何種類ものラグを敷き詰めるのがポイント。おしゃれな部屋になる布使いテク
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ひらい・かずみ/草花がもっと身近に感じられるような「日常花」を提案するフラワースタイリストとして多方面で活躍。東京・恵比寿のアトリエ〈皓 SIROI〉を拠点に、花の教室「皓 花会」ほか全国でワークショップを開催。
自分の好みを見つけ、出合いの瞬間を大切に。
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布との出合いは旅先が多いと話すのは、フラワースタイリストの平井かずみさん。その住まいの至るところに各地で出合った布が置かれている。韓国のポシャギ、メキシコ・オアハカの伝統的な手織り布、イタリアやフランスの古いレース、そして日本で出合った手仕事の布。国はさまざまだが不思議な調和を織りなす。
出合いのコツを尋ねると「仕事でも特定の草花を探すよりも偶然の出合いのひらめきを大切にしたい」と前置きし、布も同じだと続ける。
「気合いを入れて探すよりも、いろいろなものを見るなかで偶然に発見する喜びを感じたい。家具を持ち帰ることは難しいけれど、布は折り畳めばスーツケースに仕舞えますから」
手に入れた布はどれもしっかり使うのが平井さん流。食材を入れたカゴにかけたり、小物の下に敷いたり。刺繍や柄が美しいクッションもあちらこちらに。ダイニングからキッチンにかけては、まるで異国のように多様なラグが敷き込まれている。
平井さんは以前よりも興味の幅が広がったことで、布の背景を知り、より楽しめるようになったという。自分の好みを知り、出合いを大切にすること。そうすれば失敗することなく、どんな布も自分らしく扱えるはずと後押しをしてくれた。
メキシコの民芸品を重ね合わせて。
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メキシコの伝統的な革張りの椅子エキパルチェアにかけるのは、同じくメキシコ・オアハカの伝統的な手織り布。同じ文化をもつアイテムを揃えてスタイリングを楽しんでいる。
細やかな手刺繍の魅力に一目惚れ。
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旅と手仕事をテーマとするマーケット「トレーシングザルーツ」で出合った、細やかな手刺繍が施された〈空と海〉の作品。壁にかける予定だが、現在はどこがいいか思案中。
旅先で集めたものが不思議と調和する。
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アメリカ・サンタフェのクラフトフェアやメキシコ・オアハカで購入したクッション。布に限らず、家具や雑貨も多国籍なアイテムが揃う。平井さんの目を通した一貫性が魅力。
いくつものラグを敷き込むダイニング。
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ダイニングルームにはさまざまなラグを敷き込む。新しく迎えた愛犬のイルが滑らないよう、冬に足元が冷え込まないように敷いた。これまでに集めたラグが調和を見せる。
お気に入りの布で空間の質を上げる。
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ベッドカバーには、細かなステッチが手刺繍されたインドの刺し子布カンタを使う。長く愛用する照明のランプシェードに染みができてしまい、布で覆った。光で刺繍が浮かぶ。
気になるところは布でカバー。
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生活のなかで目につくとうるさいものは布で目かくし。こちらは食料品だが、こまごまとした書類、家電など、さまざまなものに布をかけることで家が落ち着いた印象に変わる。