留学中に購入した韓国雑貨をお披露目|前田エマの、日々のモノ選び。#11
6月20日に『アニョハセヨ韓国』という新しい本が、ついに発売となった。
昨年、半年ほど韓国・ソウルに留学していたのだが、その時に出会った人たちのことを書いた。
若いアーティストから、長年愛されているお店を営まれている年配の方まで、いろんなお仕事をされている皆さんの、人生のお話をお聞きし、一冊にまとめた。
ほかにも、おすすめの美術館や博物館、独断と偏見で選んだ韓国文学オススメ作品、留学中によく通ったお店など、これでもかというくらいギュッギュッと内容を詰め込み、ガイドブックとしても、読み物としても楽しめる本を目指した。
写真はこの連載でいつもお世話になっている長田さんで(彼女は韓国語が話せるので心強かった〜)デザインも可愛いので、手にとっていただけたらうれしい。
せっかくなので今回は、私が留学中に購入した雑貨たちを紹介したいと思う。
本の中で訪れたお店で実際に買い物したアイテムたちなので、私も思い出を振り返る気分で楽しい。
〈OJACRAFT〉のお香立て
まずは〈OJACRAFT〉の手の形をした線香用のお香立て。
〈OJACRAFT〉は陶器を扱うお店で、扱う全ての商品は、OJAさんが制作している。
色は白やグレー、黒などモノトーン。
皿やカップ、ランプシェードなどの日用品もあれば、オブジェなどもある。
馬や猫、鳥、りんごや鍵、赤ん坊の顔などをモチーフにした作品からは、何か物語が聞こえてきそうな感じがする。
線香立てにもたくさん種類があったが、“目標”“希望”の意味を込めたこちらのハンドサインを選んで、今も毎晩のように愛用している。
〈sayujib〉のお香
〈sayujib〉という骨董を扱うお店で購入したお香は、何か特別な香りがするわけではなく、その場の空気を変えたい時に焚きたくなる。
「詩」という名前が付けられていて、シンプルだけれどこだわりを感じるパッケージのデザインも、この店を表すようでいい。
この店では韓国の古道具はもちろん、作家の作品と出会える。
韓国のみならず日本を含めた世界中の作家の作品を扱っていて、店主のセレクトのセンスが本当に素晴らしい。
大きな窓がある心地よい店内で、ついつい長居してしまう。
〈張紙房〉のコースター
韓国の紙“韓紙”(ハンシ)は本当に種類が多く、水に強いもの、薄いもの、絵画のような模様があるもの、色のついたものなど様々。
〈張紙房〉(チャンジバン)は伝統ある韓紙の店で、私はコップを置くコースターを買った。
紙をギュッと圧縮して作られていて、意外と丈夫。
〈香美堂〉のポジャギ
私がついついたくさんお買い物をしてしまうのは、「踏十里古美術商街」という骨董品を扱う店が並んでいるビルに入っている〈香美堂〉(ヒャンミダン)という店だ。
日常で使いやすいアイテムが、そこまで高くない良心的な価格で購入できる。
「ポジャギ」と呼ばれる風呂敷のような大きな布。
私が買ったのは小さな布をパッチワークのように縫い合わせた「チョガッポ」という種類で、なんと北朝鮮で作られたものだそうだ。
「スッカラ」というスプーン
他にも「スッカラ」というスプーン。
これは想像以上に使いやすい。
色々なサイズがあって、ひとつひとつ微妙にデザインが違うので、選ぶのも楽しい。
日本の詩人・茨木のり子の自宅の写真を見たときに、大きなおたまに白い陶器を載せているのを見て、美しいなと思った。
その写真を店主のチュンヒさんに見せると、同じようなものを見繕って持ってきてくださった。
茨木のり子は、50歳を過ぎてから韓国語を学び始め、多くの詩の翻訳を手がけた。
自宅に少しずつ、韓国のモノが増えていって、そのことがとても嬉しい。
1992年神奈川県生まれ。東京造形大学を卒業。オーストリア ウィーン芸術アカデミーの留学経験を持ち、在学中から、モデル、エッセイ、写真、ペインティング、ラジオパーソナリティなど幅広く活動。アート、映画、本にまつわるエッセイを雑誌やWEBで寄稿している。2022年、初の小説集『動物になる日』(ミシマ社)を上梓。6月20日に韓国カルチャーガイドブック『アニョハセヨ韓国』(三栄)を刊行。
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photo_Kasumi Osada hairmake_Taeko Kusaba edit_Kei Kawaura
petite flower print shirtグリーン \27,500
(venit/ヴェニット)@venit_official
Harumi Showroom / ハルミ ショールーム 03-6433-5395
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