きゃりーぱみゅぱみゅの 大人なLADYになるわよコラム〜第49回Perfumeと約束したわよ〜
きゃりーぱみゅぱみゅが「大人なLADY」を目指す日々を綴る連載。おかげさまで、話題沸騰です。第49回は「スペインの地で改めて実感できた、Perfumeとの絆」について。
第49回 Perfumeと約束したわよ
皆さま、ごきげんよう。最近、またひとつ“大きな夢”ができた、きゃりーぱみゅぱみゅです。
その大きな夢とは、Perfumeとの共演です。
私はプライベートでもあ〜ちゃんとめっちゃ仲良しだし、どちらも同じ中田ヤスタカプロデュースだし、前々から「いつかライブを一緒にできたらいいな〜」とずっと思ってはいました。
とはいえ、あのPerfumeと共演したいだなんて、私からするとあまりに身のほど知らずな希望です。
それに、お互いの事務所やチーム同士で話し合いをして、スケジュールや会場や舞台技術などなど、実現するにはいろんなハードルを乗り越えていかないといけません。
なので、それはあくまで私の胸の中で密かに抱き続けていた“小さな夢”というわけだったんですね。
だけど、先日ワールドツアーで訪れたスペインのマドリードでの経験を通して、本気でいつか実現させたいと思うようになりました。いよいよ大きな夢として。
今回は、日本から遠く離れたスペインの地で改めて実感できた、Perfumeとの絆のお話です。
前回もお伝えしたとおり、スペインでの私のライブは現地のフェスに出演するという形で開催されました。
そのフェス、「プリマベーラ」にはPerfumeも出ていて、まずバルセロナでPerfumeがライブをして、次の日に私がライブ。
そして1週間後のマドリードでも先にPerfumeがライブして、その次の日に私がライブする…という流れになっていました。
最初に行われたPerfumeのバルセロナライブは、それはもうめちゃくちゃ最高!という感じでしたね〜。今でもあのときの余韻に浸れます。
彼女たちのパフォーマンスにグイグイ惹きつけられた私は、気づいたら人混みをかき分けてステージの近くのほうに行っていて、そこで観客の皆さんと踊ったり合唱したりしてめっちゃブチ上がりました。
いや〜、Perfumeと同じ時代に生まれることができた幸せを噛み締めましたね。まじで日本の宝ですよ、彼女たちは。
で、次の日は私も自分のライブをして、次のマドリードまでの1週間の間はパリとロンドンでライブをするために、いったんスペインを出国。
そしてマドリードで再びPerfumeと一緒になって、私は二度目のPerfumeライブを楽しむ気満々でいたんですけどしかし!
……なんと、その日は悪天候の予報が出て急遽フェスが中止になってしまったんです???
でも現地の情報によると、実際に降ってきた雨は土砂降りというわけじゃなくて、「え、これならフェスできてたじゃん」くらいの小雨なんだとか…。それがよけいに悔しさを掻き立てます。
そんな状況のなか、ふと私は考えました。
「何かPerfumeのために力になれないかな?」
しかも、次の日(私の出演日)は天気が回復してフェスは開催されそうとのこと。そこで、あ〜ちゃんにメッセージを送りました。
本来ならコラボとかおこがましすぎて、こんなこと言える立場にありません。
だけど、とにかく「Perfumeのあの最高なステージを、自分の持ち時間60分を30分ずつ分け合うことでなんとか実現させたい!」という思いだったんです。
私のチームにも相談したら、みんな「やろう!」と賛同してくれたので、「ほんとみんな力になりたいと言ってるし、私たちは一心同体だよ」、そんな気持ちを伝えました。
特にあ〜ちゃんからは、去年、私がアメリカのフェス「コーチェラ」に出たときにすごく勇気をもらいましたからね。
出国前におそろいのイヤーカフとインスタントのお味噌汁をくれて。
しかも、現地でダンサーさんが体調不良になって私が一人でステージに立つことになったときも「私も今、おそろいのイヤーカフつけてるよ。一緒にいるから緊張しないでね」って励ましのメッセージをくれて…。
それがどれだけ私の力になったことか。
幸いにも、私たちの申し出をPerfumeのチームも喜んでくれて、早速、今からどんなことができそうかを両チームで話し合うことになりました。
出番までもう24時間を切っています。
みんなでめっちゃ集中して、いろんなアイデアを出しました。
例えば、私が『チョコレイト・ディスコ』を時間までになんとか覚えてそれを歌うだとか、一方のPerfumeは『原宿いやほい』を歌うだとか。
でも、残念ながら、やっぱり時間がなさすぎでした。
その時間にPerfumeが出ると、彼女たちのテクニカルチームが帰国の便に間に合わなくなることもわかったりして、今回は泣く泣く見送らざるをえなくなってしまったんです。
結局、私の出演枠はもともとの予定どおり、私とダンサーさんだけで出ることになりました。
そして雨上がりに開催された、お客さんもまばらな真夜中のマドリードライブ。これについては前回のコラムでもお伝えしましたね。
ただ、そこでお伝えしていなかったことがひとつあります。そのお客さんのなかにPerfumeの3人もいました。
「私たちもずっときゃりーとやりたいと思っていたし、改めてちゃんと時間をとって最高のコラボにしよう」
「やっぱり今回は無理だね」となったときに、彼女たちが言ってくれたこの言葉が私は本当にうれしかった。
いや〜、まじで実感しましたね、熱い中田ヤスタカの絆を。海外だからこそより一層尊く感じます。
みんなで必死になって案出しをしているときに、私がブワーッと湧いてきたアイデアを言ったら、それに負けない勢いでPerfumeも「それならこうしたら面白いかも!」みたいに懸命になって考えてくれて…。
その瞬間、「これが絆だなあ。それがほんとにあるなあ」って。
たとえ実現できないにしても、力になりたいと思っている私の思いを彼女たちに伝えられただけで、すごく意味があったとつくづく思います。
「いつか同じステージに立とうね」というPerfumeとの約束。
私にはまたひとつ大きな夢ができました。
まあ、ぶっちゃけ、それがいつになるのかはまだわからないんですけど、だからこそ私は当分の間、これを楽しみに頑張れます。
願わくば、これまたおこがましいのは重々承知なんですけど、…共演用にリミックスを作ってくれませんかね? 中田さん?(え、ずうずうしい?)