留学中に購入した韓国雑貨をお披露目|前田エマの、日々のモノ選び。#11

留学中に購入した韓国雑貨をお披露目|前田エマの、日々のモノ選び。#11
留学中に購入した韓国雑貨をお披露目|前田エマの、日々のモノ選び。#11
LEARN 2024.07.01
30代という年齢は、“モノを選ぶ眼”が育ち養われてくる年齢ではないだろうか?流行りものやブランドものではなく、自分が心地いいモノを選びたい。生産の背景を知り好きになるモノだったり、多少値が張っても人生をかけて大切にしたいと思えるモノだったり…。そういった視点でモノを選ぶ前田エマさんが、ご自身の私物とともに「モノの選び方」について綴る連載です。第11回目は韓国留学中に購入した“韓国雑貨”について。

6月20日に『アニョハセヨ韓国』という新しい本が、ついに発売となった。

昨年、半年ほど韓国・ソウルに留学していたのだが、その時に出会った人たちのことを書いた。

若いアーティストから、長年愛されているお店を営まれている年配の方まで、いろんなお仕事をされている皆さんの、人生のお話をお聞きし、一冊にまとめた。

ほかにも、おすすめの美術館や博物館、独断と偏見で選んだ韓国文学オススメ作品、留学中によく通ったお店など、これでもかというくらいギュッギュッと内容を詰め込み、ガイドブックとしても、読み物としても楽しめる本を目指した。

写真はこの連載でいつもお世話になっている長田さんで(彼女は韓国語が話せるので心強かった〜)デザインも可愛いので、手にとっていただけたらうれしい。

前田エマ著『アニョハセヨ韓国』

せっかくなので今回は、私が留学中に購入した雑貨たちを紹介したいと思う。

本の中で訪れたお店で実際に買い物したアイテムたちなので、私も思い出を振り返る気分で楽しい。

〈OJACRAFT〉のお香立て

まずは〈OJACRAFT〉の手の形をした線香用のお香立て。

〈OJACRAFT〉は陶器を扱うお店で、扱う全ての商品は、OJAさんが制作している。

色は白やグレー、黒などモノトーン。

皿やカップ、ランプシェードなどの日用品もあれば、オブジェなどもある。

馬や猫、鳥、りんごや鍵、赤ん坊の顔などをモチーフにした作品からは、何か物語が聞こえてきそうな感じがする。

線香立てにもたくさん種類があったが、“目標”“希望”の意味を込めたこちらのハンドサインを選んで、今も毎晩のように愛用している。

〈sayujib〉のお香

〈sayujib〉という骨董を扱うお店で購入したお香は、何か特別な香りがするわけではなく、その場の空気を変えたい時に焚きたくなる。

「詩」という名前が付けられていて、シンプルだけれどこだわりを感じるパッケージのデザインも、この店を表すようでいい。

この店では韓国の古道具はもちろん、作家の作品と出会える。

韓国のみならず日本を含めた世界中の作家の作品を扱っていて、店主のセレクトのセンスが本当に素晴らしい。

大きな窓がある心地よい店内で、ついつい長居してしまう。

〈張紙房〉のコースター

韓国の紙“韓紙”(ハンシ)は本当に種類が多く、水に強いもの、薄いもの、絵画のような模様があるもの、色のついたものなど様々。

〈張紙房〉(チャンジバン)は伝統ある韓紙の店で、私はコップを置くコースターを買った。

紙をギュッと圧縮して作られていて、意外と丈夫。

〈香美堂〉のポジャギ

私がついついたくさんお買い物をしてしまうのは、「踏十里古美術商街」という骨董品を扱う店が並んでいるビルに入っている〈香美堂〉(ヒャンミダン)という店だ。

日常で使いやすいアイテムが、そこまで高くない良心的な価格で購入できる。

「ポジャギ」と呼ばれる風呂敷のような大きな布。

私が買ったのは小さな布をパッチワークのように縫い合わせた「チョガッポ」という種類で、なんと北朝鮮で作られたものだそうだ。

「スッカラ」というスプーン

他にも「スッカラ」というスプーン。

これは想像以上に使いやすい。

色々なサイズがあって、ひとつひとつ微妙にデザインが違うので、選ぶのも楽しい。

日本の詩人・茨木のり子の自宅の写真を見たときに、大きなおたまに白い陶器を載せているのを見て、美しいなと思った。

その写真を店主のチュンヒさんに見せると、同じようなものを見繕って持ってきてくださった。

茨木のり子は、50歳を過ぎてから韓国語を学び始め、多くの詩の翻訳を手がけた。

自宅に少しずつ、韓国のモノが増えていって、そのことがとても嬉しい。

information
『アニョハセヨ韓国』前田エマ
『アニョハセヨ韓国』前田エマ

2024年6月20日発売

価格:1,980円(本体1,800円+税10%)

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プロフィール
前田エマ
前田エマ

1992年神奈川県生まれ。東京造形大学を卒業。オーストリア ウィーン芸術アカデミーの留学経験を持ち、在学中から、モデル、エッセイ、写真、ペインティング、ラジオパーソナリティなど幅広く活動。アート、映画、本にまつわるエッセイを雑誌やWEBで寄稿している。2022年、初の小説集『動物になる日』(ミシマ社)を上梓。6月20日に韓国カルチャーガイドブック『アニョハセヨ韓国』(三栄)を刊行。
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photo_Kasumi Osada hairmake_Taeko Kusaba edit_Kei Kawaura

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