保湿だけじゃダメだった。アイケアに〈目元の筋トレ〉を取り入れるべき理由。
Haruna Yanamoto(still) hair & make_Misuzu Mogi illustration_Mihoko Otani, Yumiko Kanda(frame)
text_Emi Taniguchi
お悩み「目元の衰え。」
ついつい後回しにしがちなアイケア。自分には早いなんて思っている人も多いのでは? でも、目まわりは繊細で、一番年齢が出やすいパーツ。そこで、改めてアイケアの大切さを再確認。
日々の生活で頻繁に動かすことが多い目まわり。皮膚が薄く疲れや年齢が出やすいパーツのため、深くシワが刻まれたり、たるんでしまったりする前にアイケアで食い止めよう。
最新テクノロジーを搭載し、パワフルな成分をしっかり目まわりに届ける新作アイケア。ちょっぴりリッチなものから、初心者におすすめなプチプラまで幅広くラインナップ。
アイセラム&クリーム
フューチャーソリューション LX アイアンドリップコントア Rクリーム 17g 18,700円(SHISEIDOお客さま窓口 0120-587-289)
レチフォーカス アイクリーム 15g 3,300円(オルビス 0120-010-010)※11月20日発売
ROAliv キープアシークレット アイホールド 20g 4,950円(ロアリブお客様相談室 0120-941-554)
レネルジー HCF トリプル アイセラム 20㎖ 15,290円(ランコムお客様相談室 0120-483-666)
エピステーム アイパーフェクトショットb 18g 12,100円(ロート製薬 エピステームコール 0120-480-610)
スマート リペア Rスティック バーム 3g 3,960円(クリニーク お客様相談室 0570-003-770)
いつまでもパッチリEYEでいるために。
大切なのはまぶたの筋肉を減少させないこと。
まぶたの開閉を担う、眼輪筋とミュラー筋の筋肉量の維持が、若々しい目元を保つために大切。筋トレができない目元。どうやってその筋肉を維持していくべき?
はやし・ゆうや/化粧品の新規素材開発、ヒアルロン酸やセラミドの応用研究など基礎研究に加え、新規ブランドの立ち上げや製品開発に従事。健やかな美肌を実現するために日夜研究中。
元は感覚も鋭敏なため、痛みなどの症状を強く感じるパーツ。エイジングサインが現れてからのケアでも遅いわけではないけれど、先手必勝で動くべきことは確か。そこで、アイケアの重要性を、目と皮膚の両方を長年研究してきた〈ロート製薬〉研究員の林裕也さんに伺った。
LESSON1 目元の筋肉が減少すると…
「目のまわりをドーナツ状に覆っている眼輪筋が弱くなると、目の力が失われ、まばたきをする力も低下。さらにまぶたの裏にあるミュラー筋は、意識して動かすことができません。加齢や目元への刺激で緩んでしまうと、たるみを加速」(林さん、以下同)
症状1 瞼の重だるさ
「筋肉が弱くなると、まぶたを開けるための力が低下。これにより、まぶたが重く感じられ、疲れやすくなる可能性があります」
症状2 目袋の目立ち
「下まぶたの筋肉が弱まると、目の下の皮膚や脂肪を支えきれず目の下に脂肪が突出。これが“目袋”。お疲れ感や老け印象の原因に」
症状3 シワ
「筋力低下により皮膚のハリ感も失われます。動きや表情に伴ってできる細かい折り目が定着しやすくなり、シワが目立つように」
症状4 たるみ
「筋肉の衰えによって支えが弱まると、皮膚が下垂しやすくなります。特に上下のまぶたの皮膚がたるむと、老けて見えてしまいます」
LESSON2 加齢による目元の変化を食い止めるために。
「アイケアはもちろん、生活習慣の改善によって、進行を遅らせたり、悪化を防いだりすることも可能かもしれません。しかし、生活習慣の改善やスキンケアはあくまでも“予防”に役立つものという考えを忘れずに」
[1] 目まわりの筋肉を動かすストレッチ。
「目のまわりは筋肉に覆われているため、意識的に筋肉をほぐし、柔軟性を維持することが大事です。例えば、目を大きく開けたり閉じたり、左右や上下に動かしたりするだけでも、十分なストレッチになるのでおすすめ。疲れ目改善やリフレッシュにも有効」
[2] 物理的な紫外線対策を取る。
「強い日差しに含まれる紫外線A波は、真皮まで到達し、コラーゲンやエラスチンなどを破壊して、筋肉まで影響を及ぼしてしまうことも。この紫外線A波は窓ガラスも通過してしまうので、日焼け止めは必ず塗って。外出する際は、サングラスや帽子なども忘れずに」
[3] 食生活などの生活習慣を見直す。
「筋肉を健康に保つためには、タンパク質をはじめとする栄養素が必要です。バランスの良い食事を心がけ、必要な栄養素を摂取しましょう。また、睡眠中に体は修復と再生を行います。十分な睡眠を取ることで、目元の筋肉も健康を保つことができます」
[4] 目薬や医薬品、サプリメントの併用。
「加齢は眼精疲労(目の疲れに加え、頭が重い、肩こりなど含む)を悪化させる要因の一つです。近年はデジタルデバイスを使うことも増え、目のピント調整に負担がかかることも。眼精疲労や目のかすみであれば、目薬や目専用のサプリもおすすめ」
・目元の摩擦
・炎症や感染
・表情の固定
・栄養不足
・コンタクト装用
「目まわりは繊細なので、触れる際は丁寧にするのが鉄則。ハードコンタクトレンズの取り外しの際は上まぶたを強く引き上げず、優しく扱うように心がけましょう」
休んでも回復しない眼精疲労に。Vロートプレミアム アイ内服錠[第3類医薬品] 21錠 1,078円(ロート製薬コミュニケーションコール 0120-610-755)
「まぶたは、目の印象を変え、コミュニケーションの手段ともなる重要な部位です。私たちが着目している眼輪筋とミュラー筋は、まぶたの開閉を担う筋肉であり、この筋肉を維持することが、イキイキとした目元印象を保つために重要だと考えています。年齢を重ねるにつれ、まぶたが開けづらい、おでこの筋肉を使ってまぶたを開けている、まぶたが痩せてきたなんて思うことはありませんか。これは全てまぶたの筋肉量が減っているサイン。筋肉は生成から痩せ細るまで過程があります。筋肉はタンパク質で構成され、タンパク質の代謝によって筋肉量が決まります。加齢や運動不足による筋肉量の減少は、25~30歳頃に始まるとされており、もちろん、タンパク質の合成と分解のバランスを保つことができれば筋肉を維持することは可能です。しかし、分解が上回ると筋肉は減少し、痩せ細ってしまいます。この分解が促進される原因の一つが、筋肉の炎症。炎症とは異物や死んだ細胞を排除して、生体の恒常性を維持しようとする一時的な反応のこと。加齢などの原因で炎症の回復が間に合わずに長期にわたって続くと、筋肉の破壊が起こり、筋肉量を減らしてしまうのです。つまり、筋肉量を維持するためには、筋肉の炎症を抑えることが最重要課題。例えば、目をこするなどの摩擦やハードコンタクトレンズによる機械的な刺激、不適切なスキンケアなど普段から炎症を起こさないようにすることが大切です」
そのほかに、まぶたの筋肉量を低下させないために気を付けるべきこととは?
「まばたきをしない、表情がない場合も筋力を低下させ、筋肉量を減少させてしまいます。目元の構造上、筋トレは難しい部位ではありますが、ストレッチなどで目まわりの筋肉を動かすことで、筋肉の強さと柔軟性を維持することにつながります。意識的に目まわりの筋肉を動かすようにしましょう。また、基本中の基本ですが、アイクリームなどの適切な保湿で、皮膚と筋肉の健康を維持することも大切。上まぶた、目尻、下まぶたをぐるりとマッサージしながら塗布するのがおすすめです」
まぶたをこれ以上たるませないために、一歩手前で対策を。