「数字に追われることが好き!」 〈コクヨ〉の営業スペシャリスト・芋岡里紗さんから学ぶ、成果を出す為に大切なこととは?
Hanako創刊30周年特別企画『働くことと、生きること。46人の、転機と決断。』「企業で働く女性白書」では、エンタメから食といった様々な企業で自分らしく輝く女性8人にフォーカス。そんな充実の誌面より、〈コクヨ株式会社〉の営業スペシャリスト・芋岡里紗さんをご紹介します。彼女は日々何を考え、どのように解決していっているのか。「仕事ぶりがすごい!」と言われる、その気になる秘密に迫りました。
芋岡里紗/昨年は営業を担当した商品の売り上げが前年度より180%伸び、社内表彰された。休日にゴルフをしたり、昼から焼き鶏や焼酎を楽しみながら友人や夫と話すのがリフレッシュになっている。
量販店や専門店向けに、文房具の営業をしている芋岡里紗さん。転職して今の会社に勤め始め、今年で5年目。前職でも営業を担当していた。
「そもそも、新卒で就職活動をしているときから、いろいろな人と話をして成長できそうな営業職をやってみたいと考えていました。実際に働いて思ったのは、『営業が好き!』ということ。営業目標として設定された数字に追われることが好きで、さらにその目標を達成することが大好きみたいです(笑)。一番わかりやすい結果が数字だと思うので、それがないとつまらないし、達成できてこその営業だと自分では考えています。また、大好きな文房具を担当できていることも、モチベーションのひとつ。小さなものだけれど、多くの人が子どもの頃から使い、時代に合わせて進化を遂げていくものを売ることが、楽しいです」
もちろん、数字を達成するためには努力が必要となる。
「たとえば普段の私は話すことが好きですが、取引先に行ったときには聞き役に徹するようにしています。話を聞いて、先方が必要としていることを見つけ、改善できる方法を提案するよう心がけています。でも、イエスマンにはならず、できないことは言う。笑顔でいるのも意識していることのひとつです。自信なさげな表情をしていると、〝大丈夫かな…〞と思われたり、信用されないと思うので。たとえ知らないことがあってもはきはき答えます。もちろん、すぐに後から調べますし、発言が間違っていたら正直に謝ります」
そんな芋岡さんの信頼は厚い。社の広報を担当する海老澤秀幸さんは、社内でも頼れる営業だと話す。
「お客様の懐に入り、お役に立てる提案をすることが大事です。言うは易しで、それを実践している彼女は、社内でも取引先からも信頼が絶大です。リスペクトしています」
営業スタイルで大切にしているのが、〝人を巻き込む〞ことだそう。
「営業は個人の戦いというイメージがあり、実際にそういう面も大きいですが、私は社内メンバーを巻き込みます。商品企画の担当をはじめ、営業職以外の人にも『このくらい売り上げたい』と話して目標を共有し、達成できたときには、全員で出した成果だし、みんなで飲みに行く。楽しい目標を作ることで、モチベーションがさらに上がります」
お店への営業の仕事はすべての工程が楽しい。
仕事で大変なことについて聞いてみると、「ありません!」と即答。
「日々の仕事のなかで嫌だと思うことはありますが、会社や仕事自体が嫌だと思ったことはないです。気持ちの切り替えが早い性格ということもありますが、尊敬できる上司に恵まれていることが大きいですね。特に今年の1月までいた部署での上司は、困ったときに相談をすると同じ目線で話し、解決法を一緒に考えてくれる人で、心底、助けられていました。また同じ部署で働きたいと思うくらい尊敬しているし、それを実現するために、これまではまったく興味がなかった管理職を目指すのもいいかもしれないと考え始めました。これからも、前職から携わっている量販店や専門店への営業という仕事は、大好きだし、続けていきたいです。商品の説明や見せ方の提案、問屋さんとのやり取りなど、すべてが楽しい。キャリアを重ね、量販・専門店の営業に関するスペシャリストになれればと思っています」
ほかの人と差をつけるアイデア
①仕事で使うバッグは長年、 A3が入るサイズを愛用。
仕事用バッグは大容量のA3サイズと決めている。「荷物をいくつも持ちたくないので、この大きさがベストです。それに、バッグ一つだけ持っているほうがスマートに見え、先方の印象が良くなると思ってます」
②ノートは使いやすいよう自分でカスタマイズ!シンプルな手帳に鳩目をあけて
ゴムバンドをつけ、さらに色違いの2本のしおりをくっつけた。「文房具は自分がストレスなく使えるよう、カスタムします。先方と話すときのネタにもなるので、おすすめですよ」
③たくさんのペンが差せる便利な手帳カバーを活用。
営業先の人と打ち合わせをするときには、そのお店で販売しているペンを使うようにしているという芋岡さん。「そのため、普段からたくさんのペンを持ち歩きます。この手帳カバーは何本も収納でき、助かっています」
Hanako『46人の、転機と決断。』特集では、企業で働く女性を多数ご紹介しています。
(Hanako1159号掲載/photo : Mariko Tosa text : Aya Shigenobu)