蛙亭イワクラ「女四人寄れば…」 | 連載【即断すぎて周りがとめる】 vol.8
LEARN 2024.06.05
蛙亭イワクラさんは一見おっとりしているようだが、実は意志が強く、即断即決の人(早すぎて周りが「ちょっと待って、一回考えよう」と止めることもあるそう)。でも「イワクラを見ると周りが何かしてあげたくなる」ようなほっとけなさもある。「お笑いが人生を楽にしてくれた、自由にしてくれた」という彼女が見てきた景色、最近思うことについて少しずつ話してもらう連載です。
イラストはコンビの相方、中野周平さんが担当。
お笑いとは違うつながりの友達は、ほんと貴重なんです。
先日、仲のいい女友だち4人で久々に集まりました。
職業柄、圧倒的に男友だちが多いんですが、「紅しょうが」の熊元プロレスと「エルフ」の荒川は数少ない女芸人仲間であり親友。年齢でいえば、熊プロは同い年で、荒川は年下。一応、彼女たちは芸人として後輩だから、わたしはタメ口でしゃべりますが、2人はわたしに対しては敬語。でもホント、ただの友だちなんです。
わたしは気を許すと、結構、傍若無人に振る舞ってしまうところがあるんですよ(笑)。普段は人見知りだし、「ちゃんとしよう」という気持ちが強く働くんですが、熊プロや荒川が一緒だと、ついわがままになってしまうんです。例えば、「これからご飯食べに行こう」って言ってるのに、「あ、ちょっと待って」って途中でコンビニに寄ってパンを買って食べちゃったり。わたし、お腹がすいたら我慢できなくなっちゃうんですよ。熊プロと荒川はあきれ顔。「え?いまから食べに行くのに?」。当たり前ですよね。でも、わたしは「うるせえ」(笑)。あと、飲んでるときも、自分の好きなタイミングで勝手に寝ちゃったり。彼女たちが一緒だと甘えられるというか、安心して100%素の自分が出してしまうんです。
そしてもう1人、この世界の人ではないですが、わたしたちが尊敬し精神的支柱にしている女性がいます。わたしたちよりちょっと世代が上のマッコさん。大阪時代、わたしたち3人は同じ居酒屋でバイトをしていたんですが、そこの女店長がマッコさんでした。仕事終わりにマッコさんが奢ってくれたり、飲みに連れて行ってくれたり、ラブホにお酒や食べものを持ち込んでひたすら恋バナをする女子会を開いたり。
そんなマッコさんが大阪の居酒屋を辞め、4月に東京へ引っ越してきたんです。わたしたち3人は大フィーバー。渋谷でみんなで集まるぞ!って大騒ぎ。マッコさんのお誕生会も兼ねて4人で焼肉を食べました。
マッコさんは、かわいくて、やさしくて、とってもまっすぐな人。悩みもめっちゃ聞いてくれるし、的確にアドバイスもくれるし、悪いときはちゃんと叱ってくれるし、めっちゃ褒めてもくれる。マッコさんと話をしていると、わたしたちのいる世界って、やっぱ異常だなとつくづく思うんです(笑)。だいたい、マッコさんが「むっちゃハラたつわー」というような人の集まりですもん、この世界は。「オモロかったらそれでいい」とのんきに生きてるヤツらばっかで、一般社会からすればポンコツ人間の集まり。マッコさんと一緒にいると自分を客観視できるのでハッとさせられることも多いんです。だから、恋の相談もよくします。熊プロも荒川も、わたしよりもマッコさんに話してるんじゃないかな。わたしも何かあったらすぐ連絡。先日、オズワルドの伊藤くんとケンカしちゃったときも相談に乗ってもらいました(笑)。