暮らしが心地よくなる。一度は試してみたい布づかいのアイデア

暮らしが心地よくなる。一度は試してみたい布づかいのアイデア
暮らしが心地よくなる。一度は試してみたい布づかいのアイデア
LEARN 2024.12.26
たった一枚でも素材感や色彩で空間の印象を大きく変える布。素敵な暮らしを営む〈くるみの木〉主宰の石村由起子さんに布づかいを教えてもらいました。
photo_Haruhi Okuyama text & edit_Yoshinao Yamada
profile
石村由起子
〈くるみの木〉主宰

いしむら・ゆきこ/1983年に奈良県奈良市法蓮町にカフェと雑貨の店〈くるみの木〉を開業。空間コーディネーターとしても活躍。

素敵な人やものとの出会いが、作ってくれた自分。

石村由起子さんのインテリア
20代の頃から買い集める〈ヨーガンレール〉のタオル。インド綿を手紡ぎ手織りで仕上げた小ぶりなタオルをボディタオルとして使う。吸水性が良く、使い勝手がいい。

ライフスタイルショップの先駆けといわれ、世代を超えて愛される、奈良のカフェと雑貨の店〈くるみの木〉。主宰の石村由起子さんにとって布の原風景は、祖母の着物にあるという。

「着物といっても袴(はかま)のかたちをしたもんぺと呼ばれるもの。それでもいつも素敵な色で、きれいだなと憧れがあったんです」

そうした背景もあり、学生時代には染織を学んだ。卒業後は結婚とともにはじめて自分の家ができたことがうれしく、暮らしを素敵にしたいと励んだ。

「夫を喜ばせようと、器に合わせてテーブルクロスをどうしようと考えて。草木を摘んで、糸や布を染めたりしていました」

こうした石村さんの感性を磨いたのは、祖母をはじめ素敵な人やものとの出会いだ。20代から愛用するファッションブランド〈ヨーガンレール〉のタオルもその一つ。当時東京を訪れた日に、たまたま開店したばかりのショップに立ち寄った。そこに置かれていたのはこれまで見たことのないようなものばかりだったと振り返る。

「何が素敵かはその人次第。自分が好きと思えるものを見つける目を育てることが大切なのだと思います。暮らしを素敵にしたいなら、どうしたらいいか。それを想像することが勉強となり、自分を育ててくれるはず」

大切な布をいつか使おうと大切に保管。

石村由起子さんのインテリア

祖母から受け継いだ着物生地をはじめ、旅先などで出合った布や反物を大切に保管する。何かに使おうと考えるとワクワクする一方で、使えずにいる大切なコレクション。

移動の時間などでさっと縫い上げて。

石村由起子さんのインテリア

布のコレクションを組み合わせて自作したコースター。ふと、これだと思いついた布の組み合わせでさっと制作する。新幹線の車内などで、ハンドミシンで縫い物をすることも。

旅先で買い集めた布はテーブルクロスに。

石村由起子さんのインテリア

20代ではじめて海外を旅し、行く先々で布を購入。当時の自宅でテーブルクロスにしようと、サイズがいつも頭にあったという。写真はスウェーデンの〈キナサン〉のテキスタイル。

肌触りのために一手間をかけて。

石村由起子さんのインテリア

和室に布団を敷いて眠る。寝具に折りシワができるのが嫌で、畳まずにタオルラックに吊す。自分自身のためのささいな一手間が暮らしの心地よさを作りだしている。

お気に入りの布や服は繕いながら使う。

石村由起子さんのインテリア

こちらも布の端切れを自ら接(つ)いでパッチワークで仕立てたもの。色や素材の組み合わせで、こちらも移動中に制作。一部の刺し子は自身で入れたもの。移動時に洋服を繕うことも。

作家の布物をさりげなく愛用する。

石村由起子さんのインテリア

和室に積まれた座布団。お茶会用の小さな布製座布団とともに積まれるベージュや白の座布団やクッションは、作家の石井すみ子さんによるもの。強度のある和紙を用いている。

Videos

Pick Up