私にとって麦わら帽子は特別なのかも|前田エマの、日々のモノ選び。#12

私にとって麦わら帽子は特別なのかも|前田エマの、日々のモノ選び。#12
私にとって麦わら帽子は特別なのかも|前田エマの、日々のモノ選び。#12
LEARN 2024.07.16
30代という年齢は、“モノを選ぶ眼”が育ち養われてくる年齢ではないだろうか?流行りものやブランドものではなく、自分が心地いいモノを選びたい。生産の背景を知り好きになるモノだったり、多少値が張っても人生をかけて大切にしたいと思えるモノだったり…。そういった視点でモノを選ぶ前田エマさんが、ご自身の私物とともに「モノの選び方」について綴る連載です。第12回目は“麦わら帽子”について。

保育園の頃から小学校を卒業するまでずっと、夏になると私の頭には必ず、麦わら帽子が乗っていたような気がする。
真っ黒に日焼けして外で遊ぶ私に母は「絶対に帽子をかぶって!」と、耳にタコができるほど口うるさく言っていた。
夏が近づいてくると母は毎年のように、新しい麦わら帽子を買って私に被せた。
夏が終わる頃には、首のゴムの部分がびろ~んと伸び切り、麦わらの部分もささくれだって、ボロボロになっていた。

保育園の頃はSPEED、小学生の頃はモーニング娘。が人気だったので、スポーティーで少しギャルっぽいスタイルが流行っていた。
私は当時からガーリーなワンピーススタイルも好んで着ていたけれど、アイドルが大好きで彼女たちのようなスタイルにも憧れ、真似していた。
しかしガーリーなスタイルには麦わら帽子はしっくりくるのだが、アイドルスタイルには似合わない。
それでも母は「エマは麦わら帽子の方が似合うからね」と言って、キャップは買ってくれなかったような記憶がぼんやりと残っている。

そんなわけで、大人になった今でも心のどこかで「私は麦わら帽子が似合う」という気持ちがあって、それと同時に「あんまりキャップは似合わないのかも…」という変な刷り込みみたいなものがある。
でも、最近はほぼ毎日のようにキャップをかぶっているので、遅れてやってきた反抗期みたいな…。

それでも、やっぱり、私にとって麦わら帽子は特別なのかもしれない。
大人になってから、気づけば色々な麦わら帽子を集めていた。
今日はそんな私が日頃愛用している麦わら帽子たちを紹介してみようと思う。

いちばん長年使用しているのは〈CA4LA〉のツバが広い麦わら帽子だ。


〈CA4LA〉の麦わら帽子

大学生の頃に買ったような気がする。
大学の同級生にこれと似たような麦わら帽子をかぶっている子がいて素敵だなと思い、色々探して見つけたのがこれなのだが、当時は帽子のブランドをあまり知らなくて、〈CA4LA〉に行けば何かいいものがあるだろうと、原宿店に足を運んだ。
〈CA4LA〉はメイドインジャパンのブランドだ。

〈ヘレンカミンスキー〉の帽子は、くるくると巻いて、コンパクトになるので、持ち運びに便利。こちらの帽子、実は麦わら帽子ではなく、ラフィアという素材を使っていて、長持ちしやすいそう。


〈ヘレンカミンスキー〉の麦わら帽子

いちばんよく愛用しているのは〈tocit〉という広島県尾道でスタートしたブランド。
ひとつひとつ丁寧に縫い上げているそうで、網目が繊細で、顔に落ちる影の模様も美しい。
軽くて、涼しげで、お気に入りだ。


〈tocit〉の麦わら帽子

友人がかぶっていて「なんて可愛らしいフォルムなのだろう!」と心奪われたのは〈BERRETTA〉というブランドの黒い細いリボンが可愛らしい帽子。
ホームページを見てみたら、ツバの大きさやリボンの細さ、帽子部分の形が微妙に異なるいろんな種類のものがある。


〈BERRETTA〉の麦わら帽子

〈BERRETTA〉の麦わら帽子は、販売会に並んで、色々かぶってみて、自分に合うものを選んだ思い出がある。試着する前に目星をつけていたモノとは違うデザインを選んだので、実際にかぶってみるって大事だなと感じた覚えがある。

〈KIJIMA TAKAYUKI〉のベレー帽のようなデザインのものは、なかなか出会えないデザインで気に入っている。
とてもシンプルなのに個性的で、かぶっていると褒められることが多い。


〈KIJIMA TAKAYUKI〉の麦わら帽子

汗をかく季節なので、夏に被る帽子はお手入れが特に大事だと思う。
私はおでこの部分に、汗を吸い取る汗とりテープを貼っている。
いろんな種類があるけれど、私は安いものを買って、なるべく頻繁に張り替えるようにしている。
毎回きちんとお手入れするのは、ズボラな私には面倒くさいので、壁にかけて、できるだけ湿気が籠らないような場所で保管するようにしている。
時々、乾いた布で汚れを落としたり、たまに消臭スプレーを振りかけて、陰干ししたりしている。

プロフィール
前田エマ
前田エマ

1992年神奈川県生まれ。東京造形大学を卒業。オーストリア ウィーン芸術アカデミーの留学経験を持ち、在学中から、モデル、エッセイ、写真、ペインティング、ラジオパーソナリティなど幅広く活動。アート、映画、本にまつわるエッセイを雑誌やWEBで寄稿している。2022年、初の小説集『動物になる日』(ミシマ社)を上梓。6月20日に韓国カルチャーガイドブック『アニョハセヨ韓国』(三栄)を刊行。
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