小池栄子のお悩み相談室 第26回:「籍を入れずに妊活していることに、“不思議”という反応をされるのが億劫です」 (36歳・フィットネスインストラクター)

LEARN 2024.01.04

仕事、プライベート、家庭生活含め、日々頑張っている人ほど悩みは尽きず、誰かに聞いてもらいたい、いいアドバイスが欲しい…そう思っている女性たちの声がHanako編集部に寄せられています。そこで、女優としてひときわ存在感を放ち、かついつもスパッと気持ちのいい発言をされている小池栄子さんに、人生の先輩としてアドバイスをしていただくこととなりました!隔週更新でお届けします。

――人生において、マイノリティ気味な選択をした人からの今回のお悩み。多様性を重視する世の中に変わりつつある中、“当たり前”やルールに基づいた意見や見解にもやもやしているよう。

本日のお悩み

パートナーと籍を入れずに妊活をしています。籍を入れるかどうかは、今のところ未定です。そのことを友人に話すと、「まずは籍じゃない?なんで結婚しないの?」とほぼ100%言われます。お互いに大切な存在で納得して進めているので私自身はなにも不安なことはないのですが、結婚することが当たり前なのに不思議、というような反応をされるのが毎回億劫です。パートナーは、“そう言ってくる人の気持ちもわかるから、淡々と自分の考えを話せばいい”と言うのですが、その場で自分の考えをうまく伝えられていないモヤモヤが残ります。小池さんは、ズバッと自分の意見を伝えるかっこいい姉御のイメージなのですが、友人との会話の際にモヤモヤすることがあるときは、どのように解決されていますか。(36歳・フィットネスインストラクター)

――この相談者はいろんな理由があって籍を入れていない。その微妙なニュアンスまで伝えようとするとものすごく面倒くさくて、本当に理解してもらえるのかもわからないし…というところなんだと思います。興味本位でとか、間違いを指摘しているわけではなくて、普通に起こるであろう問題を視野に入れて意見してくる人も多いでしょうね。

そもそも、大多数の人が思っているのとは違うことを選択しているわけだから、あれこれ聞かれたり、理解してもらえないのはしょうがないっちゃしょうがないことなのかなあ。妊活するのは何の問題もないし自由な選択ですが、でもやっぱり子供が生まれたら、籍の問題とかいろいろ出てきますから、シンプルに不思議に思う人がいるのも無理はないというか。

――「それを聞く人の気持ちもわかるから」というパートナーのように。

そうそう。私は、この相談者のパートナーと同じ意見で納得しちゃうと思いますし、なぜ結婚しないのか(籍を入れないのか)を聞かれたところで別に説明しなくていいと思いますよ。

――そう思うのはなぜでしょうか。

私がこの相談者だったら、自分は大多数の人が選ぶ道とは違う選択をしているから、こちらの思いや理由を細かく説明してもわからないだろうな、って思うから。

――そのような経験はありますか?

私も、一般的な家族や夫婦のあり方とは違うものを選択しているという自覚があります。もちろん理解されないことも多い反面、私の場合は仕事に活かせる部分もあるので、ちょっと特殊なんですよね。例えば夫婦の問題も「うちの旦那はこうなんですよ〜」って、バラエティ番組で笑い話として昇華できる。実はそんなことをグチっていた脚本家とプロデューサーと一緒に、ドラマ『コタツがない家』を作ることができたりもしました。

――やはり芸能界にいると、世間との認識の違いみたいなものは多いと感じられますか。

そうですね、いわゆる一般常識にはまらないことが多い業界だと思います。そして、芸能に関わる人の中でも、世代によって意見や生き方の違いはあって。芸能界なんだからもっと特別なことをやるべきだし、それをやって許されるし面白い、って考える人たちもいれば、最近の若い業界人の中には、もっと身近に、一般の人たちに寄り添ってほしいと考える人もいて。

――それはそうですよね。世代による見解の違いみたいなものは、業界関係なくあると思います。

だから、私自身が誰かの家庭の話を聞いても、“もっと意見を言いたいけど、これ以上言ってうるさい奴だと思われたくない”とか、“余計なお世話だから言うのをやめてこう”って思うこともありますよ。

自分の選択に自信を持ち、 その時々に合った対応をすればいい。

――ちなみに小池さんの場合、もやっとする質問に対してこう聞かれたらこう返す、みたいなものは決めていたりしますか?

「私たちはちょっと特殊な考えの夫婦だから」とか、逆に意見を求められたら「あまり参考になりませんよ」って最初に言っちゃうかも。そして「私たちはそれで満足しています」って、自分たちをはっきり肯定するだけでも、少しスッキリするかもしれません。

――周りとは違う選択をしているという自覚を持っていれば、少しは、もやもやは晴れるのでしょうか。

でもこの相談者は、きっと自覚しているんじゃないかな?あとは、自分たちの選択にもう少し自信を持ってもいいのかもしれません。そうすれば、多様性が認められつつある時代、いろんな人がいるしいろんな考えを受け入れようと思えるかも。基本的には細かく説明しなくていいし、もし、なぜかスラスラと正直な思いを話せちゃうという人に出会ったら、きちんと思いを伝えてもいいし。あまり難しく考えすぎたり、“こういう反応をしなきゃ”と決めずに、その時々の対応でいいと思いますよ。

Photo_Syu Yamamoto text_Aya Wakayama


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