もしトイレ中に災害が発生したらどうすれば?防災のプロが教えるシーン別対策7つ

もしトイレ中に災害が発生したらどうすれば?防災のプロが教えるシーン別対策7つ
防災コラム
もしトイレ中に災害が発生したらどうすれば?防災のプロが教えるシーン別対策7つ
LEARN 2025.03.27
防災のプロの自宅はどうなっている? 防災士・熊田明美さんのお宅は、一見すると目立たないけれど、家中のそこかしこに防災の工夫がなされていた。
photo_Keizo Iwamoto text_Emiko Shinozaki
教えていただきました
熊田明美
防災士・整理収納アドバイザー

くまだ・あけみ/東日本大震災をきっかけに、整理と防災を学び始める。現在は、片付け、防災、お掃除に関する講演やセミナーを開催。https://www.nicelife-sbs.com/

いつ災害が起きても身を守れる備えを。

「防災オタク」を自認する防災士の熊田明美さんの自宅は、スッキリ片付いた3LDKのマンション。プロの家だけに家具などにガチガチの転倒防止などがなされているのでは? と想像していたのだが、〝防災しています〟感がない……。

「こう見えても、激震が来たとしても家具や家電が倒れたり、食器や鏡が割れて飛び散ったりしないように、さまざまな対策をしてあります。転倒防止器具やすべり止めシート、停電時にすぐにつく灯り、クッションみたいな防災頭巾など。今はいろいろな防災グッズが進化していて、デザインも豊富になっています。いかにも防災という感じではなく、自分の身の安全を守ることができるんですよ」

熊田さんは、防災グッズだからといってしまいこむのではなく、日々の生活の中で使う「フェーズフリー」を勧めている。例えば、ソーラーパネルや、ポータブル電源はリビングに出しておき、エコの観点からも日常的に使う。そして余分なモノを片付けて、1週間分の水や食料を備蓄できるスペースを作る。

「防災を意識した整理で掃除もラクになり、災害時に必要なモノをすぐ取り出せます」

1. 玄関で防災

避難のための防災用品をさりげなく。

玄関の防災


左上のタペストリー:被災時にいろいろ使える手ぬぐいを〈無印良品〉のポスターマグネットハンガーで挟み、タペストリーとして飾っている。

右側のラック:折りたたみ式のヘルメットにヘッドライトとネックライト。玄関に置けば、避難するときパッと身につけて外に出ることができる。

右下のバケツ:火災は、火が高くなる前の初期消火が大切。家族がすぐに使える場所に消火器を置く。転がらないようにシリコンバケツに入れて。

左下の机:廊下は大切な避難経路。扉が開かなくなったり、歩けなくなったりしないようモノは積み上げない、背の高い家具は置かないように。

2. クローゼットで防災

長期保存の水を玄関に備蓄する。

玄関クローゼットの下に400㎖のペットボトルの水を20本×4箱で80本。大人ひとりが1日に必要とされる3ℓを目安に備えよう。

3. リビングで防災

ソーラーパネルで停電をしのぐ。

晴れている日は必ず窓際にソーラーパネルを置き、ポータブル電源に充電。蓄電されたら扇風機、LEDライトなどに充電できる。

4. 寝室で防災

就寝中の災害への備えを一カ所に。

ベッドのそばに、スニーカーと防災リュックを置いておけば、夜間、避難情報が発令されて家を離れるときも慌てない。

5. 書斎で防災

防災頭巾を背当てにして仕事。

書斎で防災

チェアの背当てにしているのは布製の防災頭巾が入った袋。夜は枕の下に敷き、地震が起きたらすぐに被って頭と首、肩を守る。

6. トイレで防災

ペーパー類、簡易トイレ、水も。


トイレに閉じ込められたときを想定して、トイレ内にも長期保存水を数本備えている。居場所を知らせる笛や懐中電灯などもここに。

7. キッチンで防災

家の中の危険箇所。転倒防止を徹底。

台所は激しい揺れで電子レンジ、トースターなどが飛んできて非常に危ない場所。耐震ジェルマットを使って脚を固定する。

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