零れだすゼムクリップを拾おうとして(雪舟えま)”など、胸に携え、つぶやきたくなるものばかり」

〈紀伊國屋書店 新宿本店〉今井麻夕美さん
計11フロアに約100万冊がそろうお店の文芸書売り場を担当。ほぼ毎日のように、サイン会やトークショーが開催されている。

(Hanako1127号掲載/photo:Yuko Moriyama text:Aya Shigenobu)

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