今夏京都に待望のカフェがオープン! レシピ本も出版!多彩な菜食料理で話題の〈ヨーガン レール〉の社員食堂とは?
今夏京都に待望のカフェもオープン!多彩な菜食料理で話題の〈ヨーガン レール〉の社員食堂。そんな気になる社員食堂を、『ヨーガン レールの社員食堂』の著者・高橋みどりさんと訪れました。Hanako『食堂ラプソディ ひとりグルメのひそかな愉しみ』「食堂ブームはここから始まった?野菜たっぷりの夢の社員食堂。」よりお届け。
社内で一番心地よい場所を、皆の元気を養う社員食堂に。
窓際から木漏れ日があふれ、木製テーブルや個性豊かなスツールが広い空間にゆったり配置される。「社内で一番気持ちのいい場所に」と、亡きヨーガン レール氏が創設した社員食堂にスープのいい匂いが漂う。着心地の良い服づくりに定評がある〈ヨーガン レール〉社のランチタイムの情景だ。
ある日のメニュー。かぼちゃのグラタン、茸たっぷりのグリーンサラダ、ケールとパパイヤの炒め物、京くれないなど2種の人参と日向夏みかんのサラダ、島らっきょうの味噌炒めほか、菜食おかずの多彩さが見事。旬のぬか漬けと梅干しをのせた赤米入りの玄米ご飯。具沢山の汁物も欠かさない。
かぼちゃのグラタンや豆腐とトマトの炒め物ほか6種の料理にスープ、赤米入り玄米ご飯など、多様な風味の連続に夢中になるうち、これが菜食メニューであることを忘れてしまう。
「こんな社員食堂があるなんて、最初はびっくりしながらも幸せな気持ちになって」と、有機野菜で毎日多彩な料理をこしらえる料理人、佐藤雅子さんが自ら1年間丹念に記録した献立をまとめた『ヨーガン レールの社員食堂』の著者、高橋みどりさん。以前勤めていた知人からこの食堂の話を聞いて、食べてみたくてたまらず、会社の門を叩いたことから生まれたご縁という。
〈ヨーガン レール〉の社員食堂を支える佐藤雅子さん。東京生まれ。40年前から玄米と菜食を始め、べジタリアンにこだわることなく自然を壊さず、科学的なものに頼らぬ食の探求をする。「肉と魚と砂糖を使わずにおいしい食事を」という最初のヨーガン氏の要望は「なぞなぞのようだった」と笑う。
〈ヨーガン レール〉の社員食堂に関する2冊の本。従来の「食堂」のイメージを変え、玄米菜食の豊かさを伝える。右・『ヨーガン レールの社員食堂』高橋みどり著。左・『ヨーガン レールの社員食堂 野菜でつくる一皿料理』佐藤雅子著・高橋みどりスタイリング・編(共にPHPエディターズ・グループ)。
「いつ来ても変わらないのが、すごいんです。単にお皿の上のおいしさを考えるだけでなく、気持ちのいい環境で過ごす毎日の豊かな食の時間が、良きものを生む。それが変わることなくきちんと運営されている」
理想の「食堂」の原義かもしれない。
ゲストに振る舞う年4回の展示会のごはんは大皿に盛り付けて豪快に。旬の筍たっぷりのちらし寿司。大根おろしをたっぷり用意したふきのとうやウドなど旬の野菜の天ぷら、江戸菜のかき揚げ。五目豆、ウドと大根とスナップエンドウのサラダ、スイスチャードと大マッシュルームの炒め物など。
ファン待望の佐藤さんが指導したスタッフが朝ごはんを作るカフェが、いよいよ今夏京都に現れる。食堂のエスプリを体感してほしい。
高橋みどり/2歳からの東京育ち。陶芸、テキスタイルを学び、ケータリング活動を経てフリーに。著書も多数。
社員食堂の味が京都に!
2001年から東京〈ヨーガン レール〉社の社員食堂のシェフとして数々の菜食レシピを生み、本を通してファンも多い佐藤雅子さんの料理。今年7月に京都にオープン予定の新ホテル〈MALDA〉のカフェで、ついに「ヨーガン レールの社員食堂」の味が。宿泊者のための朝食に加え、午後のお茶とお菓子をカフェで提供予定。
■京都府京都市中京区丸木材木町684
■https://www.maldakyoto.com/
Hanako『食堂ラプソディ ひとりグルメのひそかな愉しみ』特集では、気になる社員食堂を多数ご紹介しています。
(Hanako1156号掲載/photo : Masahiro Goda text : Chiyo Sagae edit : Kahoko Nishimura)