決断する時は「後悔しないように」 『モヤモヤさまぁ〜ず2』アシスタントに抜擢!〈テレビ東京〉アナウンサー・福田典子さんが知りたい!

LEARN 2018.07.11

いつの時代も「働く女性の理想」を写している女性アナウンサー。『モヤモヤさまぁ〜ず2』のアシスタントに抜擢された〈テレビ東京〉福田典子さんが、入社当時の努力から、ターニングポイント、今後の展望までを語ってくれました。Hanako創刊30周年特別企画『働くことと、生きること。46人の、転機と決断。』「時代とともにある、ひとつの理想。「女性アナウンサー」という仕事。」よりお届けします。

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福田典子/福岡県出身。福岡の放送局を経て、2016年にテレビ東京に入社。『モヤモヤさまぁ~ず2 』(日曜18:30~)には3代目アシスタントとして、『追跡LIVE! SPORTSウォッチャー』にはキャスターとして出演中。

「新卒で入ったのは地元福岡の放送局です。入社当初は原稿を読ませれば下手、食リポさせればテンションが低くておいしそうに聞こえない、〝お疲れさまです〞と声をかければ、あまりの声の小ささに先輩から〝大丈夫?〞と心配される始末。こんなに私は仕事ができないのかと、自信喪失の日々でした。でもそんな中、先輩のアナウンサーたちがひとつの番組に対し、とてつもない量の前準備をしているのを見て、新人の私がこんなことでくよくよ悩んでてどうするんだとハッとして。心を新たに頑張るようになりました」

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就職活動中の一枚。母校のキャンパスにて撮影。

その後福田さんは努力の甲斐あり、多くの番組で活躍するように。中でも夢中になったのが、スポーツに関する仕事だった。
「スポーツはまったく詳しくなかったのですが、やるからにはと、自分なりに必死に勉強しました。試合だけでなく練習にも取材に行き、徐々に選手やスタッフも話をしてくれるようになりまして。(福岡ソフトバンク)ホークスの優勝のビール掛けでは、〝シーズン最初から見てきた自分だからこそ聞き出せたコメント〞を、小さいながらもいくつかお届けできた実感があり、とてつもなく幸せな一体感を感じることができました。そしてこんな感動をもっと伝えていきたいと思ったとき、その頂点として、〝オリンピックの取材〞という夢が浮かびました。でも周囲に、〝オリンピックの取材は、キー局じゃないとまず無理〞と言われ…」

オリンピックの取材という夢を追いかけ、東京へ。

そんな中、15年の年末に突如報じられた、テレビ東京のアナウンサー中途募集。当然すぐに応募した…かと思いきや。
「いや、私、根がめちゃくちゃネガティブなので…最初に浮かんだのは〝どうせ受からない〞という言葉でした。しかもそのとき、スポーツの仕事がどんどん楽しくなっていて。加えてとてもいい会社でしたし、このままここで頑張れば、より手応えのある番組作りに携われるのではないか、とも感じていました。もちろん、テレビ東京に入れたら、オリンピックに関わる仕事ができるかもしれない。でも今が充実しているのに、これを手放すの!?いや、そもそも受かるの…?の繰り返し。父にも母にも相談しましたが、母は〝育ててくれた福岡を大事にしなさい〞、父は〝チャンスはつかめ!〞と、言うことが逆で…(笑)。最終的には、〝宝くじだって買わなきゃ当たらない!〞と友人が背中を押してくれ、ダメ元でいいと、受けることにしました」

ターニングポイントに立ったとき福田さんは、〝後悔しないように〞を考えて、決断を下すそう。
「結局、選んだ道を正解にするのは自分だと思うんです。〝あのときこうすればよかった〞と後々悔やむくらいなら、なるべく〝こうすれば〞を選んで生きたい。自分の心が動くほうを信じたいんです。ここまで育てていただいた福岡の局には本当に感謝しています。その上で、福岡で学んだことをテレビ東京で発揮することが、これまでお世話になった方々への恩返しになっていれば…と、今は思っています」

自分が伝えた言葉や情報で、誰かの心が動いたらうれしい。

アナウンサーの仕事とは、情報と視聴者をつなぐ架け橋のようなもの、と福田さんは言う。

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「私の言葉で伝えた情報で、誰かの心を動かすことができたなら、あるいは誰かの人生に響く部分があったら、アナウンサーとしてこんなにうれしいことはありません。制作陣が求めるものや、共演者との空気感も大事にしながら、画面の向こうで見てくださっている方々のことを考え、きちんと向き合いながら仕事をしていきたいな、と」

一方で、アナウンサーもより「個性」が求められる時代になっていることも実感する、とも。
「もともとアナウンサーというのは、中立の立場で情報を伝えるのが仕事だったと思います。でも最近では、番組によっては違うことを求められることもあります。例えば『モヤさま』に出演し始めたときは、その〝個性を出す〞というのがなかなかできなくて、本当に悩みました。ただ、視聴者の方が私に興味を持ってくださって、その結果、私が伝える情報にも興味を持ってもらうことにつながればうれしい。そうポジティブに考えて、自分らしさがにじみ出ればと思っています」

今年は平昌オリンピックの特番に出演し、夢だったオリンピック報道に少し携われた。夢はもちろん、2年後の東京五輪。
「平昌五輪最終日の特番で、選手の活躍をリポートしたり、ゲストの方の言葉を引き出すお手伝いができたり、さらに現地での感動や興奮をお伝えすることもできて、〝これがやりたくて、私はアナウンサーをやってるんだ〞と心底実感したんです。〝あの番組でウィンタースポーツに興味が出たよ〞といった声をかけてもらえたことも、喜びでした。20年の東京オリンピックでもまた番組に携わって、平昌で感じたような充実感とやりがいを味わえたらうれしいです」

ちなみに、結婚したら、仕事は辞める?続ける?
「寿退社? 絶対したいと思いません! 相手に仕事を辞めてくれと言われたら?説得します!」
即答ですね。
「はい。だって私が仕事をしている姿を応援してくれないんだったら、それは本当の愛じゃないと思うし…。私の家族は、みんなお互いのやりたいことをサポートしているんです。父も母も、私も妹も。手伝ってとは言わないですが、応援はしてほしい。考えを変えてくれなかったら、友達でいいよねって、なっちゃうかもです(笑)」

Q & A

Q.憧れのアナウンサーは?
A.私同様、福岡からテレビ東京に中途入社した植草朋樹アナ。スポーツ実況の細やかな前準備、勉強になります。

Q.理想とする女性像はありますか?
A.母です。就活アドバイザーをしているのですが、働いている横顔がキラキラしていて、尊敬します。

Q.子供の頃は何になりたかったですか?
A.バレエダンサー。高校時代、仕事にできるレベルではないと断念。妹がその夢を叶えてくれました。

Q.10年後、どんな自分になっていると思いますか?
A.どのジャンルからも、「一度福田と仕事がしたい」と言われるような、頼りがいを身につけていたい。

Hanako『46人の、転機と決断。』特集では、女性アナウンサーを多数ご紹介しています。

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(Hanako1159号掲載/photo : HAL KUZUYA text : Yuki Kono)

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