俳優・河合優実さん「いくつになっても今の仕事をしたい」

かわい・ゆうみ/2000年生まれ、東京都出身。2019年、映画『よどみなく、やまない』でデビュー。主演作『あんのこと』『ナミビアの砂漠』にて第67回ブルーリボン賞、第98回キネマ旬報ベスト・テンなどの主演女優賞を受賞。
いくつになっても今の仕事をしていたい
話題作に次々と出演し、時代の焦点となっている河合優実さん。河合さんが「俳優になろう」と決心したのは、ミュージカル作品『コーラスライン』を観劇したことがきっかけ。

「小学生の頃からダンスを習っていて、高校生になる頃には漠然と、表現をする仕事に就きたいとは考えていたんですが、なかなか踏ん切りがつかなかったんです。そんな私の背中を押してくれたのが『コーラスライン』。舞台へのひたむきな憧れが描かれている力強い作品を観たら、『やっぱり人生をかけたい』という気持ちがむくむくと湧いてきて、その帰り道には決心しました。自分から今の事務所に連絡し、今に至ります」
憧れの職業に就けてもめげそうになることは、誰もがある。そんな時は原点に立ち返り、映画や舞台を観に行くようにしているそう。
「俳優になると決めた出発点にもなったように、お客さんとしての立場で感動をもらうことが何より心の栄養になります。同じ時代の人がこんなにも素晴らしいものを作れているんだから、自分にも出来るはずと勇気をもらえているんです。同業者の方々の信念を貫く姿にモチベーションももらっています。2024年、ニューヨークで語学学校に通ったのもリフレッシュになりました。すごく楽しかっただけでなく、自分の心に水をあげている気持ちになれましたし、慣れない土地で過ごしたことで、視野も広がった感覚があります」

河合さんには心の糧にしている言葉がある。
「コロナもあって、大学にはあまり通えなかったんですが、すごく好きな演技の先生がいて。その先生に『あなたは日本を代表する俳優になるから』ってさらっと言ってもらえたのを今でもずっと覚えています。その時何もない私には根拠がなさすぎて信じられなかったけれど、とにかくすごいうれしくって。改めて自分でこうやって言葉にすると恥ずかしいですね(笑)。今は、自分が何とどう出会っていくのかを楽しんでいるので、将来のことは決めていませんが、いくつになっても今の仕事をしていたい気持ちはあります。その前に、ちゃんと軸を持っている人間でいたいと思います」
俳優・河合優実さんのヒストリー
2010年頃 小学3年生からダンスを習い始める。表現をする仕事に興味を持つ。
2018年 ミュージカル作品『コーラスライン』を観劇し俳優を目指す。
2019年 鈍牛倶楽部に所属する。
2022年 映画『由宇子の天秤』『サマーフィルムにのって』での演技が評価され、ヨコハマ映画祭最優秀新人賞やブルーリボン賞新人賞など様々な映画賞を受賞。
2024年 ドラマ『不適切にもほどがある!』で主人公の娘を演じ、話題に。
2025年 映画『ナミビアの砂漠』『あんのこと』でキネマ旬報ベスト・テン主演女優賞などを受賞。

お笑いコンビ「ジャルジャル」の福徳秀介による同名小説が原作。小西(萩原利久)が大学で「一人ざる蕎麦女」こと、桜田花(河合優実)に出会うことで始まるラブストーリー。4月25日(金)全国公開 配給:日活©2025「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」製作委員会
トップス35,200円、スカート84,700円(共にMame Kurogouchi―マメ クロゴウチ オンラインストア https://www.mamekurogouchi.com/)/ベージュイヤカフ50,600円(oeau―Harumi Showroom 03-6433-5395)/リング220,000円(mayuokamatsu―MAYU SHOWROOM kohcoon@mayuokamatsu.com)/その他スタイリスト私物