ハイボールはよく飲むけど…。知れば、もっと愉しく美味しくなるウイスキー講座
ささき・たいち/国内最難関といわれる「マスター・オブ・ウイスキー」初代合格者。サントリー株式会社HOSグローバル推進部・シニアスペシャリスト。ウイスキーの啓発活動に注力。著書に『絵とマンガでわかる ウイスキー1年目の教科書』(KADOKAWA)がある。
ウイスキーってどんなお酒? – 歴史や基本の製法を知る。 –

ウイスキーは、酒類の製法上の分類ではジンや焼酎などと同じ蒸溜酒。原料や製法は国・地域により異なるが、一般に「穀物を原料とする蒸溜酒で、木樽に貯蔵し、長期熟成すること」と定義されている。「醸造酒であるワインには、『熟したブドウが木から落ちて自然発酵し……』といった説があるけれど、蒸溜酒は必ず『蒸溜』という人為的な作業が不可欠。かつ、木樽で5年、10年と長期熟成させるから、樽材やその土地の気候風土の影響を受けやすい。そこが面白いんです」と、佐々木さんは話す。
通常は複数の樽で熟成した酒をブレンドしてつくられ、樽から出されたブレンド前の状態を「原酒」と呼ぶ。また主原料によりモルトウイスキーとグレーンウイスキーに分かれ、両者の原酒をブレンドしたのがブレンデッドウイスキーに。この分類と基本的な製法を押さえ、いざ本番へ。
原料、蒸溜法による二大カテゴリー。
1. MALT WHISKY(モルトウイスキー)

原料は大麦麦芽のみ、蒸溜は伝統的な単式蒸溜器で。単一蒸溜所の原酒をブレンドしたのがシングルモルトウイスキー。
2. GRAIN WHISKY(グレーンウイスキー)

原料はトウモロコシや小麦、ライ麦などの穀物(グレーン)で、効率面に優れた連続式蒸溜機で蒸溜したウイスキー。

ウイスキーができるまで

原材料
主原料は穀物と水、酵母。穀物の種類でモルトウイスキー、グレーンウイスキーに分類。有名なスコッチウイスキーは前者が多く、バーボンウイスキーは後者。
仕込み・発酵
穀物を粉砕してお湯を加え、発酵に必要な糖分を生成する糖化を行う。糖化後の麦汁に酵母を加えて、発酵開始。発酵にかかる時間は2~3日が一般的。
蒸溜
アルコールと水の沸点の差を利用し、純度の高いアルコールを抽出する作業。モルトウイスキーでは通常、単式蒸溜器を用い、2回(以上)の蒸溜を行う。
熟成
蒸溜で得られたベーススピリッツを木樽で熟成。期間は長いもので30年以上。樽の種類(ホワイトオーク、スパニッシュオークなど)や期間で原酒の味が決まる。
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